小室哲哉 and WASEDA Univ. Gree Club
Joint Charity Concert at 府中の森芸術劇場どりーむホール(2001/12/1)

府中の森に来るのはちょうど昨年の今ごろ、音大に通う友人のコンサートを観に来て以来、約1年ぶりだった。
「芸術劇場」というだけあって外観だけでなく場内もとても綺麗。キャパシティは2,000人弱ほどで音響も良く、クラシックコンサートなどやるには最適な会場と言えるだろう。
私が会場に到着したのは開演時間は10分ほど過ぎた頃。普通のライブとかなら10分や20分押しは当たり前なので、どうせまだ始まっていないだろうとタカをくくっていたが、既に府中市か早稲田大学の理事長らしきお偉いさんの挨拶が始まっていた(笑)。ちょっと普通のライブとは違う雰囲気を感じましたね。

挨拶が終わるとステージが暗くなる。しばらくして幕が開くとともに、早稲田大学グリークラブの人達によるSTAND BY MEが始まった。
私はこのコンサートを観るまでグリークラブってどんな活動してるのかさっぱりわからなかったが、歴史と実績のある凄いクラブなんだなってことを実感しましたね。
※グリークラブについて簡単に説明すると、トップテノール、セカンド、バリトン、バスの4パート、総勢120名による男性のみの合唱団。数々のコンクールで優勝しており、アメリカやヨーロッパなど海外での活動も行っているようだ。

演奏(というより合唱)が終わると場内は拍手に包まれる。しばらくしてステージが暗くなり、そこへステージ脇からひょっこりと黒いパンツとジャケットを着て小室哲哉登場。無論場内は大歓声に包まれる。笑みを浮かべながら客席にペコリとおじぎをして、ステージ中央に置いてあるグランドピアノへ。そしてそのままピアノソロが始まった。それとともにステージ上のスクリーンに映像が映し出され、これまでの小室哲哉の経歴が流れ出した。GET WILDやFeel Like danceといった曲をピアノで演奏し、スクリーンの映像が終わると同時に、ピッタリ計ったように先生の演奏も終わった。そしてステージ脇からは久保こーじらのサポートメンバーが登場。

COZY「どうもこんばんは。久保こーじでございます。」
観客「(歓声)」

以外だったのが久保こーじへの歓声。ひさびさに公の前に姿を見せたせいか、結構人気あった(笑)。

COZY「改めまして、本日の主役を紹介します。小室哲哉です。」
観客「(大歓声)」
TK「こんばんは。どうも。」

もちろん観客席からは歓声があがり、それに対して先生は照れるようにペコリとおじぎをする。

COZY「なんかこういったコンサート形式でやるのは珍しいんじゃないですかね?」
TK「そうだね、今年の1月にTM NETWORKの全国ツアーをやりましたけど、今回のような形式ってのは・・・おそらく初めてだと思いますね。」
COZY「この会場には来た事・・・ありますよね?」
TK「そうですね、TMのときに一度来てます、はい。」
COZY「さっきスクリーン見ながらピアノ弾いてたじゃないですか。あれはやっぱり時間を気にしながらやってたんですか?事前に”何分間でやってくださーい”ってスタッフの人に言われたとか(笑)。」
TK「いや、(スクリーン)見ながら弾いて、あとこれくらいで終わるかなーって考えながら、頭の中でまとめて弾いたよ(笑)。」
COZY「あ、そうなんですか?(笑)でもどうですか、やっぱ緊張したんじゃないですか?」
TK「いやぁー、緊張は・・・しないねー(笑)」
観客「(笑)」

さすが大舞台をいくつも経験しているだけあって、今回のような小さいホールでのコンサートでは緊張しないんでしょうね。サミットとかで演奏してるんだから当たり前か(笑)。

COZY「今年の幕開けは沖縄からでしたよね。元旦・・・でしたっけ?」
TK「そう・・だね、元旦です。」
COZY「あ、沖縄行った人います?」

数人から「行ったー!」という歓声があがる。

COZY「お、いますねー。沖縄の海岸にね、沖縄の人ばかりを集めて、朝5時までやったんですよねー。」
TK「やりましたねー。」
COZY「まぁ今日はグリークラブの方達とこういったコンサートをやらせてもらうんですけど、どうですか?」
TK「いやぁ今回この早稲田大学グリークラブという伝統のあるクラブの方達と一緒にやらせてもらうってのはとても光栄に思ってます。」
COZY「先生は歌は、歌わないんですか?(笑)」
TK「(笑)・・・僕は歌は本職ではないのでね・・・昔はソロとかやっちゃいましたけど(笑)」

しかし今日はとにかく先生が喋る喋る(笑)。さらに先生と久保こーじとのトークは続く。

TK「今日はトークがたっくさんあるからねー。」
COZY「ありますねー。ていうか十分喋ってるじゃん!(笑)。少なくともココまでは僕より先生の方が全然多く喋ってますよ。」
観客「(笑)」
TK「(こーじの言葉を遮るように)まぁちょっと最後まで言わせてよ。僕はね、普段ライブとかではほとんど喋らないから、TMにしてもglobeにしても。だから今日は結構貴重かな〜、なんて、別に今日は貴重なんだよってことを(お客さんに)アピールするつもりはないですけど(笑)。」
観客「(笑)」
COZY「まぁ、今日はいろいろと懐かし〜い曲を・・・ってなんか過去の人みたいですけど(笑)」
TK「いや、まだまだ現役だけどね(笑)。」

そして話は来年デビュー予定の新人アーティストへ。

TK「えっと、久しぶりにプロデュースすることになりました新人アーティストの人をここで呼びたいと思います。アイカです。」

拍手に迎えられながらステージ脇からアイカが登場。服装は白の長袖Tシャツにパンツという、他のメンバーから比べると結構ラフな格好だった。見た目、十代後半くらいに見えたが・・・。

アイカ「こんばんは、アイカです。よろしくお願いします。」
TK「えっとー、札幌から来たんだよね。」
アイカ「はい、そうです。今日、札幌から。」
TK「(観客に向かって)札幌出身なんですよ。来年の1月にデビューすることが決まってます。今日は彼女に「SWEET 19 BLUES」っていう曲を歌ってもらうんですけど、これはアムロちゃんが19歳の時の曲でね。でもアイカちゃんはその5つ下ですね。」
アイカ「はい、14歳です。中学3年生です(笑)」

客席からは思わずどよめきがあがる。私も遠目で見た限り、どう見ても14歳には見えなかった。

TK「凄いよねー、14歳の子が、43歳の人(自分)と一緒に仕事するなんてね(笑)。普通の会社とかではあり得ないよね。」
COZY「そんな会社ないですよ。43歳の上司と14歳の部下なんて(笑)」
TK「まぁさっきも言いましたけどおそらく来年の1月頃にはデビューしてるんで。彼女はこういったお客さんの前で歌うのは初めてなんだよね。でも全然緊張してないよね。リハでも緊張してなかったし。・・・じゃあ、「SWEET 19 BLUES」の後は「寒い夜だから・・・」、「OUR DAYS」へとメドレーでやりたいと思います。では聴いてください。」

SWEET 19 BLUESが始まった。
音源はほぼオリジナルと一緒。また今回の演奏はギター、ベース、ドラムのサポートメンバーに加え、キーボードが久保こーじ、そして先生は終始グランドピアノのみの演奏だった。
先生の言う通り、アイカは14歳には思えないほど落ち着いていて見てる側としても安心して聴いていられました。久々のTKプロデュースということでも、今後の活躍が楽しみです。
SWEET 19 BLUESが終わったところでアイカが退場し、入れ替わるように5人のコーラス隊(女性3人、男性2人)が登場。そのまま寒い夜だから・・・、そしてOUR DAYSが演奏された。
演奏が終わるとコーラス隊がステージを一旦去ろうとする。するとTKが

TK「コーラスのメンバー紹介をしようと思ったんだけど・・・(笑)」

そう言うと笑いながらコーラス隊の人達が再びステージへ戻ってきた(笑)。

TK「えっと(笑)、僕のレコーディングには欠かせない、コーラスの人達を紹介します。」

先生が順番にコーラスの人達を紹介。それぞれ拍手に包まれる。

TK「ではコーラス隊の人達は一旦ここで退場してもらいます。また、後ほど。」

大きな拍手に包まれながらコーラス隊が退場。そして先生のMCは続く。

TK「あのー・・・今日はほんと、特別な日ですね。21世紀最初の幕開けの年がこのまま寂しいまま終わるのかと思ったら・・・今日、ご皇女が誕生されました。この場を借りて心よりお慶び申し上げます。」
観客「(拍手)」
COZY「今年は先生もプライベートではめでたいことがありましたよね。」
TK「(照れ笑いしながら)・・・はい、ダブル入籍しました(笑)。」
観客「(拍手)」
COZY「どうですか、パパっぷりは。おむつとか変えたりするんですか?」
TK「(苦笑いしながら)あのね、頼むから新聞記者の人と同じ質問しないでくれる?(笑)」
COZY「え、そうですか?(笑)」
TK「ええ、週刊誌とかに答えてますんで・・・それ見てください(笑)。」

グランドピアノの椅子に座ったまま何とも照れくさそうに答える先生の姿が印象的だった。

COZY「でも先生は吉本の人達とは結構仲いいんですよね。」
TK「そうですね・・・特に浜ちゃんとは。」
COZY「浜ちゃんは今年はあかしろ歌合戦に出るみたいですけどね(笑)。」
TK「そうですね、きっと盛り上げてくれると思いますけど。今日はですね、せっかくなんで、グリークラブの方達とWOW WAR TONIGHTをやろうかと。」
観客「(拍手)」

これは嬉しい誤算。まさかWOW WAR TONIGHTをやってくれるとは。
曲が始まるとグリークラブの精鋭7人がステージ前に出てきた。皆、若い(笑)。最後のサビは120人で大合唱。それはもう凄い迫力でした(笑)。
演奏終了後、どうやらリハと若干違っていたようで久保こーじがポロリ。

COZY「リハではグリークラブの人達がステージをところ狭しと走り回る予定だったんですけど、走りませんでしたね(笑)」

そして話題は先生の母校である早稲田へ。

TK「僕は早稲田実業を出てそのまま早稲田大学に進んだんですけど・・。でまぁ地元出身ということもあって(早稲田実業の)百周年記念歌というのを作らせてもらったんですよ。今日(会場の)外で売ってますので。皆さんよろしければ(笑)」

私はもちろん買いました(笑)。

TK「あと、小室哲哉記念ホールとかいうのもできましてですね。こないだこけら落としで使わせてもらったんですよ。4月に建てたのに9月まで使わないでくれたんです(笑)。ありがたいことですよね・・・。グリークラブの皆さん、今度使ってくださいね(笑)。」
COZY「あと先生の手形が飾ってありますよね。しかも金色!(笑)あれどうやって取ったんですか??」
TK「あれはね、うーんと、セメント?みたいなので型を取って。 いやほんとありがたいことです。すごいですよね。だって大隈重信の銅像とかもあるんですよ。そこに小室哲哉ですからね(笑)。常識的には信じられないですよね。・・・せっかくなんで今日は早稲田の栄光という曲を僕らなりに今風にアレンジしてですね、やりたいと思います。まぁ今日は早稲田のOBの方々もたくさん来ているようなので。OBの方達は原曲の方がいいじゃないかと言われるかもしれないですけど(笑)」

グリークラブの人達がメインボーカルで早稲田の栄光が演奏された。演奏が終わるとステージが暗くなり、先生だけにスポットライトが当たる。

TK「ではここでクリスマスソングを・・・。」

と言って先生がピアノの上のちっちゃなクリスマスツリーに電気をつけて退場。かわいいツリーだったものだから思わず会場内からも笑いがこぼれる。
そしてグリークラブの方達のみでX'masソングメドレーが始まった。嬉しかったのはメドレーの最後、グリークラブの方達がジングルベルを歌っている時に再びバンドのメンバーが登場し、ジングルベルのメロディに重ねてなんとDREAMS OF CHRISTMASが演奏されたことだ。思わず一部客席からもため息のような驚きの声が挙がっていた。
演奏が終わり、拍手に包まれながらMC。

COZY「クリスマス・・・にはまだちょっと早いですけどね。」
TK「まぁ12月にはなったから(笑)」
COZY「TMの曲もありましたけど。」
TK「そうですね。DREAMS OF CHRISTMASという・・・Love Trainと一緒に(CDに)入ってますね。」

違うよ先生・・・「Love Train」のカップリングは「We love the Earth」でしょ。という突っ込みを心の中で入れたのは私だけではないはず(笑)。
(実際には「RHYTHM RED BEAT BLACK」のカップリング。その後、「WILD HEAVEN」のカップリングとして「'91 NY mix」として別バージョンで収録されている。)

COZY「DREAMS OF CHRISTMAS知ってる人います?」

一部の観客から拍手が挙がる(もちろん自分含む・笑)。

COZY「でも今の若い人達はTM NETWORK知らないですよねきっと。」
TK「そうですねぇ・・・Revolutionですよね、今は(笑)」
観客「(笑)」
COZY「今は(先生は)globeって思われてるでしょうね。」

TKがうなずく。
そして話題はTMへ。

COZY「先生このTM NETWORKっていう名前の由来、これは実は多摩ネットワークなんですよね?」
TK「そうですね、僕が府中で、ウツと木根くんが立川に住んでて、でバンドのメンバーもここ(府中)付近に住んでたので・・・。今日はちょっとグリークラブの人達と一緒にTMの曲をやろうかと思います。」
観客「(歓声)」
COZY「そういえば先生は大学時代グリークラブに入ってたわけではないんですよね(笑)」
TK「うん(笑)。だから前から言ってるように、僕は歌はダメだから楽器に走ったの(笑)。ほんと歌は大変ですよ。」

そしていよいよTMの曲へ。一体何を演奏してくれるのかと思ったが・・・。

TK「えー、皆さんも知ってると思いますけどBe Togetherという曲を。」
観客「(歓声)」
TK「凄いですよー、120人のBe Togetherですからね(笑)」
観客「(笑)」
TK「今日は女性の方もよりどりみどりですよ。早稲田の学生さんですよ。皆ピチピチですからね(笑)。」
観客「(笑)」
COZY「いや、男にピチピチって使わないでしょう(笑)」

そしていよいよ演奏が始まるというときに、ふと思い出したようで。

TK「あっ、そうそう、Be Togetherの後はStill Love Herをやります(笑)。」

一部TMファンの拍手と歓声に包まれながら(笑)Be Together、そしてStill Love Herが演奏された。しかし120人のBe Togetherはほんと圧巻でした(笑)。
演奏が終わり、再びMCへ。

COZY「いやあー・・・若いですねー。」
TK「うん、若いねー。あの、決してウツがピュアじゃないっていうわけじゃないんだけど・・・」
観客「(笑)」
TK「後ろから見てて、こう、短髪の好青年が歌っているのを見ると、あぁーなんかピュアなものを感じましたねー。いや、決してウツがピュアじゃないって言ってるわけじゃないんですけど(笑)」
観客「(笑)」
TK「えー(笑)、では、次はまた奈美恵ちゃんの曲で、CAN YOU CELEBRATE?を。これも今は結婚式の定番ソングとなっているようでとても嬉しいですけど。あとは今年沖縄サミットでも演奏したNEVER ENDを。」

コーラス隊の方達がメインボーカルでCAN YOU CELEBRATE?、そしてNEVER ENDが演奏された。しかしこのコーラス隊の人達もプロというだけあって強烈に歌が上手かったですね。
そしていよいよスペシャルゲストの登場へ。

TK「今日はアイカのほかにもう一人ゲストを呼んでいます。あのー、音楽って免許とか資格とかいらないんですよね。そういうの何も持ってなくてもこうやってステージで演奏できたりする。そういうところはほんと音楽って凄いなって思います。これから呼ぶ人もそういう資格とかもってない人ですけど(笑)。では紹介します。KEIKOさん。」

物凄い大歓声に包まれて紫のドレスを身に纏ったKEIKOが登場。いや、マジでめっちゃくちゃ綺麗でした(笑)。

TK「あのーこれに1人、フランス人のハーフが入れば、globeになるんですけどね(笑)」
KEIKO「そうですよねー、ちょっと寂しいですけど。」
TK「でもKEIKOも最近忙しいんですよねー。」
KEIKO「そうですねー、かなり(笑)」
TK「来週、ちょうど一週間後ですね、8日の日に、東京ベイNKホールというところでライブをやりますんで。まぁお暇な方は(笑)、ぜひ来てください。結構チケットは入手困難な状態になってるみたいですけど。」
KEIKO「はい、ぜひ来てくださいね。」
TK「で、5日には、globeの新曲「genesis of next」が出ます。来年の2月にはニューアルバムも皆さんのもとへお届けできるかと思いますので。」
観客「(歓声)」
TK「その後12日には浜崎あゆみさんとデュエット曲を出します。同時多発テロのことで今回僕の呼びかけでエイベックスにも協力してもらって・・・「SONG NATION」という名前で、「a song is born」という曲をリリースします。あ、今日渋谷の駅前通って来た人います?ちょうど、今日からですね、渋谷の109のところにでっかく二人の顔が張られてあるんで。」

偶然にも私はその日の帰り、駅から自宅へ帰る途中でその看板を発見した。確かに二人の顔がでかでかと映っていた(笑)。しかしまさか浜崎あゆみとKEIKOで曲を出すことになるなんて誰が予想しただろうか。数年前ならとても考えられなかったでしょうね。

TK「そんなこんなで多忙なKEIKOさんですけど・・・まぁせっかく来たんだから何か歌って行ってよ(笑)」
KEIKO「はい。歌いますよ。歌わせてくださいよ(笑)」
TK「(笑)。・・・えー、今日は府中に初雪を降らせます。」

歓声と拍手に包まれながらDEPARTURESへ。ステージの上からは演出で粉雪が降っていた。
演奏が終わるとバンドメンバーが退場。ステージは先生とKEIKOの2人だけになる。そして水を少しずつ飲みながら先生が口を開いた。

TK「9月11日に同時多発テロがあってたまたま親戚が、あのビルに勤めていて・・・今も、行方不明の状態です。僕に何かできないだろうかと、そう思ったら、ほんと自然に・・・こう、詩と歌が自然とできたんですよね。まさに天から降ってくるように。10年に1度か2度あるんですけど。まぁこれはぜひKEIKOさんに歌ってもらおうと思って。」
KEIKO「光栄でございます。」
TK「globeの新曲として来年出るアルバムにも収録される予定です。 まだレコーディングもしてないんで(笑)、今日来てくれたお客さんだけに、どこよりも早く、初めて聴けると。」
観客「(歓声)」
TK「まぁ、詩は(スクリーンとかに)出てこないんで全部聞き取れないとは思いますけど、そういう風にして出来た曲っていうのを感じながら聴いていただければ・・・。」

ポツンとスポットライトが当たるステージ上で感慨深げに話す先生。話を聞いているだけでこの曲に対する意気込みや思いが伝わってきました。

TK「僕にはあの人達が星に見えたんですね。・・・題名は「LIGHTS BROUGHT THE FUTURE」です。」

そう言うとステージ上には幾多もの星をイメージしたライトアップが。伴奏はピアノだけによる美しいバラードだった。歌詞は確かに全部聞き取れなかったが、
「ごめんね、ごめんね、私には歌うことでしか償えない」
といったような内容。メロディも切なく、私も思わずこみ上げてくるものがありました。しかしKEIKOはこういう歌を歌わせたら右に出るものはいないくらい、感情込めて歌い上げてくれますね。素晴らしかったです。

演奏が終わると、「どうもありがとう」と言って先生とKEIKOがステージを去る。
ステージは暗くなりピアノにスポットライトが当たっている。客席からはもちろんアンコールを求める拍手が。そして5分ほどしたころ、先生が1人でステージに登場。場内はもちろん大歓声と拍手に包まれる。
グランドピアノに座ると先生が静かに口を開く。それは1日前に亡くなったあるミュージシャンのことだった。

TK「あのー、今日はほんと特別な日だなって思います。音楽をやっている人間なら誰もが影響を受けたであろう、ビートルズのジョージハリスンさんが昨日亡くなりました。今日は彼へのありがとうという気持ちを込めて、一曲、ピアノを弾きたいと思います。」

するとピアノでYESTERDAYを弾き始めた。場内は物音ひとつしないほど静まり返っている。美しくも切ないメロディがホールに響き渡った。
演奏が終わり場内が拍手に包まれるとともに、KEIKO、アイカ、グリークラブ、コーラス隊といった全てのメンバーが再びステージ上に登場。

TK「アンコールですね。僕はこういうときにやる曲はコレしかないって絶対決めてるんです。えー・・・YOU ARE THE ONEを。」

今回の出演メンバー全員でYOU ARE THE ONEを演奏。それだけで会場は既に大盛り上がりだったが、MCではしきりに「自分は歌は歌わない」と言っていた先生が、ウツ、木根さんパートといった男性ボーカル部分をしっかり歌ってくれて、それはそれはもう凄まじい盛り上がり様でした。さすがにこの時は私も感動のあまり言葉を失いました。憎い演出してくれるなぁーもう(笑)。
演奏が終わると先生がバンドメンバーを一人一人紹介する。それぞれ拍手に包まれ、最後は久保こーじが先生の名前を呼び上げ、大歓声に包まれたところでライブは終了。
満足げな表情を浮かべてステージを去る先生の姿が印象的でした。
今日の小室哲哉、最高にカッコ良かったです(いや、いつもカッコいいけど・笑))。



小室哲哉 and WASEDA Univ. Gree Club
Joint Charity Concert at 府中の森芸術劇場どりーむホール(2001/12/1)

  1. STAND BY ME
  2. GET WILD〜Feel Like dance
  3. SWEET 19 BLUES
  4. 寒い夜だから・・・
  5. OUR DAYS
  6. WOW WAR TONIGHT
  7. 早稲田の栄光
  8. X'masソングメドレー〜DREAMS OF CHRISTMAS
  9. BE TOGETHER
  10. STILL LOVE HER
  11. CAN YOU CELEBRATE?
  12. NEVER END
  13. DEPARTURES
  14. LIGHTS BROUGHT THE FUTURE

  15. Encore.
  16. YESTERDAY
  17. YOU ARE THE ONE


-おわりに-
曲順を見てもらえばわかると思いますが、まさにMCの嵐(笑)。TKとCOZYによるトーク&ライブと言っても過言ではないでしょう(笑)。
しかし正直、これほど感動したライブは久しぶりでした。行く前はいったいどんなライブになるのか、想像もつかなかったので期待半分、不安半分だったのですが、本当に行って良かったです。この日は先生にとっても特別な日になったと思いますが、私にとっても忘れられない一日になりました。音響も良かったし、グリークラブの方達も素晴らしかったし、何より先生の曲をこのようなライブ音源で聴けることは滅多にないことだと思うので、そういった意味でも貴重な時間を過ごせたと思います。
あと先生が終始グランドピアノのみの演奏という点も私にとっては嬉しい限り。ただ、TMの曲とかはやっぱりウツのボーカルで聴きたかったな、というのが本音かな。贅沢な願いだってことはわかってるんですけどね(笑)。
最後に、僕もビートルズには多大な影響を受けましたので、故ジョージハリスン氏のご冥福を心よりお祈りいたします。

2001.12.5 Y.Tanaka


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