清春
TOUR'05 "天使の詩" at 品川プリンスステラボール (2005/4/29)

清春のソロツアー。彼と会うのは2003年のSADS以来、およそ2年ぶりとなる。SADSが事実上の解散状態となってからは、彼のソロライブに足を運ぼうとはあまり思わなかったのだが・・・何故だろう、今回は、今回だけは絶対に行った方がいいと思った。これが虫の知らせってやつなのだろうか。この日は朝からバーベキューしていたせいもあり、また深夜からスノボに出発することもあって、直前までライブに行こうかどうしようか迷っていたのだが、まさに無理をしてでも行って良かったと思わせてくれる、素晴らしいライブになったのである。

会場は2週間前のスカパラに続き、またしてもステラボール。開演は18時の予定だったのだが、私は15分ほど遅れて会場に到着。しかしまだ入場は始まっていなかった。どうやらアクア水族館が混雑していたため入場が遅れたらしい。遅れて到着した私にとっては嬉しいアクシデントだったが、早くから来て並んでいたファンにとってはいい迷惑だっただろう。

スカパラに続き私はまたしてもステージ向かって右手へ陣取った。やっぱり清春のファンは見た目わかりやすい人が多い。シルバーを身につけてたり、タンクトップ姿の人、あと清春が好むようなデザインの帽子をかぶっている人を多々見かけた。

開演予定を1時間ほど過ぎた19時頃、場内に流れていたSEが突然大きくなる。同時に周囲からは歓声があがる。そして場内の明かりが暗くなっていくとともに、場内のボルテージが一気に高まっていく。ステージ脇からメンバーが登場。そして最後に清春も登場。相変わらずファンの清春に対する歓声は凄い。

オープニングは予想通り。2ndアルバム「MELLOW」のオープニングナンバーでもある。アルバムの中でも大好きな曲だ。清春はスカートをはき、サビの「I Long my Empty..」の部分では腰をゆらゆら左右に動かしながら歌う。その仕草は妖艶さを感じる。そしてCOME HOMEへ。一気にライブは最高潮かのような盛り上がりへ。このアレンジは素晴らしかった。CDよりもライブバージョンの方が格段に良い。イントロからドラムのキックが鳴るのだが、その時点で私は興奮を抑えられずにいた。サビでは思いっきり一緒に歌い上げる。最高だ。そしてBLACK TOYS ILLUSIONが演奏されたところでMC。

清春「えー…東京は今回(品川)しかないので…弾けてくれ。」

そして2年前のSADS tour "13"でも演奏されたBUNNY SMILEへ。STOP!の部分は思いっきり腕を突き上げて叫ぶ。一瞬SADSのライブかのような気分にも陥った。さらに清春のタイトルコールとともにまさかのストロベリーへ。私がこの曲を聴くのは2000年の"TOKYO 7 DAYS"以来、5年ぶりだった。嬉しさと興奮を抑えきれず一緒に歌い上げる。そして2ndからROOMと続いたところでMC。

清春「(次は)夏に出る・・・新曲。」
観客「(歓声)」
清春「あの、お茶を濁すような曲だけど・・・。オレの曲っていい曲ばっかだからさ、たまにはこういう曲もないと、すげーいい曲がそう聞こえなくなっちゃうでしょ。まぁ、2分で作ったんだけどね(笑)。」
観客「(笑&歓声)」
清春「レイラ。」

そう言って新曲のレイラへ。いや、ぶっちゃけ全然普通に良い曲だったんすけど(笑)。

続いてはHORIZON。これもまた気持ち良かった。さらに影絵と続いたところで、一気にライブは凄まじい展開へ。

退廃ギャラリーで清春が上着を脱いで裸になる。今までのソロライブでは考えられなかった光景だ。この時点で私はこれから何か大きなことが始まりそうな予感がしていた。そしてその予感は見事的中することになる。

演奏が終わると聞き覚えのあるドラムソロが。場内からも大歓声があがる。まさかまさかのアジト。イントロではBABYLONのツアー時と同じように頭を振り乱しまくる清春。凄いパフォーマンスだ。その姿を見ているだけで鳥肌が立つ。さらにあのベースが鳴り響く。なんとLATE SHOWが始まった。この時点で私の頭は真っ白になり、いつのまにか無意識のうちに激しいヘドバンを繰り返していた。まさか今日BABYLONからの曲がこんなに聴けるなんて思ってもみなかった。しかしさらにBABYLONタイムは続く。続いてはFeeling high&Satisfied。なんてこった。さらにブッ飛んでしまった。正直このときの記憶はほとんどない。ただ清春が1本のロープを蜘蛛のように登っていくパフォーマンスを見せていて、ゾクゾク興奮したのは覚えている。まさかのBABYLONメドレーに私はただ呆然とするばかりだった。

清春「いいね!すげー気持ちいいよ!」
観客「(歓声)」

そこへ追い討ちをかけるかのようにEMILY。もちろん私はライブで聴くのは初めてだったが、めちゃくちゃ良かった。このグルーヴ感はまさに清春だからこそ成せる技である。そして曲が終わると清春にスポットライトがあたり、アカペラでLAST SONGを1コーラス歌い上げる。歓声があがるとともにイントロへ。このアレンジもカッコ良過ぎてもうたまりません。そしてラストはALSTROEMERIA。間奏のところで清春が歌詞の入りを間違えて「間違えた」ってマイクで喋ってた。珍しい光景だが、そんな清春の姿に、SADS時代には見られなかった素直さというか純粋さを感じたのは私だけだろうか。

そして本編終了。しかしもちろん場内はアンコールの嵐。このとき私の前にいた小柄な男性がしきりに「アンコール」を連発していたのだが、この人2年前の"13"のときもオレの目の前にいたよ。間違いない。この声はっきり覚えてるもん。アンコールまでずーーーっと「アンコール」って言い続けてるの。素晴らしい。立派。友達になりたかったね。

そして5分ほどしたころメンバー再登場。清春は白いシャツの上に黒いスーツを着ていた。またこれがハマりすぎだ。ほんとこの人ほどファッションセンスに長けているミュージシャンはいないと思う。

清春「今日は俺ヤバイでしょ。あのね、オジーオズボーンの映像を手がけたチャーリーさんも「清春くん、今日はヤバイねー」って。」
観客「(笑&歓声)」

そしてメンバー紹介へ。ベースの沖山さんのことを「日本一うまい」と絶賛していた。「日本一ベースが上手いって凄いことだと思わない?」って言って、互いにおじぎしてました。
そしてドラムの人は日本一に手が届きそうだと言ってた。あとギターの中村くんだったかな?に対しては、普段は無口なことこの上ないけど、神戸で酔っ払って学校の机の上で寝るようにして寝てたらしい。その話を聴いてファンから「かわいい!」という黄色い声援が。これには清春も笑っていた。

1回目のアンコール。新曲、そしてFADIAが演奏されたところで清春がステージのアンプの上にのって観客をあおる。

清春「サンキュー東京。SANDY!!」

そう言ってまさかのSANDYへ。マジかよ。聞いてないよ。もう無我夢中で頭振って歌い上げた。しかしまだまだサプライズは続く。

清春「久しぶりの東京、最高に幸せだぜ!!ARE YOU HAPPY!?」

この日一番の大歓声とともになんとHAPPYへ。これはヤバかった!気がつけば涙を浮かべながら歌っている自分がいた。声がつぶれるくらい叫んだ。まさに至福のひとときだった。

何度もサンキューと叫んでステージを去るメンバー。私はまさかの出来事に連続で呆然としていたが、自然とアンコールを求めていた。そしてメンバー再登場。新曲につづいて演奏されたのはなんと赤裸々。もう何回血管が切れそうになったかわからない。ここでも私は我を忘れて夢中に歌っていた。SADSのライブもそうだった。彼らのライブに行けばもう何もかも忘れさせてくれた。まさか今回清春のライブでそんな気持ちになれるとは思ってもみなかった。
しかしこの日のライブはまだまだこんなもんじゃ終わらなかった。

清春「えー…清春くんは何でバンド(SADS)の曲をやってるのかとか、考えたりする人もいるかもしれないけど、今、君たちと僕は、そういう次元にはいません。」
観客「(歓声)」
清春「だって俺が歌わないと聴けなくなっちゃうじゃん。」

そう言って微笑む清春。やべぇ。もう完全に惚れた。カッコ良すぎる。

清春「最近では、一年か二年でブームがやってきては去り、そんなことの繰り返しで。僕の曲も、長いこと聴いてると飽きてきたりするかもしれない。人間関係と一緒で、うまくいかなかったり、喧嘩したり浮気したりすることもあるかもしれないけど、最終的にみんなが戻ってくるところは僕かなと思ってます。」
観客「(歓声)」
清春「なぜなら僕には、僕の前や横や上を通り過ぎていく、他のやつら。みんな僕の比較対象ではないからです。」

なんだこのMCは。こんなカッコいいMCなんて今まで聞いてことがなかった。このMCだけで背筋がゾクゾク来るような興奮を覚えた。
そして驚愕の曲へ。

清春「俺の代表曲。」

清春が手を横に広げる。するともう何十回、何百回と聴いたことのあるあのイントロが流れ出した。もちろん場内からは大歓声があがる。まさかまさかのLike A Angelだった。このとき不思議にも私は天使のように天国へ昇っていくかのような感覚に襲われた。もう完全に別次元へトリップしてしまっていたのだ。「初期衝動に・・・」は場内一体となって歌い上げる。間奏では2年前と同じように「聴こえる?」と誰かに向かって叫んでいる清春が印象的だった。

清春「もっと上に行こう!」

そう言ってアルバムのラストナンバーSLIDERへ。曲の途中、ファンに対して「乗れてる?」と問いかける清春。

清春「ちゃんと乗れないやつも安心して。俺が(一緒に上へ)連れて行くから。」

その言葉に確固たる愛を感じたのは私だけではあるまい。このとき会場にいた人全員が清春と一緒に天使になった瞬間だった。

そして3度目のアンコール。清春が何も喋らなくても、ファンはものすごい歓声で迎える。清春はただファン一人一人とコミュニケーションするかのように、何も喋らずファンを見つめる。

清春「今日は言葉で言わなくてもわかってくれる子ばっかり…。すげー愛してます。」

そしてラストは1stの中からあの詩を歌って。清春が歌わなくてもファンは大合唱。何度も「サンキュー」と言ってステージの端から端まで移動する清春。演奏が終わるとメンバー全員そろって手をつないで一礼。場内は割れんばかりの大歓声。そして最後に清春がステージ上に1人だけ残る。しかしファンの歓声はなりやむどころかさらに大きくなる。素晴らしい光景だった。

清春「俺のライブに来ればまた天国へ連れてくよ。」

そう言って清春はステージを去った。
まさに天国いるかのような感覚。それはミッシェルのラストヘヴンのときのそれと似ていた。私にとってまたひとつ、生涯忘れられないライブが増えた。



清春
TOUR'05 "天使の詩" at 品川プリンスステラボール (2005/4/29)

  1. COME HOME
  2. BLACK TOYS ILLUSION
  3. BUNNY SMILE
  4. ストロベリー
  5. ROOM
  6. レイラ(新曲)
  7. HORIZON
  8. 影絵
  9. 退廃ギャラリー
  10. アジト
  11. LATE SHOW
  12. Feeling high&Satisfied
  13. EMILY
  14. LAST SONG
  15. ALSTROEMERIA

  16. Encore1.
  17. 新曲
  18. FAIDIA
  19. SANDY
  20. HAPPY

  21. Encore2.
  22. 新曲
  23. 赤裸々
  24. Like A Angel
  25. SLIDER

  26. Encore3.
  27. あの詩を歌って


-おわりに-

ホント良かった(泣)。
もうね、清春とそのファンは愛し合っちゃってるんですよね。見ている俺がヤキモチ焼いちゃうくらいに。すげー愛し合ってる。清春もファンの愛を感じてるし、ファンも清春の愛を感じてる。だからこそ今日のような素晴らしいライブができるんです。ファンあってこそのライブだってことを、清春は誰よりもわかっているんじゃないでしょうか。

しかし今回のライブで清春は覚醒したというか、吹っ切れた部分があったんでしょうね。生まれ変わった清春を見ることができて、しかもこんな素晴らしいライブを体感できて、最高にHAPPYでした!

では一緒に楽しんだファンの皆さん、お疲れ様でした。また次のツアーで会いましょう。
2005.5.5 youhei


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