TM NETWORK
DOUBLE-DECADE TOUR "NETWORK" FINAL at 日本武道館 (2004/6/25)

TM NETWORK20周年記念ツアーファイナル。会場は日本武道館。

この日の東京はあいにくの雨。じめじめした湿気に加え、初夏の暑さが体力を奪っていく。私はこの日会社を休むことができなかったため、スーツで参戦することに。

私はつい2日前に発売された、「TMG T」を聴きながら会場へ向っていた。
「まっちゃんのギターはやっぱカッコいいなぁー、9月のTMGライブツアー@武道館が楽しみ。」
そんなことを思いながら会場へ足を運ぶ。しかしそれからわずか数時間後に、その武道館でまさか本人に会えることになろうとは、この時の私は全く予想だにしていなかった。

結局会場に到着したのは開演時間の18時30分ちょうど。座席は2階南西V列。ほとんど最上段に近い位置だったが、この日はステージからの位置など関係なかった。ライブに参加できて良かった、そう思える最高のステージになったのだから。

開演予定時刻から15分ほど過ぎた頃、場内のSEが止み、どこかで聴いたことのある音が静かにゆっくりと響き渡る。と同時に場内からは歓声があがり、スタンディング状態に。20周年記念ライブのオープニングナンバーとなる曲、それはTMの代名詞とも言える、この曲だった。GET WILD

まだ場内の照明が明るいまま、SEが鳴り響く。少しずつ照明が暗転していく。そしてステージ上には薄暗いライトが当たる中、メンバーが1人1人姿を現す。そのたびに大歓声。暗がりの中だったため誰が誰だかはっきりとはわからなかったが、西村さんは何度も両手を上に突き上げてその歓声にこたえていた。

そしてSEにバックバンドの音が重なると同時にステージ上が明るくなる。場内の熱気はいきなり最高潮に達する。
この日のステージセットは3段に分かれており、中央一番奥の高い位置に先生、中段に木根さん、そして最前列にウツが立っていて、その両脇にサポートメンバーのFENCE OF DEFENSE、という位置構成だった。

GET WILDは過去の彼らのライブでも必ず演奏されていたが、まさか今回1曲目で聴けるとは思っていなかった。でも今回のライブでのオープニングナンバーにはGET WILDが最もふさわしかったのではないだろうか。いつか本人達も言ってたけど、TMといえばGET WILDみたいなところがあるし。

サビではウツがファンの方にマイクを向ける。みんな右手をあげながら「Wild&Tough」と叫ぶ。

演奏が終わると拍手とともに大歓声。そして続いてはこちらも聞き覚えのあるSEが流れてきた。ALL-RIGHT ALL-NIGHT。昨年のtribute LIVEでラストに演奏された曲だが、やっぱり先生がいた方がいい(大ちゃんゴメン)。スクリーンには時折過去の懐かしいライブ映像も映し出されていた。
このサビは凄かった。ちょうど武道館全体が見渡せる位置だったので、ファンの人たちがみんな右手あげながら歌っている光景は圧巻だった。ウツが両手を広げながらファンを煽るもんだから盛り上がっちゃってもう大変です。

そしてこれまた懐かしのBE TOGETHERへ。贅沢すぎる選曲。いきなりこんなに盛り上がる曲ばっかり出し惜しみせず披露しちゃっていいわけ?と心配してしまうほど。このBE TOGETHERもホント最高だった。ウツも昔を彷彿とさせるような軽やかな(?)ステップで身を踊らせながら歌っていた。誰が何と言おうと「Shake my soul」はやっぱりオリジナルが一番ですよ。鈴木あみの「Shake my soul」はニセモノです(あみファンの方失礼)。

演奏が終わり、どよめきに包まれる中MC。

ウツ「こんばんはー!TM NETWORKです!」
観客「(歓声)」
ウツ「横浜アリーナから始まって、ホール、そして武道館!3部作でツアーを行ってきたんですが、今日も3部作構成になっています。FENCE OF DEFENSE!!」

ステージ上がパッと明るくなるとともに大歓声が起こる。それに答えるかのように手をあげるFODのメンバー達。

ウツ「ドラムス、山田亘!」
観客「(歓声)」
ウツ「せっかくだから、何か一言。」

そう言うと場内からは大歓声が。すると山田さんはなんとマイクなしの生声で「どうもー!!!!」と叫んでいた(笑)。拍手と歓声と笑いの渦に包まれる場内。

ウツ「ベース、西村麻聡!」

ワタルさんと同じように一言喋るように促すウツ。すると西村さんも「どうも!!」と叫んでいた。

ウツ「ギター、北島健二!」

この日一番と思われるくらいの大歓声。やはり北島さんは今でも凄い人気。北島さんはマイクで「ウィーーッス!!!」と叫んでいた(笑)。すると観客も「ウィーッス!!」と返す。

ウツ「次も懐かしい曲をやりたいと思います。」

歓声に包まれながらステージ上が暗くなる。するとあのエレピが聴こえてきた。COME ON LET'S DANCE。サビではスクリーン上に「COME ON LET'S DANCE」の文字が現れていた。ここでもファンに目を向けながら楽しそうに歌うウツの姿が印象的だった。
演奏が終わると、美しいストリングスの音色が響き渡る。SELF CONTROL。いつもライブ後半のクライマックスで演奏されていた曲だったのでまさかこんな早い段階で聴けるとは思わなかった。心の準備が・・・(笑)。サビでは黄色い照明とともに場内は「SELF CONTROL」の大合唱。これはホント喉がかれるかと思うくらい歌っちゃいました。

そしてなんとCONFESSIONへ。これは全く想像すらしていなかったので驚いた。ここまでの5曲、ダンサブルなナンバーが続いただけに、ここでは皆静かに曲に聴き入っていた。
演奏が終わるとウツが「FENCE OF DEFENSE!」と叫ぶとともに、FODのメンバーがステージを後にする。「あれ?もう帰っちゃうの?」と思ったのは私だけではあるまい。しかし次の瞬間、さらなる驚きが待っていた。ウツが次なるサポートメンバーを呼び始めたのである。

ウツ「阿部薫!!」

すると大歓声とともにべーあん登場。凄い人気だった。さらに・・・。

ウツ「葛城哲哉!!」

こちらも大歓声。特に私にとっては葛G一番馴染みのあるサポートメンバー。そしてさらにもう1人。

ウツ「浅倉大介!!」

葛Gと同じかそれ以上の歓声を受けながら大ちゃん登場。髪は相変わらず真っ白でした。

ウツ「ここからは、TMNです。」

あーーー「三部作」って、そういうことだったのね、とこの時点で初めて納得(笑)。先生をはさむようにして、べーあんと大ちゃんがそれぞれの位置につく。それにしても先生と大ちゃんがこうして並んで演奏するのっていつ以来なんだろう。ファイナルのドームのときは大ちゃんはショルキーだけだったし。手パクだったし(笑)。

そして演奏されたのは何とWE LOVE THE EARTH!!いやーーーーこれにはもうオジサン参っちゃいましたよ(笑)。もちろん私はライブで生で聴くのは初めて。これは私がTMN時代の中でおそらく最も好きな曲だったので涙出そうになった。「Uh〜WohWoh・・・」ではウツがファンに向って両手を広げる。周りの迷惑も顧みず(笑)、夢中になって歌いまくった。
曲の終わりは大ちゃんのピアノに先生がシンセを重ねる。はぁーー最高。もうこの曲が聴けただけでも満足だったが、この後さらなるサプライズが訪れることになる。

次の曲、イントロが流れた時点で私は耳を疑った。「は???まさかな。そんなわけないでしょ。まさかこの曲やるなんて・・・え?いや、ウソでしょ?まじで?・・・まじでーーーーー!!!?」(この間およそ0.8秒)

なんとまさかまさかの69/99。リズムレッドからのナンバーが聴けるなんて嬉しすぎる!しかもTMでは数少ないハードロックナンバー。TMファンの中にはリズムレッド時代はあまり好まないファンもいると思うけど、私はロック大好き人間なのでもう最高に嬉しかった。
葛Gのぶっといギター音が場内に響き渡る。私はやっぱりTMN時代の曲が一番好きなんだなということを実感した。最高の一時だった。
ちなみに2番の出だしあたりでウツが歌詞を忘れたようで、もごもごしてた(笑)。

続いてはなんとTHE POINT OF LOVERS' NIGHT。またリズムレッドからのナンバーが来てくれたーー(嬉泣)。欲を言えば「Secret Rhythm」が聴きたかったけど、それはリズムレッドから2曲やってくれたことで良しとしよう(笑)。ラストの「lalala...」はこれまた凄かった。全員での大合唱。もはやライブは終幕を迎えるかのような盛り上がりだった。

しかし「TMN」はこんなもんでは終わらなかった。
演奏が終わるとステージが暗くなる。すると低い声のタイトルコールとともにTIME TO COUNT DOWNへ。これはアルバム「NETWORK -Easy Listening-」のアレンジだった。先生一人にスポットライトが当たる。小室哲哉のソロステージが始まった。そして演奏が終わるかと思いきや、なんとそのままオリジナルバージョンに突入!しかもここで先生が何とエレキギターを持ってステージ前に出てくる。先生がTMのライブでギター持ったことって初めてなんじゃないだろうか。最高に興奮した。私はTMのライブでは過去の曲を新しいアレンジで聴けるのをいつも楽しみにしていたし、その新しい音が大好きだった。でも先生、これだけは言わせてください。TIME TO COUNT DOWNだけは、誰が何と言おうとオリジナルが一番です。

MT-Rツアーのときはラストのサビの転調がなかったが、今回はバッチリ。そして転調と同時にウツがステージ脇へ走っていくもんだから大変です。近くのファンは楽しかっただろうなぁ。

しかしリズムレッドからまさかの3曲。もう言うことなかった。でもまだまだライブは中盤に差し掛かったところだ。えらいこっちゃですよ奥さん。これから先、これ以上にどんな凄いことが待ち受けているんでしょうか。

演奏の終わりはプシューー―っとスモークが吹き出す。最高潮の盛り上がりを迎えたところで、MC。

ウツ「どうもありがとーう。」
観客「(歓声)」
ウツ「みんな、イっちゃってるね(笑)」
観客「(歓声)」
ウツ「えー、20周年、迎えちゃいましたね、木根君。」
木根「いやぁー・・友達ってつくづくいいもんだなぁーー、って感じてます。」
観客「(笑&歓声)」
木根「(葛Gを観て)あれっ。1人友達じゃないやつがいるぞー。」
観客「(笑&歓声)」
ウツ「武道館でやるのは、17年ぶりなんですよね。」
観客「(歓声)」
ウツ「今日はですね、新曲を披露しようかと。」
観客「(歓声)」
ウツ「まだ数日前にできたばっかりの曲なんですけどね。これはどんな感じの曲ですかね?」

そう言って先生の方を見るウツ。しかし先生・・・コーラ飲んでて全くウツの話を聴いていない模様(笑)。するとすかさず木根さんから突っ込み。

木根「コーラ飲んでる場合じゃないよ!」
観客「(爆笑)」
小室「(笑)えっ?なに?新曲ですか?(笑)。えっと・・・昨日も申し上げたんですけど(笑)、今回は色をイメージして作ったんですね。」
ウツ「タイトルは?言いましたっけ?」
木根「そうだタイトル言ってないじゃん(笑)」
観客「(爆笑)」
小室「あ、タイトルはですね(笑)、「GREEN DAYS」という曲です。GREENってのは、まぁ未熟だっていう意味もあるんですけど、前向きにね、未熟なんだから前へ進んでいこうよ、って曲です。」
木根「どうせならさ、7ヶ月連続でリリースしようよ。黄色とかさ、いろんな色ごとに、ねぇ。ホントは12色くらいあってもいいと思うけど、まぁ7色くらいで。」
観客「(笑&大歓声)」
小室「色鉛筆みたいに?(笑)12とか24とか。金持ちの人は64だったりして。」
観客「(爆笑)」
ウツ「木根くんは?64?」
木根「いや、俺は16くらい(笑)。」
ウツ「シングルの発売予定はあるんですか?」
小室「今のところリリース予定はありません。」
観客「(えーーー!!!)」
小室「まぁ今日は皆さんの頭の中にメモしてもらって・・・」
木根「何をメモすんだよ(笑)。コード進行?」
観客「(爆笑)」
小室「それは(笑)、ツライものがありますけどね。まぁ皆さんの記憶の中に残してもらって、もし心に染み込んだらそのときはリリースされるかもしれないです。あの、SCREEN OF LIFEと、PRESENCEと、GREEN DAYSの3曲を聴いてもらうとですね、僕らが20年間やってきたことが感じてもらえるんじゃないかと、思います。今日帰ってですね、3曲聴いてみてください。」
木根&小室「聴けねーよ!!」 (←これは珍しい先生の一人ボケ突っ込み炸裂!)
観客「(爆笑)」
木根「GREENな気持ちで作ったんですね。」
小室「うん、そんな気持ち・・・かなぁ?(笑)」
ウツ「芝生のイメージとか?(笑)」
木根「蛙とか?なんなら俺カエルのぬいぐるみでも着ようか?」
観客「(爆笑)」
木根「5年前とかだとちょっと厳しいと思うけど(笑)。今だったら何でもできるぞ!!!!!!」
観客「(爆笑)」
小室「(笑)、まぁGREENってのは信号機の「進め」の色で、前に進もうよっていうことでもありますね。」
ウツ「では聴いてください。GREEN DAYS。」

大ちゃんと葛G、べーあんも一緒に、GREEN DAYSが演奏された。タイトルを聴いてオレンジデイズを連想したのは私だけではあるまい。
スクリーンにはウツが言っていた芝生の映像も映し出されていた。これはほんっといい曲だった。ウツと木根さんのハモリがほんと美しかった。これこそほんとオレンジデイズみたいなドラマのタイアップ曲とかになれば、絶対ヒットすると思うんだけどなぁ…。リリースが未定らしいので、とりあえず9月に発売されるDVDを楽しみに待つことにしよう。

そして演奏が終わるとべーあんと大ちゃんがそれぞれ大歓声に包まれながら退場。葛Gはまだステージ上に残っていた。そして三部作のラストが幕を開ける。

薄暗いステージ上からエフェクトの効いたギターの音色が響き渡る。SCREEN OF LIFEへ。ウツの「all of you!!」が場内一杯に響き渡るとともに歓声があがる。この曲はライブで聴くたびに好きになっていく気がする(といっても2回しか聴けてないけど・笑)。

そして演奏が終わるとスクリーンにはCAROLのライブ映像が。場内からは思わず歓声とどよめきがあがる。そして最後は当時CAROL役を演じたパニーラから手紙のようなメッセージが映し出された。いやー憎い演出してくれるなぁもう。
そのままJUST ONE VICTORYへ。これは横アリと同じトランスバージョンだった。イントロで、ウツが何やら先生のキーボードセットの手前に置いてあった大きなスクリーンをいじり始める。どうもタッチパネル式のスクリーンだったようで、BGMに乗せてその操作をするウツがとてもカッコ良かった。

このトランスバージョンはオリジナルより少しテンポが速くなっている。このアレンジが良いんですよこれがまた。サビではバンドの音はアコギのアルペジオだけになって、そこへウツが優しく歌い上げる。また、間奏の「たったひとつ...」の部分はメロディラインがガラッと変わっていた。

演奏が終わるとすぐさまTAKE IT TO THE LUCKYへ。これはアルバム"NETWORK"に収録されているALBUM MIXバージョンだった。これも良かったなぁー。「Together,Together〜」の部分のアレンジが大好きです。それにしても20年前にリリースされた曲がこうやってアレンジされてライブで演奏されて・・・なんだかそういうの考えると感慨深いものがある。実際に演奏している本人達はどんな気持ちだったんだろう。

続いてはLOVE TRAIN、そしてPRESENCEへ。両曲ともアルバム"NETWORK"から。特にPRESENCEはホントいい曲だと再認識した。サビの「We know the truth...」を一緒に歌っていると何とも言えない気持ちになった。今日、この場にいれて良かったと思った。今回のライブをシメくくるのにふさわしい曲だった。

演奏が終わると場内が明るくなり、ウツが「どうもありがとーう」と言ってメンバーがステージを去って行く。もうこの時点で私は大満足だった。しかし、まさかこの本編を上回る驚きと感動が待っていようとは・・・。

メンバーが退場し、再び場内が暗くなると、すかさずアンコールの嵐。するとステージ上のキーボードの陰に隠れたスタッフまでもが手をあげてアンコールを求めていた。思わず嬉しくなって笑みがこぼれた。
するとなんとウェーブが起こった。1回、2回・・・ファンの思いが一つになって創り上げた感動のひとときだった。そしてそれに答えるかのように、TMの3人が姿を現す。勿論場内からは大歓声があがる。

ウツ「どうもありがとーう」
観客「(大歓声)」
ウツ「えー、ではここでメンバーを1人、呼び込みたいと思います。安部薫!」

歓声に包まれ、茶目っ気のあるお辞儀をしながらべーあんが再登場。ドラムセットが再び木根さんの横の位置にセットされる。

そして、この直後、事件は起こった。

ウツ「そして、スペシャルゲスト。」

そう言った瞬間、私の頭の中を様々な妄想が駆け巡った。「まさか?」と思った。「いや、まさかそんなはずはない」と。しかし、そのまさかが起こった。私にとっては天変地異のような大事件だった。

ウツ「松本孝弘!」

するとこの日一番の凄まじい大歓声に包まれながら、松本孝弘が・・・まぎれもなくB'zのギタリスト松本孝弘が、そこに姿を現した。

まっちゃんは白い長袖のシャツとジーンズ姿で登場。そして登場するやいなや、客席に向って一声叫んでいた。これはB'zのLIVE-GYMでもよく観られる光景だった。そしてそのまっちゃんの声に答えるかのようなファンの歓声。ほんとに物凄い歓声だった。

私は頭の中が真っ白になった。心臓が飛び出そうになった。去年、B'zのLIVE-GYMで、渚園で、そして東京ドームで会ったあの人が、今この武道館のステージ上にいる。しかもTM NETWORKのサポートメンバーとして。私には目の前の状況がもはや現実なのか夢なのかわからなかった。

歓声とどよめきに包まれる中、ステージが少しずつ暗くなった。アンコールが始まる。一体何を演奏してくれるのか、そんな大きな期待を膨らませながら、耳を傾ける。するとあのイントロが流れてきた。この時点で私の歓喜は頂点に達した。まさかのHUMAN SYSTEMが(涙)。その瞬間、場内はまっちゃんが登場したときと同じような大歓声に包まれる。

モーツァルトのソナタのパートは木根さんとまっちゃんがギターをハモる。スクリーンには手前にまっちゃん、奥に木根さんがそれぞれギターを演奏する姿が映し出されていた。そしてイントロへ突入すると同時にいきなりまっちゃんの美しすぎるギターソロ炸裂!!スクリーンにはまっちゃんのアップ映像が映し出されるとともに、またしても場内は凄まじい大歓声。

まっちゃんはAメロでは奏法をカッティングに切り替えていた。そして間奏のサックスソロの部分ではまたしてもまっちゃんの美しすぎるギターソロ炸裂(泣)!!
そしてラストのコーラスは全員で大合唱。

「She is here and he is there in the human system
I am here and you are there in the human system」

両手を挙げながら歌い上げるファンの姿がスクリーンに映し出される。ずーーっと、ずーーーーーっとこの瞬間が続いて欲しいと思いながら、願いながら、私は必死に歌い上げていた。ライブでこんな幸せな気持ちになったことが今まであっただろうか。重要なのはまっちゃんを観れたということではない。TM NETWORKのステージにまっちゃんが立って、そしてTMの曲を演奏していること。そしてその演奏に乗せてファンのみんなが歌っている光景に私は心底感動した。

ラストは再びモーツァルトのソナタ。またしても木根さんとまっちゃんのギターがハモる。そして最後の合わせはまっちゃんと先生がアイコンタクト!!私は感動の涙を抑えることができなかった。

曲が終わると拍手と大歓声に包まれる場内。しかし私は冷静に、かつ必死に心の中で願っていた。「頼む!!もう1曲やってくれ!!頼むから!!!!!もう1曲だけやってくれーーー!!!!!!」と(笑)。

その願いが通じたのか。続いてはなんとBEYOND THE TIMEが始まった(涙)。そうか、ちょうどまっちゃんがサポートメンバーとして参加していた頃の曲を選んだんだな、とこの時直感した。まっちゃんは見事に演奏していた。サポートとして参加していたのはもう15年以上前のことなのに。きっとTMの曲は体に染み付いているのだろう。

そしてここでもサックスの代わりにまっちゃんの美しすぎるギターソロ炸裂(涙)!!そのたびに場内からは大歓声があがっていた。B'zファンとしてはたまらない瞬間だった。

演奏が終わった。これで終わりか?と思いきや、嬉しい誤算。

ウツ「松本君にはこのまま残ってもらって。再びメンバーを呼び込みたいと思います。」

すると何と登場サポートメンバー全員が、ステージ上に姿を現した。それぞれウツに紹介されるたびに、凄まじい大歓声があがる。

この時点でステージ上に揃ったメンバーは総勢10名。
宇都宮隆、小室哲哉、木根尚登、浅倉大介、葛城哲哉、山田亘、西村麻聡、北島健二、阿部薫、そして松本孝弘。
なんという光景だろうか。歴代のTMオールスターメンバーが勢ぞろいである。ただ一人、亡くなった日詰昭一郎さんを除いて。日詰さんももし生きていたらこのメンバーに加わっていたのだろう、と思うと、少し切なくなった(私は生前の日詰さんに会うことはなかったが)。

これだけのメンバーが揃って、一体何を演奏してくれるのだろう、と必死に考える。しかし途中で考えるのをやめた。このメンバーで演奏してくれるなら、もはや何でも良かった。

ステージが少しずつ暗転する。そして突然ウツが「Revolution♪」と歌い始めた。とともに大歓声があがる。SEVEN DAYS WARだった(号泣)。

しかしステージ上には前代未聞、ギターが4人である。亘さんは途中までシェイカーを持って木根さんの横に立っていたが、途中からいつの間にかドラムを叩きはじめ、10年前のドームと同じように、べーあんとのツインドラムになった。

Aメロ、Bメロ、そして静かにサビへ。しっとりと歌い上げるウツ。そして間奏へ突入すると同時に照明がパァーーっと明るくなる。いつしかステージ上には、先生、亘さん、大ちゃん、べーあん以外の6人のメンバーが、横一列に並び、子供のような無邪気な笑顔で、楽しそうに演奏していた。まっちゃんの笑顔はまさにB'zのLIVE-GYMのときと変わらなかった。そしてその演奏にのせて場内全員で「♪la〜la〜...」と大合唱。

思わず涙がこぼれた。何もかもが、出来過ぎてて怖いほどだった。こんな幸せなライブが他にあるだろうか。彼ら以外にこんな素晴らしいライブが出来るだろうか。

何度も何度も、声が枯れるまで最後のコーラスを歌い上げた。ファンの皆が自分と同じように幸せそうな顔で歌っている姿がスクリーンに映し出される。このひとときが永遠に続いて欲しかった。しかし無情にもライブは幕を閉じる。

演奏が終わるとメンバーはみんなピックやら何やらを観客席に投げ入れていた。先生は何か大きめのものを投げ入れていた。あれは何だったんだろう。

そしてラストはステージ上メンバー全員が並び、手をつないで一礼。
まさに大団円だった。メンバーがステージ上から去るのを惜しむかのように歓声があがる場内。ウツはステージ端の方へ歩いて2階席のファンに向って手を振ってくれた。彼の心優しい一面を観ることができた。

最後にウツが退場しても私はしばし放心状態だった。すると場内には「Nights Of The Knife」が流れだす。曲が中盤に差し掛かった頃、ようやく我に返ったように会場を後にした。

小雨が降る武道館を後に、近くのホテルのレストランへ入る。すると両隣の席にはライブ帰りのTMファンが座っていた。なんだか幸せな気持ちになった。

駅から家への帰り道、小雨はやや強い雨に変わっていたが、私は傘もささず雨に打たれながら、来るときと同じようにTMGのアルバムを聴きながら、自転車に乗って帰宅した。
ライブに行く前はあれほどうざったかった雨が、とても心地よく感じた。



TM NETWORK
DOUBLE-DECADE TOUR "NETWORK" FINAL at 日本武道館 (2004/6/25)

  1. GET WILD
  2. ALL-RIGHT ALL-NIGHT
  3. BE TOGETHER
  4. COME ON LET'S DANCE
  5. SELF CONTROL
  6. CONFESSION
  7. WE LOVE THE EARTH
  8. 69/99
  9. THE POINT OF LOVERS' NIGHT
  10. TIME TO COUNT DOWN
  11. GREEN DAYS
  12. SCREEN OF LIFE
  13. JUST ONE VICTORY
  14. TAKE IT TO THE LUCKY
  15. LOVE TRAIN
  16. PRESENCE
    Encore.
  17. HUMAN SYSTEM
  18. BEYOND THE TIME
  19. SEVEN DAYS WAR
    S.E.  NIGHTS OF THE KNIFE


-おわりに-

いやぁー・・・ほんと凄いもの見せてもらいました。まさかまっちゃんが来るとは。でもアンコールだけじゃなくって、本編の出来も素晴らしかった。特にTMN時代、そしてGREEN DAYS、PRESENCEといった新曲もホント良かったです。GREEN DAYSリリースして欲しいなぁ。

ラストのSEVEN DAYS WARで観た光景は一生忘れないと思います。圧巻でした。そしてレポート本文にも書きましたけど、まっちゃんがTMの曲を演奏しているっていうのが・・・また先生、木根さん、ウツの3人と一緒にステージに立っていることが、ほんとに夢のようでした。もちろん僕は10年前のドームも、それ以前のツアーも行ったことがなかったので、TMのサポメンとしてのまっちゃんを観るのは初めてでした。でもやっぱりTMファンも彼がまたTMの曲を演奏してくれることを心待ちにしていたんでしょう。それがまっちゃんが登場したときのあの大歓声に現れていたと思います。ホントあんなうねるような歓声は今まで聞いたことないですよ。

木根さんが「友達っていいもんだなぁ」と言ってましたが、ホント彼らのHUMAN NETWORKは凄いですね。いくら昔ながらの付き合いがあったとはいえ、あれだけのメンバーが来てくれるなんて。(そういえば木根さんが「みんなノーギャラ」とか言ってたけど、それは多分ウソでしょうね・笑)。

とにかく、2004年6月25日、この日のことは一生忘れません。こんな素晴らしいライブを創ってくれたメンバーに感謝したいと思います。そしてファンの人達も凄く一体感があって、みんなホントにTMが心から好きで好きでたまらない人達が集まってるんだな、ということがよく伝わってきました。そんなファンの人達がいたからこそ、今回のような素晴らしいライブになったんだと思います。一緒に楽しんだファンの皆さん、本当にお疲れ様でした。そしてありがとうございました!

きっと、またいつか、TM NETWORKのライブで会いましょう。

-TM NETWORKおよびサポートメンバー、ファン、そして故 日詰昭一郎氏へ捧ぐ-   2004.6.27 youhei


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