Mr.Children
Tour 2004 "シフクノオト" at 横浜国際総合競技場 (2004/9/11)

ミスチル"シフクノオト"ツアーの追加公演。会場は横浜国際。この会場に来るのは2002年のB'z LIVE-GYM "GREEN"以来、実に2年ぶりだった。渋谷から東横線で行ったのだが、もう渋谷の切符売り場からものすごい人だかり。切符買うのも一苦労。

この日の開演予定は18時。私はちょうど17時頃には会場に着いていた。しかし何度観ても横国は本当にデカイ。なんせ最大で約8万人のお客さんが入るような会場。私の座席は北ゲート1階21列121番。ほんと、座席にたどりつくまでも結構大変。そしていざ座席に着いてみると、またしてもその会場のデカさに圧倒される。

ちなみに今回の席は前回の横浜アリーナ同様ファンクラブ枠で取ったのだが、前回がアリーナ最前列だったにも関わらず今回はまさにステージとはちょうど反対側で最も離れた位置。同じFCのチケットでこの違いは何?(笑)

そして18時を15分ほど過ぎた頃だろうか。場内の照明が暗くなる。とともに大歓声があがる。そして場内に穏やかなシンセの音色が響き渡るとともに、ステージ上のスクリーンに映像が映し出された。真っ白な世界の中にたたずむ一人の男。シルエットは真っ暗で、顔の表情もわからなかったが、風貌からして男だとわかった。目の前にはバスが止まっている。その男の手には「シフク」行きのチケットが握り締められていた。

ゆっくりと歩きながらバスの中に乗り込む男。すると場内から歓声があがった。ふとステージ上を観ると、何人か人影が見えた。メンバーが登場したのだろう。私の座席からはそんなもの全く見えなかったが(笑)。そしてMr.Children Tour 2004 "シフクノオト"が幕を開ける。

注目すべきオープニングナンバー。ステージにはやや緑がかかった綺麗な照明が照らされる中、最初はシンセとギターの音色だけだったが、少しずつ、少しずつ音が重ねられていく。聴いたことのないイントロだったため最初はファンも何の曲だかわからなかったようだが、途中から気づき始めたファンもいたようで、少しずつ歓声が大きくなる。そしてあのイントロへ。終わりなき旅。場内は「えええーーっ!!」というような驚きの大歓声に包まれる。そりゃそうだ。シフクノオトツアーなのに、1曲目が終わりなき旅だなんて。誰も想像していなかったに違いない。

しかしミスチルのライブでのセットリストには毎回驚かされる。ファンの予想、期待をいい意味で大きく裏切ってくれるのだ。だから何度ライブに足を運んでも、毎回違う驚きと感動が得られる。それがミスチルのライブの醍醐味と言っても過言ではないだろう。

桜井さんが「息を切らしてさ」と歌うとまたしても場内大歓声。6万人の大歓声というのはホント凄かった。ステージでその歓声をまともに受けるメンバーはどんな気持ちなんだろう。きっとたまらないほど気持ちイイんだろうな。

しかしこれは何度聴いてもホントいい曲だ。しかも今回は野外。日が沈みかけた夕方の秋の夜空を見上げながら聴く「終わりなき旅」はまさに感動以外の何物でもなかった。間奏の「誰の真似もすんな 君は君でいい 生きるためのレシピなんてない ないさ」のところでは思わず涙が出そうになる。改めて曲の素晴らしさに脱帽した。

曲が終わり、拍手と歓声に包まれる中、またしても聞き覚えのあるシンセ音。そしてあのギターフレーズが流れ出す。その瞬間、私の前にいた女の子が飛び上がって喜んでいた。光の射す方へ。桜井さんが「バッティングセンター!!」と叫びサビに突入。とともに場内にはパァーーッと照明が照らされ、ファンも大声で歌い上げる。そして桜井さんがファンにマイクを向ける。ファンが「WohWohWoh」と叫ぶ。気持ちいい。チョーー気持ちイイ。さらに間奏から「光の射す方へーーーー」と桜井さんが歌い上げると同時に、ステージ上からドーーーンと大きな花火があがる。場内は大歓声に包まれ、もはや最高潮に達したかのような盛り上がりに。私もまさか花火が見れるとは思わなかったため大興奮。

曲が終わってもどよめきに包まれる場内。しかし休む間もなくライブは続く。続いてはアコギが響き渡る。そこへ桜井さんが「ほんのつかの間」とメロディを重ねる。PADDLE。ようやく「シフクノオト」からの曲が顔を出す。ここでスクリーンに桜井さんの顔が映し出されたため、場内からは黄色い歓声があがっていた。サビに突入する前に桜井さんがマイクを観客に向ける。ファンは「行こうぜ!!」と叫ぶ。「パドリング」の部分でもマイクを観客に向けていた。桜井さんと6万人のファンとのかけあいは圧巻で、かつとても気持ちイイものだった。

演奏が終わり、ステージが暗くなる。すると突然、なーーーんと名もなき詩が!!前回の横アリでは演奏されていなかっただけに、私はこの日一番の興奮状態に。サビではいつものように桜井さんは一切歌わず、ファンだけの大合唱となる。スクリーンには笑顔で歌い上げるファンの姿が映し出されていた。6万人の大合唱。ステージからの光景はまさに絶品だったことだろう。

間奏で「足元をごらんよ きっと転がってるさーーーー!!」と桜井さん絶叫。そのままあの田原さんのギターソロへ。ホントこれは何度聴いても素晴らしすぎる・・・。

演奏が終わると当然のことながら場内はどよめきに包まれる。そしてMCへ。

桜井「どうもこんばんは。」
観客「(歓声)」
桜井「ミスターチルドレンでーす!!!」
観客「(拍手&歓声)」
桜井「えー・・今日は、ミスターチルドレン史上、最大級の・・・」
観客「(拍手&歓声)」
桜井「あの、先日、実家に帰ったんですよ。で、ご先祖様の仏壇が飾ってあるんですけど、あまりに広いところでやるもんだから、仏壇にですね、手をそえてきました。」
観客「(笑&歓声)」
桜井「成功するようにおがんでおきました。」

ちなみに僕が住んでるところは桜井さんの実家とめちゃくちゃ近いです(ちょっと自慢・笑)。

桜井「ホント、一番後ろの方の人達とはステージと距離が遠いけど、あの・・・心に、届かせますんで。」
観客「(拍手&歓声)」
桜井「えー・・・これから、恋の歌を、何曲かやりたいと思います。あのー、もうこのトシになるとですね、恋なんてものには手は出せなくなってきましてですね。恋は若いもんがするもんだ、と。」
観客「(笑)」
桜井「でも、仏壇に飾ってあるご先祖様に手を合わせながらですね、あーーこの人達が恋をしなければ、僕も生まれてこなかったんだなって・・・。」
観客「(拍手&歓声)」
桜井「そう思うと、何か仏壇がピンク色に見えてきちゃったりして。」
観客「(笑)」
桜井「皆さんも、それぞれの、恋の場面を重ねて、聴いてみてください。」

そして静かにピアノが流れ出す。そこに桜井さんがメロディを重ねる。口笛だった。桜井さんが優しい表情で歌う姿がスクリーンに映し出される。ファンは皆静かに聴き入っていた。そして途中からはバンドが重なり、従来のオリジナルバージョンへ。途中「その体、その香り」と歌詞を間違えて歌っていた(逆ですよね?)。さらに最後は桜井さんが口笛を吹き、何とも言えない心地よさのまま演奏が終わる。

拍手とため息に包まれる中、続いては抱きしめたい。過去のライブで何回も演奏されておりもはや定番曲となっているが、今回は会場が大きかったせいもあり、ミスチルのライブを初めて体験するファンも多かったようで、一際大きい歓声があがっていた。こちらの演奏は完全にオリジナルバージョン。間奏では例のごとく浦さんがサックスを吹く。冷たい秋風が吹きぬける中でのこの間奏は何とも素晴らしかった。

そしてここでまたしても嬉しい予想外の展開が待っていた。演奏が終わると、今度は浦さんがピアノを弾き始める。全く聴いたことのないフレーズだった。そこへ桜井さんが優しく歌声を重ねる。私は一瞬耳を疑った。まさかのEverything(It's you)だった。これも名もなき詩と同様、横アリでは演奏されなかった曲。しかも個人的にこの曲はミスチルの楽曲の中でも5本の指に入るほど好きな曲だったし、かつライブで聴いたのも初めてだったため、もう嬉しくてたまらなかった。「Stay」の部分はちょっとアレンジが加えられていて、入りのタイミングがオリジナルより2拍ほど遅れていた。そして間奏あたりからバンドの演奏が加わる。感無量だった。この曲は私のとってこの日1番のシフクノオトだった。

続いてはスクリーンにいくつもの花が咲くようなCGが映し出される。Pink〜奇妙な夢。「シフクノオト」の中からでは、何気に楽しみにしていたナンバーである。穏やかな恋の歌から一転、この曲からはまた別のミスチルワールドに一気に引き込まれていくことになる。

続いては静かなピアノの音色に場内は物音ひとつしないほど静まり返る。血の管。スクリーンには赤い線で心臓を象ったようなCGが描かれていた。出だしは非常に暗いどんよりとした曲調だが、歌詞の主人公が昔好きだった人のことを思い出している間は暖かい曲調に一変する。そして演奏が終わるとそのまま心臓の絵がスクリーンに残り、「ドクン、ドクン」と鼓動が響き渡る。それに合わせて拍手する場内。するとそのままへ。歓声に包まれる場内。スクリーンにはまさに「掌」が映し出される。

この「掌」はほんと素晴らしかった。CDで聴くのより何倍も良い。というのも間奏から最後のサビにかけて、オリジナルとは違うアレンジが施されていた。

「それぞれが信じてること、それぞれが夢見てるもの、それぞれが暮らしていたい場所、それぞれが愛してる人」

といったコーラスが加えられていた。最初は桜井さんが歌っていたが、間奏ではSUNNYがこのコーラスを歌い上げ、そこへ桜井さんがオリジナルの歌詞を重ねていた。さらに「それぞれのWORLD」という歌詞も加えられ、桜井さんが何度も何度もそのフレーズを叫ぶように歌う。圧巻だった。

続いてはあのギター音。ニシエヒガシエ。もちろんあのギターフレーズが聞こえた時点で場内からは歓声があがる。ステージ上にはソファーに座った桜井さんが食い入るようにTVを見つめていた。カメラマンがステージ上の桜井さんのすぐ近くでビデオを回していたため、その姿がスクリーン上にも映し出されていた。

TVの内容はテロや戦争の映像。イラクやアメリカ、北朝鮮のニュースなどが各国の映像をベースに流れている。このニシエヒガシエはライブでは毎年演奏されているが、毎回、桜井さんはこの曲で目が完全にイってしまっている。特に今年はやや怖さを覚えるほどだった。いつしかTVに映し出されていたニュースはステージ上の桜井さんの映像に切り替わる。しかし相変わらずイっちゃった目でそのTVに写っている自分を食い入るように見つめながら、1番を歌い上げる桜井さん。

そして1番のサビが終わると場内が一旦暗くなり、間奏で一気に明るくなり、巨大なバンドサウンドが響き渡る。思わず場内からも大歓声があがる。「この指とまれー!!」では興奮のあまり右手を突き上げる。

最後はまた違うアレンジになっており、「知らなきゃ良かった ブンレツしそうなんだ 価値観が揺らいでいく ニシエヒガシエ」といったフレーズを歌うとともに、スクリーンにはその文字も映し出されていた。このアレンジもまた秀逸だった。

そして「最後にもう一度」と文字が映し出され、ニュースキャスターの映像が映し出されたかと思うと演奏が終わり、「close your eyes」の文字が。ざわめく場内。ステージは真っ暗なままだ。とりあえずなすがままに目を閉じる。すると桜井さんがアカペラで歌い始めた。曲はなんと、まさかまさかのImageだった。

「楽しく生きてくイメージを膨らまして暮らそうよ」
「大切なものはいつも目の前に転がっている」

目を閉じながらこの曲を聴いていると、それだけでなんだか幸せな気持ちになってくる。ニシエヒガシエからのつながりで、知らなきゃ良かったようなツライことも味わうけど、楽しく生きていこうというメッセージも込められていたのだろう。サビでパッと目を開けると一気にステージが明るくなる。思わず涙がこぼれそうになった。

最後のフレーズは目を開けながら聴く。
「楽しく生きてくイメージを膨らまして暮らそうよ この目に写る全てのことを抱きしめながら」

この曲はそれまで自分が抱えていた嫌なこと全てを拭い去ってくれた。私にとってはまさにシフクの曲だった。

そしてシフクのトキはまだまだ続く。
続いてはスクリーンに雲の映像が映し出されるとともに、なんとovertureが流れてきた。そしてこの曲に続くのはもちろんあの曲しかない。例のカツン、カツンという音とともに蘇生へ。Dec21のときに思わず感動のあまり涙してしまった、私にとっては思い出深い大切な曲だった。横アリのときも感動して涙してしまいそうになったが、この曲は何度ライブで聴いても心を揺さぶられるものがある。サビではまたしても桜井さんは歌わず、「何度でも、何度でも」と、観客だけの大合唱となった。

演奏が終わるとすぐさまドラムが鳴り響く。そして桜井さんが「みんなもっと一緒に歌ってくれーー!!!」と叫ぶ。歓声で応える場内。するとそのままなんとInnocent Worldへ!これはもう完全に意表をつかれた。前回の横アリでは4曲目に演奏されたこの曲。今日はそこに名もなき詩が演奏されたから、てっきりイノセントは削られたものだとばかり思っていたからだ。ファンもまさかここでイノセントが来るとは思っていなかったため驚嘆の混じった大歓声。そして1番はもちろんファンだけが歌う。スクリーンには笑顔で歌うファンの姿が映し出される。桜井さんも笑顔でファンにマイクを向けていた。場内が1つになった、まさにシフクのひとときであった。

場内も最高に盛り上がった状態で、今度は中川さんのベースとシンセパッドの音色が響き渡る。アレンジはオリジナルとは違っていたが、これはもう聴いた瞬間にすぐわかった。youthful days。オリジナルのイントロに突入した瞬間、この日一番と言っても過言ではない大歓声に包まれた。サビの途中、「抱擁とキスで」というところで実際に抱擁する仕草と、投げキッスをする桜井さん。私の周りの女性ファンからは「ギャアアアア!!」という悲鳴のような歓声があがる(笑)。

個人的に「It's A Wonderful World」はミスターチルドレンの作品の中でも至極の名作であり、邦楽界においてあそこまで素晴らしいアルバムは他にないと思っている。だからそのアルバムから蘇生とyouthful daysを聴けただけでもう個人的にはお腹一杯。しかしライブはまだまだ続く。このシフクのトキはいつまで続くのだろう。

今度はJENが「ドン、ドドン」というリズムでキックを入れる。それに合わせてファンは手拍子。すると桜井さんがAメロを歌いだす。とともに場内またしても大歓声。くるみだった。スクリーンには4人に姿がそれぞれのスクリーンに映し出される。これもライブの方が何倍も良かった。目を閉じながら、幸せそうな笑顔で歌い上げる桜井さんの姿がずっとスクリーンに映し出されていた。ファルセットを使った高音部分も見事に歌い上げる桜井さんを見て、いまさらながらさすがプロだと思った。さらに桜井さんの虜になっちゃった女性ファン続出だっただろうことは言うまでもない。

演奏が終わり場内が暗くなる。続いてはなんとAnyへ。これも横アリでは演奏されていなかったため、まさか聴けるとは思わなかった。スクリーンには目を閉じて、まぶたの上に目の落書きをしている学生達が映し出される。このPVはちょっと怖かったけど曲の素晴らしさがそれに打ち勝っていた。

続いては「ドン、ドン、ドン、ドン」というキックが響き渡る。思わずそれに合わせて拍手をするファン。そしてスクリーンには道路をひた走るバスの映像が。天頂バスだ。オープニングで「シフク」行きのチケットを持っていた男を乗せたバスが、天頂めざして走って行く。この天頂バスも、掌と同様にアレンジが加えられていて、これがまた素晴らしかった。間奏の部分では「Yeahhhhh!!!!!」と何度も何度も叫ぶ。桜井さんはステージ上を走り回りながら、赤い鉄塔のようなものに昇っていた。あれだけでも相当体力使ってるだろうに、何故あそこまでのライブパフォーマンスができるのか不思議でならない。

「Yeahhhhh!!!!!」と叫ぶたびにファンは右手を突き上げる。場内が1つとなって、まさに天国へ昇っていく様は圧巻だった。そしてラストは花火が大爆発!ライブはこの時点で最高潮を迎えた。

演奏が終わってもどよめきと歓声に包まれている場内。すると静かにギターの音色が。これもDec21のときと同じようにアレンジされたイントロだったためすぐにわかった。HERO。スクリーンに汗だくになりながら歌い上げる桜井さんの映像が映し出される。やはり天頂バスで走り回ったせいもあり、最初は息切れしてて辛そうだったが、それも最初だけだった。最後まで途切れることなく熱唱する姿を見て、思わずため息が出た。

演奏が終わった。そして場内が明るくなる。拍手に包まれる場内。「どうもありがとーう!」と言いながらステージを去るメンバー。もちろん場内からはすぐさまアンコールの嵐。

しばらくするとそのファンの声援に応えるかのようにメンバーが再登場。もちろん大歓声があがる。いつの間にかステージ上には一番前の方に様々な楽器がセッティングされていた。そしてMCへ。

桜井「どうもありがとう!」
観客「(歓声)」
桜井「客席をみると、なんか色んなTシャツを着ている人がいて・・・。昔のツアーのTシャツを着ている人もいれば、つい最近のTシャツを着ている人もいますし。15年前僕がデザインしたものとか・・・(笑)。」

とここでJENが物凄い大声で笑ったため、場内からも思わず笑いがこぼれる。すると桜井さんムキになったのか。

桜井「デザインしたんです!」
観客「(笑)」
桜井「だからそういうの観るとなんか、ほんと嬉しいです。ファンの人も、若い人から、そうでない人まで(笑)」
観客「(笑)」
桜井「たくさん来てくれて嬉しいです。ありがたいことです。あの・・・30も半ばになるとですね・・・若い人とは話が合わない。」
観客「(笑)」
桜井「まぁ音楽によって通じ合えればいいなと思います。即興にしてはうまいこと言えたな(笑)」
観客「(笑)」
桜井「えー・・・これから、みんな前に一列に並んで、一曲やります。できるだけ、皆に、近い感じで、演奏したいので。あのー、皆さんのですね、地元の商店街とか、阿波踊りとかに、ミスチルが来たと思って、目の前で演奏していると思って、一緒に歌ってみてください。」

歓声に包まれながらステージが暗くなる。そして演奏されたのはMirror。しかも田原さんがグロッケン叩いてるではないか(笑)。

「横浜に・・・」と歌詞を変えて歌う桜井さん。もちろん場内大歓声。そして「LOVE LOVE LOVE....」と優しいメロディが鳴り響く。桜井さんは歌わず、場内のファンの歌声だけが響き渡る。そして圧巻だったのは後半。なんと田原さんのグロッケンソロが鳴り響く(笑)。しかも笑いながらグロッケンを叩く田原さんの姿がスクリーンに映し出されたもんだから場内大爆笑。メンバーだけでなく、会場にいる誰もが皆笑顔だった。ライブひとつで、ここまで人を幸せな気持ちにさせてくれるバンドが他にいるだろうか。

演奏が終わるとステージ上に大勢のスタッフが出てきてセッティングを始めた。メンバーがそれぞれもといた位置に戻っていく。そして桜井さんが静かに口を開く。

桜井「えー、商店街からセットが撤収されてしまいました。」
観客「(笑)」
桜井「メンバー紹介させてください!」
観客「(拍手&歓声)」
桜井「アコーディオンとキーボード、浦清英。」
観客「(拍手&歓声)」
桜井「そしてほとんどの歌のハーモニーは彼が担当してくれています。キーボード、SUNNY。」
観客「(拍手&歓声)」
桜井「そしてハーモニカとかもやってくれました。ギター、溝口修二。」
観客「(拍手&歓声)」
桜井「そしてミスターチルドレン。まずはドラムス、鈴木英也。」
観客「(拍手&歓声)」
桜井「JENのお母さんはですね、最近、最近じゃないや、シャンソンに目覚めたみたいでですね・・・。お母さん、僕も最近興味持ち始めてきました。」
観客「(笑)」
桜井「6万人の中の1人にメッセージを発信するという・・(笑)」
観客「(笑)」
桜井「えー、そしてベース、中川敬輔。」
観客「(拍手&歓声)」
桜井「そして・・・チンチンチンと(笑)、チュッパチャップスみたいな棒を使って(笑)。あの、本職はギターです。ギター、田原健一。」
観客「(拍手&歓声)」
桜井「そしてボーカル桜井和寿でした。どうもありがとう!」
観客「(拍手&歓声)」

ステージが一旦暗くなる。そしてなんとあのイントロが。私は一瞬耳を疑ったが、それは間違いなく現実だった。Tomorrow never knowsだった。無論場内からは大歓声があがる。これもまさかやってくれるとは思ってもみなかった。実際生で聴いたのは2001年のPOP SAURUS以来。「Oh Oh」という部分ではファン全員とのかけあい。さすがにこれは有名すぎる曲だったせいか、ファンは皆桜井さんと一緒に歌っていた。私もその一人だった。

演奏が終わると今度は優しいピアノの音色が響き渡る。そこへ桜井さんが「ディカプリオの出世作なら・・・」と歌い始める。客席からは拍手が沸き起こった。やはりファンみんな、この曲の素晴らしさを熟知していたのだろう。それは私がアルバム「シフクノオト」で一番好きな曲でもある、タガタメだった。

この日はあの9.11。桜井さんのMCで直接あの出来事に触れることはなかったが、この歌が桜井さんの現在の心境を全て代弁していたと言えるだろう。この曲はもはや楽曲というものを越えてしまっていた。まさにステージとの距離は離れていたけど、全ての歌詞が心に飛び込んできた。桜井さんのこの思い、全世界に届くだろうか。私はこの1曲だけでこのライブに参加した意味があったと思えた。

演奏が終わるとスクリーンに映像が映し出された。そこにはオープニングで出てきたバス。そしてその手前に佇む1人の少年。すると少年は目の前に1枚の紙切れが落ちていることに気づく。拾い上げるとそれは「シフク」行きのチケットだった。少年はチケット握り締め、バスに駆け込んでいった。

スクリーンが真っ白になった。とともに、静かで美しいピアノの音色が流れてきた。そして場内からは大歓声が沸き起こる。Signだった。スクリーンには4人の映像が映し出される。ここでも桜井さんは目を閉じながら、そして時には笑みを浮かべながら歌い上げていた。無意識のうちに私も一緒に口ずさんでいた。不思議と一緒に歌っていると心が安らぐ。心の奥の方にあったもやもやしたものが全て綺麗に洗い流されるようだった。そしてシフクのトキは幕を閉じる。

最後に桜井さんが浦さんとSUNNYさん、溝口さんを再び紹介した。場内からは暖かい拍手が送られ、サポートメンバーは先に退場。ステージ上にはミスターチルドレン4人が残った。場内にはいつのまにかBGMで「言わせてみてぇもんだ」が流れていた。

桜井「ミスターチルドレンでした。どうもありがとう!また会いましょう。」

大歓声に包まれながらメンバーはステージを去った。

私は心地よい秋風に打たれながら余韻に浸りつつ、何とも言えない気持ちのまま家路へ着いた。2004年9月11日。それは私にとって間違いなく今年一番のシフクノトキであった。



Mr.Children
Tour 2004 "シフクノオト" at 横浜国際総合競技場 (2004/9/11)

  1. 終わりなき旅
  2. 光の射す方へ
  3. PADDLE
  4. 名もなき詩
  5. 口笛
  6. 抱きしめたい
  7. Everything(It's you)
  8. Pink〜奇妙な夢
  9. 血の管
  10. ニシエヒガシエ
  11. Image
  12. overture
  13. 蘇生
  14. youthful days
  15. Innocent World
  16. くるみ
  17. Any
  18. 天頂バス
  19. HERO
    Encore.
  20. Mirror
  21. Tomorrow never knows
  22. タガタメ
  23. Sign


-おわりに-

驚きました。
横アリとほぼ一緒のセットリストになるかと思いきや、とんでもなかったです。きっと同じ横浜であったこと、そして史上最大級の会場であったことから、初めて来るファンの人達のことも考えて、今回のようなセットリストになったんでしょう。しかしEverythingにはホント参っちゃいましたよ(笑)。

いつも彼らのライブでは感じるもの、学ぶものが多いんですが、今回はほんと心に響きましたね。とにかく、ライブに参加できて幸せでした。たくさんのシフクノオトをありがとう、と言いたいです。

余談ですがこの日はミスチルファンの友達がわざわざ北海道からこのライブのためにやってきました。ライブ後は友人とご飯食べようと新横浜駅周辺をうろついていたのですが、どこもかしこもミスチルファンだらけ。お店も全部一杯で入れませんでした。しかもこの日、横浜アリーナではBUCK-TICKのライブも行われていたそうで・・・。

仕方なくプリンスの屋上のTOP Of YOKOHAMAで軽食食べて帰りました。僕はそのおかげで電車の時間ずれたから良かったけど、ライブ終わってからそのまま帰ったファンの人達は電車大変だっただろうなぁ。

でもそんなことどうでもよくなるくらい、素晴らしいライブでしたよね。これはもうライブに参加した人にしかわからないと思いますけど、ミスチルのライブはこの上ない感動を与えてくれます。ぜひ色んな人に足を運んでもらいたい。といってもチケット争奪戦はホント厳しいですけど(笑)。

では一緒に楽しんだファンの皆さん、本当にお疲れ様でした。
また来年のライブ(あるよね?)で会いましょう。
2004.9.12 youhei


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