上杉 昇
solo live "L.O.G" at Shibuya O-East (2004/11/12)
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上杉昇、ソロとしては約2年ぶりのライブとなる。会場は渋谷O-East。ここは春にBONNIE PINKのライブで来て以来だった。最近リニューアルしたということもあり、会場はとても綺麗。
この日は「上杉休暇」を取得していたので、会場には18時15分頃到着。入り口付近には上杉ファンでごった返していた。私の回りには上杉ファンの人は少なくとも1人しかいないため、これだけ多くのファンを観るとなんだか嬉しくなる。
私が着いたときは既に入場案内が始まっていた。私の整理番号はFC91番。もう既に200番くらいまで呼ばれていたので、慌てて中へ入る。開場の18時30分まで並んで待った後、入場。ロッカーに荷物を預け、トイレも済ませ、水を買っていざライブ会場へすすむ。
既に何十人かのファンが前方を陣取っていた。私はアリーナから一段上のほぼ真中で、柵によりかかるような形で好ポジションをゲット。早く来た甲斐があった。ハコがハコだけに、ステージとの距離も相当近い。期待を胸にふくらませながら開演の時をひたすら待つ。
すると照明が暗くなり、両脇のスクリーンに映像が映し出された。それは今年行われたJapalooza'04のライブ映像だった。観客の1人が「前振り長い!!」と叫んで場内は一瞬笑いに包まれたりして。そして5分くらいのVTRが2回流れた後、場内からは待ちきれんとばかりに手拍子がおこる。
そしてまもなく場内の照明が完全に落ちた。大歓声が沸きあがる。それとともにステージ上にメンバーが姿を現す。上杉は最初フードをかぶっていたが、それを外すとバンダナが見えた。それを観たファンからまたしても凄い歓声があがる。
そしてステージに照明が当たるとともに、堀越さんがギターをかきならす。THE FOREBODINGだった。このとき上杉の右手には何と拡声器が。それを観たファンがまた一気に大興奮状態に。そしてファンが手拍子をするのだが、この手拍子は余計だった。全然ギターと合ってなくて、上杉がリズム取りづらそうだった。というか全然取れてなかった(笑)。
しかしそれでもおかまいなしに上杉は叫ぶ。「何処へーーーーーーー!!!」と叫び、大歓声があがると、そのままLOREREIへ!もうここで僕はプッツン来ちゃいました。前方のファン達は皆凄い勢いで飛び跳ねている。早くも会場が一体となり「LOREREI,Yeahーーー!!!!!」と叫ぶ。
そしてLOREREIの勢いを持続させたまま、「G」。イントロから大歓声があがる。「自意識的せいぶぅぅぅぅぅぅつー!」も健在(僕ここが大好きなんです)。
曲が終わると上杉は既に息を切らしつつMC。
上杉「・・・・・やる気あるかぁ〜」
観客「(大歓声)」
上杉「・・やる気あるかぁ〜」
観客「(大歓声)」
上杉「やる気あるかあぁぁぁ!!!!!!!!」
観客「(大歓声)」
上杉「えー・・・なんか今日は、いつもやってるとこよりステージが高くて、ちょっと動揺してるんですが・・・。えー、おかげさまで、L.O.Gも、なかなか、売上が好調なようで・・・」
観客「(歓声&拍手)」
上杉「あれが売れるってことはさ、お前ら、マスメディアの言うことに左右されずに、ホンモノの音楽を聴いてるってことだな。なかなかやるじゃん。」
観客「(大歓声)」
上杉「今日は最後までヨロシク。」
そしてJELLYFISHへ。イントロのギターアレンジが変わっていたので、最初何の曲かわからなかったが。Aメロではとてもしっとり穏やかに歌い上げるが、サビで一気にシャウト。この曲はアルバムの中でも私が最も好きな曲。オレンジの照明が照らされる中、私はただ無心で上杉の歌声に聴き入っていた。
続いてはTHE GROUND'S NAME IS 零。上杉自信が最高傑作だと自負するだけあって、この時の場内は独特の緊張感があった。
私は、上杉のライブは一種異様とも言える緊張感が漂っているのがたまらなく好きだ。他のどのアーティストにもない緊張感がある。それはホント時には息がつまりそうになるんだけど、自分にとってはそれくらい緊張感があった方がライブは楽しい。集中できるから。実際今回のライブも、最初から最後まで、気が散ることが全くなかった。ここ数年の間でもこれほど集中できたのは記憶にない。それはあの上杉のキャラにもよるものがあると思うけど。
そしてMeat Puppetsのカバー、Oh Meへ。Ja-paloozaでも何度も演奏されたらしいが、私は聴くのは初めてだった。曲が終わると今度は聴いたことのないギターフレーズが。これもカバーかと思いきや、なんとカナリアだった。上杉曰く、当時のデモからアレンジし直したらしい。オリジナルよりもスローで、アコースティックな感じで始まったのだが、間奏のギターソロから一気にハイテンポへ。このギターソロはマジで凄かった。そして続く上杉さんの「lalala...」があまりにカッコ良過ぎて鳥肌が立った。
演奏が終わり、歓声が止まぬ中、今度はステージに椅子が用意され、上杉がそこに座る。そして演奏されたのはEPILOGUE。ここではさきほどまでシャウトしまくっていた上杉が、また別の一面を見せる。ファルセットを匠に使いこなし、透き通るような歌声でEPILOGUEを歌う上杉。ハードな上杉も魅力的だが、こういう繊細な一面も持ち合わす彼の才能にはまさに脱帽である。
曲が終わるとしばしの静寂。そして再びMCへ。
上杉「えー・・・ここは俺が喋るのかな?まーくん、何か一言。」
宮沢「いや、俺忙しいから(笑)」
上杉「あーそうか・・。俺も忙しいんだよね。」
宮沢「つーか・・まーくんて(笑)」
噴出しながら宮沢さんが受け答えする。そして客席からは「頑張ってー!」とか「何か喋ってー!」とか様々なかけ声が。
上杉「つーかね、みんなラジオ聴いた?わかるでしょ、喋るのが嫌いなのが。わかる?この、心労。俺、頑張ったよ(笑)。」
観客「(歓声&拍手)」
しかしさらに追い討ちをかけるように、客席からは「テレビにも出て!!」との歓声が。
上杉「テレビ(笑)?・・・テレビだってさ、まーくん。」
宮沢「いやぁー、上杉のキャラじゃテレビは無理でしょう。放送事故になっちゃう(笑)。」
上杉「・・・だそうです。」
観客「(笑)」
ライブがあれだけ緊迫感があるせいか、こういったMCはなんともほのぼの感じて、そのギャップがまた心地良い。私は数日前のラジオを聴いたが、本当に緊張しているのがラジオから伝わってきて。DJの人が陽気な外国人だったから、その人に助けられてたけど、上杉さんは本当に喋るのが苦手なんだなぁと。でもきっとそういうところがファンからしたらカワイイって思えるところなのかもしれないですね。
上杉「最近暗いニュースばかりだけど、みんなはこの曲を聴いて、タフになってくれ。」
そう言って始まったのはBlindman's Buff。ここでステージ上の照明はほとんど落ちる。そして両脇から、上杉の顔の部分にだけ、ちょうどライトがあたるような形に。そして「Smile or Cry」と歌い上げる上杉。久しぶりに聴いたこの曲は以前よりも数段パワーアップしていた。その鬼気迫るような歌声にただ圧倒されるばかりだった。
そしてJEFF BUCKLEYのカバー、Yard of Blonde Girlへ。これもJa-paloozaでも何度か演奏されたらしいが、聴くのは初めてだった。さらにMY SWEET FUNNY EGGS。演奏が終わると何かを飲む上杉。それに対して客席から突っ込み。
観客「(コーラ?!)」
上杉「コーラじゃねーって。シマヘビの生き血。」
観客「(美味しいの?!)」
上杉「デリシャス!」
観客「(笑)」
上杉「さっきも言ったけど、最近暗いニュースが多くて・・・人が人を殺したり、自ら命を絶ったり・・・次にやる曲は、そんなことを歌った曲です。」
そう言って始まったのはSuicide Solution。これは本当に素晴らしかった。前回のOne On Oneでも聴いた気がするけど、サビではこっちも声をあげずにはいられない。「自らをヤればいいだけ」の部分では、いつかのライブと同じように、自分のこめかみに銃を当てる真似をする上杉。
そしてライブはクライマックスへ。バンドが演奏する中、突然「ワン、ツー、スリー、フォー」とカウントする上杉。待ちに待ったTANGO!一気に観客もヒートアップしタテノリ状態に。これはCDとはまた歌い方が違っていて。例えばCDでは「おーやーりー」のところが「お、や、り」って感じで(わかりにくいかな?でもライブ行った人ならわかってくれるはず)。サビの「ひとぉぉぉぉぉつ!!ふたぁぁぁぁぁぁつ!!!」の部分はまさに圧巻だった。
さらに最高潮のままTOY$!へ。もう客席前方はぐちゃぐちゃな状態で大変なことになっていた。しかも上杉は次々とファンに手を伸ばしてその手に触れるもんだからもう大変。そしてこれはラストのアレンジがめちゃくちゃカッコ良くなってて、もう終始鳥肌が立ちっぱなしだった。
演奏が終わると「サンキュー!」と言ってステージを去るメンバー。場内はまだ暗いままだ。当然アンコールの拍手が沸き起こる。そして5分ほどしたところでメンバー再登場。
上杉「あの、今更だけど、アルバム買ってくれた?」
観客「(大歓声)」
上杉「あの、買ってない人は、後でラ・マヒストラルかけます。」
観客「(?)」
ここでファンのほとんどは「ラ・マヒストラル」の意味がわかってなかったようで。知るひとぞ知るプロレスの技の名前ですね。しかしこの技はとても難易度高いです。詳細はこちらへ。
上杉「えー、今年はライブ中心に活動してきて、この前アルバムを出して・・・で、次は、もっと、みんなに近づけるアルバムにしたいと思ってて、今そういう曲がたくさんできつつあるんで・・・」
観客「(大歓声)」
上杉「これからも・・・ヨロシク。」
観客「(大歓声)」
上杉「じゃ、懐かしい曲を。」
そう言うとどよめきに包まれる場内。みんな頭の中で必死に考えていたに違いない。私もその一人だった。そして私にとってこの日一番の歓喜の瞬間が訪れた。なんと、まさかのSame Sideが!イントロのギターはアコギではなかったからわかりにくかったが、もうイントロの時点でこの曲だとわかった。これはWANDS時代で私が最も好きな曲だから。
上杉がAメロを歌い上げるとともに、歓声に包まれる場内。やはりWANDS時代の曲というのはファンの間でも特別なものなのだろう。もうこれは馬鹿みたいに歌いまくった。叫びまくった。この1曲だけでもう完全に私の喉は破壊された。しかし嬉しいことにまだまだライブは終わらない。
演奏が終わり、この日一番とも言えるくらいの大歓声に包まれる場内。そして続いてはなんとニルヴァーナのRape Meへ。これはいつ以来だろう。多分al.ni.coでのライブ以来じゃないだろうか。だから5年ぶりか。まさか聴けるとは思わなかったから、これも力の限り上杉と一緒に歌い上げた。ちょうど僕の斜め前方にいた人がニルヴァーナファンらしく、この曲のときだけめちゃくちゃ盛り上がってた(笑)。
そしてラストは雨音。これも最高だった。最後「It's rain...」の部分は上杉がファンにマイクを向け、ファンだけで大合唱。
演奏が終わると、力の限り「サンキューーー!!!!」と言って上杉はステージを去った。
それは紛れもなく、上杉の心の叫びだったと思う。「こちらこそありがとう!」と心の中で叫んで、私は会場を後にした。
上杉 昇
solo live "L.O.G" at Shibuya O-East (2004/11/12)
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- THE FOREBODING
- LORELEI
- 「G」
- JELLYFISH
- THE GROUND'S NAME IS 零
- Oh Me
- カナリア
- EPILOGUE
- Blindman's Buff
- Yard of Blonde Girl
- MY SWEET FUNNY EGGS
- Suicide Solution
- TANGO
- TOY$!
Encore.
- Same Side
- Rape Me
- 雨音
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-おわりに-
やっぱりこの人は凄い。
改めてそう思い知らされたライブでした。何と言ってもライブ中のあの独特の空気というか、雰囲気はホント何なんでしょう。次は何をするかわからない、という緊張感がたまらないですね。さらに今回は前回のクラブチッタに比べても会場がとても狭かったので、個人的にも大満足でした。ただ、上杉本人は「まだまだこんなもんじゃない」と納得していない様子でしたが。でもきっと次のライブでリベンジしてくれることでしょう。いつまでも待ちますよ。ファン全員、もう待つのには慣れてるから、ね。
では一緒に楽しんだファンの皆さんお疲れ様でした。また次のライブで会いましょう。
2004.11.14 youhei
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