SUMMER SONIC '05 -2日目- at 千葉マリンスタジアム/幕張メッセ (2005/8/14)

さぁいよいよ2日目。何と言ってもオアシス目当てなのだが、本命登場までは時間がたっぷり。この日は1日目と比べて朝から30度を越す猛暑となった。とりあえず今日も朝から灼熱のマリンスタジアムへ足を運ぶことに。

  THE OTHERS
千葉マリンスタジアム
11時過ぎ千葉マリンに到着。昨日と同じく2階席のスタンドに陣取ったのだが、昨日に比べて明らかに人が多い。しかも朝からホント暑い。そんな中、オープニングアクトを務めたのはTHE OTHERS。昨日のTOWERS OF LONDONと同じUKロックバンドである。

しかしこのヴォーカルの兄ちゃんはドラッグやってそうな雰囲気プンプンだったんですけど、そう思ったのは僕だけでしょうか(笑)。動きもゆっくりフラフラだし、目もトローンとしてたし。と思いきや写真のように観客席に何度も突っ込んで大盛り上がりでした。

  RIP SLYME
千葉マリンスタジアム
続いてはまさに真昼のエンターテインメントショー。リップスライムの登場である。先日のROCK IN JAPANでは初日の大トリを務めた彼ら。それがサマソニでは真昼間に見れちゃうんだからなんとも贅沢。千葉マリンのアリーナはすでに超満員状態。相変わらず物凄い人気である。

それにしても灼熱の千葉マリンでの楽園ベイベーは最高でしたね。HIP HOPにはほとんど興味がなかったんですが、このときはアリーナで踊りたい気分になりました。ラストはJOINTでシメ。うーーん、リップかなり好きになっちゃったかも。

  PUFFY AMIYUMI
幕張メッセ
本格的に暑くなってきたので一旦幕張メッセへ移動。毎年結構楽しみにしているSIDE SHOWを見ることに。今年は「笑い飯」も来たりしてかなり豪華な顔ぶれでした。面白かったのは尾崎豊のマネで芸してた人と、「ヒロミGO'44」(だったかな?)というピン芸人さん。ヒロミGOの方はすんげーブラックなネタばっかりなの。たとえば「間違いないの歌」。(ここで書いちゃって大丈夫かな)

「間違いない。長井秀和間違いない。青木さやかも間違いない。ダンディー坂野も間違いない。みんな創価学会だー!!」とか(笑)。えんえんとそういうネタやってんの。芸能界の裏側を暴露するようなネタですね。「芸能界で売れてる奴はみんな朝鮮人だーーー!!」とか(笑)。「いや、別に朝鮮人だっていいんですよ」とあせりながらするフォローする場面も。うーん面白い。でも絶対テレビには出させてもらえないでしょうね(笑)。

で、そんなお笑いコントを見た後はPUFFY AMIYUMIのステージへ。みなさん知ってるでしょうか。今パフィーがアメリカでバカ売れしているのを。パフィーはアニメのキャラクターに起用され、向こうでパフィーを知らない人はほとんどいないというほど大ヒットしているそうなんです。

しかしサマソニに来ているような人達がパフィーに興味あるんだろうか、と疑問だったのだが、いざふたを開けてみれば入場規制がかかるほどの大盛況っぷり。2曲目の渚にまつわるエトセトラでもう場内大盛り上がり。さらにサーキットの娘海へとジェット警察など、個人的に大好きな曲オンパレードで大興奮。しかも途中GREEN DAYのBasket Caseをカヴァー。洋楽好きなサマソニファンからこの日一番の大歓声があがる。

ラストはHi Hiからアジアの純真。洋楽中心のイベント、しかも男性アーティストばかりがひしめく中でこのPUFFYのステージはある意味異様とも思えるほどの大成功ぶりだった。それは彼女達の音楽がバリバリのロックサウンドだからでしょう。アメリカで発売しているPUFFY AMIYUMIのアルバム、超オススメです。こちらから視聴もできるのでぜひ聴いてみてください。

  木村カエラ
幕張メッセ
PUFFYが終わってからはそのままROCKステージに残る。続いては堂本兄弟のバックコーラスやvodafoneのCMでもおなじみ、木村カエラ嬢の登場。モデルからアイドルへ転身し脚光を浴びている新人ロックアーティストである。場内もほぼ超満員状態。

とりあえずリルラリルハだけ聴きたかったのだが、オープニングからバリバリのロックサウンドが鳴らされてて、いい意味で意外だった。今はまだ駆け出しで注目されてるし、周りの環境にも恵まれすぎている気がするが、ここから生き残れるかどうかは本人次第である。頑張れ木村カエラ。応援してますよ。

  KASABIAN
千葉マリンスタジアム
再び千葉マリンへ戻り、タコライスを喰らい、場内へ。2年連続の登場となるKASABIANの登場である。この人達の曲は自然と体が動き出してしまうのでアリーナで見ることに。

昨年の単独公演のときも感じたが、とてもデビューしたてとは思えないほどの存在感。アラビアンテイストな楽曲でまさにカサビアンワールドを構築していた。ラストはやっぱりClub Foot。ヴォーカルのトムが「See you next year」と叫ぶ。おいおい、もう来年の出演決定しちゃったのか?(笑)もちろん大歓迎だけどね。

  WEEZER
千葉マリンスタジアム
日が暮れ始めた頃、UKロックバンドのもはや大御所と言っても過言ではないだろう、WEEZERが登場。この時点でマリンはアリーナもスタンドもほぼ満員状態となっていた。みんな手で「W」マークを作ってメンバーを迎え入れる。

私はWEEZERの曲はほとんど聴いたことなかったし、OASISのために体力を温存しておきたかったので最初スタンドにいたのだが、始まる直前になってアリーナへ移動した。

WEEZERはさすがにライブ慣れしている。ずっしりと構えて演奏する姿には余裕すら感じた。CDで聴いてるときはさほどピンとこなかったのだが、やはりライブでは全然違う。セミファイナルを飾るに相応しいパフォーマンスだった。

  OASIS
千葉マリンスタジアム
完全に日は落ちた。
真っ暗な夜空に三日月が輝いている。メッセにいたファンが、一斉にマリンに押し寄せてくる。いよいよメインイベント。世界が誇るロックンロールモンスターバンド、OASISの登場である。

待ちきれないとばかりにファンが手拍子する。さらに前代未聞、スタンド席でウェーブが起こった!ウェーブなんて、B'zのライブでしか見たことないぞ(笑)。それくらい、この時を皆待っていたのだ。

しかしここで大きなハプニング発生。なんと機材トラブルによりライブをスタートできないとのアナウンスが。「まさか兄弟ゲンカしてんじゃないだろうな・・」と思ったのは絶対私だけじゃないはず(笑)。「20時10分を目標にスタッフ頑張ってます」とアナウンスが流れる。仕方なく一旦座ると、疲労のせいか、いつのまにかうたた寝してしまった。

何分眠っていたのだろう。大歓声で目が覚めた。いつのまにか場内は暗くなっている。一気に眠気が吹っ飛んだ。いよいよ来るのだ。いや、ホントに来るのか?!と不安な気持ちも正直あったのだ。なんせ機嫌が悪いと平気でステージをすっぽかしてしまう問題児なのだから。

そんな私の心配をよそに、Fuckin' In The Bushesが流れ出す!!まさに怒号のような大歓声が場内を包み込む!!そして・・・
OASISキターーーー!!
ホントに出て来たーーーーー!!!

ヤバイ!!ステージに出てきただけでこんなに興奮するものなのか?というくらい自分でも過去感じたことのない衝動が全身を襲った。オープニングはTurn Up The Sun。リアムがAメロを歌いだすとまたしても大歓声。私はあのリアムと同じ空間にいるという現状を把握できずに、まさに夢の中にいるようだった。

そして早くもLylaへ!!サビはもちろん大合唱。こんなに叫んだことはないってくらい歌った。普通のライブでは他の人のこと考えて大きな声では歌えないけど、オアシスは大合唱が当たり前になってるから気兼ねなく歌えるのだ。

そしてMorning Gloryのイントロが来た時点でもう私はパニック状態に。「♪Well----------!!!!!」でもう喉が潰れました。続いて最新作からA Bell Will RingMucky Fingersもプレイ。新旧盛り込んだ素晴らしいステージが繰り広げられる。
さらにRock 'N' Roll Star、そして極めつけはWonderwall!!まさか本当にナマでWonderwallが聴ける日が来るなんて・・・私は感動のあまり言葉を失っていた。

演奏が終わると一呼吸。そしてノエルがスクリーンに映し出される。そしてあのイントロが流れ出すとともに、もはやこの世のものとは思えない歓声が起こった。

Don't Look Back In Anger。まさにこの曲なしではオアシスは語れない。サビではノエルは歌わず、場内だけの大合唱。いや、大合唱なんてものではない、超大合唱だった。こんな光景今まで見たことない。感動のあまり歌いながら泣けてきた。つい先日もカラオケで歌ったんだよねこの曲。こんな気持ちよいメロディを、オアシスの演奏に乗せて歌えるなんて、これ以上ない幸せだった。

そしてラストはTHE WHOのMy Generationをカヴァー。サポートドラマーにザック・スターキー(リンゴスターの息子・THE WHOのドラマー)が参加している今でしか聴くことができないであろう、貴重なナンバーでライブは幕を閉じる。

ラストは花火が打ちあがりまさに大団円。こんなにもフェスティバルのトリを務めるに相応しいアーティストが他にいるだろうか?それはサマソニ史上最高とも言える素晴らしい光景であった。



  SUMMER SONIC '05 総括

◆何はなくともオアシス!◆

まさにオアシス抜きでは語れない今年のサマーソニックとなった。
明らかにステージ上での空気が他のアーティストと違っていたのだ。あんなステージ見せられたらもう他のライブが見れなくなってしまう。そう思えるくらい本当に最高なステージだった。

しかし直前の機材トラブルはほんとに焦った。機嫌悪くなって帰っちゃうんじゃないかって本気で心配しましたよ。彼らの問題児っぷりはあまりに有名だが、なんせ今年も一度スコットランドかどこかのフェスでリアムが突然ステージから姿を消すなんてことがあったばかり。でもちゃんと出てきてくれて良かった。

雑誌のインタビューとか読んだことある人ならわかると思うが、オアシスの言動はまさにメチャクチャである。よくもまああそこまで他のアーティストをけなすことができるな、と思ってしまう(ここではそれらのインタビューの詳細は書かないが)。でもロックスターと言われた人達って昔から問題児扱いされてたような気もする。アクセルローズとか(笑)。アクセルに比べたらギャラガー兄弟はまだ可愛い方か。どの時代でもロックスターというのは悪ガキじみた面を持っているものなのかもしれない。

さて、そんなオアシス効果もあって東京では2日間ともチケット完売という、史上最高とも言える盛り上がりを見せ、フェスとしては大成功だったのかもしれないが、その一方で個人的には非常に残念だと感じられることもあった。

◆主催者側の大きなミス◆

まず1つは主催者側の問題として、14日のISLAND STAGEで起こった事件があげられる。ZAZEN BOYSの開演時間間近になると、人がどっと押し寄せてしまったため、ライブができなくなり、やむを得ず時間を大幅に変更することになってしまった。これは押し寄せたファンが悪いのではない。ZAZENという人気絶頂にあるバンドをISLAND STAGEという非常に小さいステージに呼んでしまったいう、明らかに主催者側の判断ミスおよびマーケティングミスである。しかもZAZENの後にはこれまた大人気のBEAT CRUSADERSが控えていたのだ。何十分も前から陣取っていたファンはたまらない憤りを感じたことだろう。自分もZAZENが見たかったのだが結局見ることができなかった。まだ納得できる問題ならまだしも、こんな大きなイベントを主催しているクリエイティブマンが、まさに素人が犯すような凡ミスを起こしてしまったということが非常に残念だった。主催者側には十分反省してもらいたい。

あとはオアシスの機材トラブル。これはまだ仕方のないことかもしれない。それよりも私はギャラガー兄弟の機嫌が悪くなってしまうことが心配だった(笑)。でもやっぱりマリンステージの大トリでこのようなトラブルが起こってしまったことは残念。今後同じようなミスはなくすように徹底してもらいたいと思う。それとマリンステージの音響に大きな不満を感じた。もともと音響は悪いから仕方ないのだが、あそこまで不安定になるのだろうか?レポート中にも書いたが、期待していたMADやスリップノット、オアシスに至っても、音量レベルが小さすぎると感じることが多かった。なんかライブやりながら音量レベルを調整してたように思う。様々なアーティストが出るから難しいとは思うが、そこはプロフェッショナルなのだからレベル調整くらいちゃんとやってもらいたかった。

◆ファンのマナー問題◆

次はオーディエンス側の問題。それは相変わらずマナーの悪いファンが多いということである。各アーティストのライブ前にキャンペーンの人達があれだけ訴えているのにも関わらず、ゴミのポイ捨て、指定の場所以外での喫煙、また、ダイブやモッシュは例年に比べて減ったとは思うがそれでもやってる人は結構目に付いた。周りの迷惑をかえりみず、自分さえよければいい、という低レベルなファンがいる限り、最高のフェスなど作ることはできないと思う。

あと、これは毎年感じていることなのだが、純粋に音楽を楽しむんじゃなくって、音楽をただ盛り上げるための道具としてしか思っていないようなファンがやっぱりいる。特にスリップノットのときなんか、「なんかよくわかんないけど、イェーーイ!」っていう感じのファンが自分の周りには多いように思えた(たまたま私の周りだけなのかもしれないが)。なんか、それって違うだろ、って思う。

「都市型ロックフェス」として6年前に誕生したこのサマーソニック。そもそもこの「都市型」というところがサマソニのメリットであり、デメリットでもあると思う。確かに近くて首都圏に住んでる人は参加しやすいフェスだ。それは非常にありがたい。しかし、簡単に誰でも参加できてしまうというところに問題があるのではないか。わかりやすいのがフジロック。会場は苗場スキー場である。ただ単に音楽で盛り上がれるとか、暴れたいからとか、そういう理由でライブを楽しむ人が、わざわざ苗場までライブを観に行くだろうか?おそらく答えは否である。ライブを見るためにわざわざ高い金出して、交通費も出して、苗場まで行くのは、純粋に音楽を愛している人、もしくは(もちろん良い意味で)音楽バカのどちらかである。逆にサマソニは前述したような場違いな人達も簡単に参加できてしまうのだ。そこが「都市型」の大きな盲点とも言えるのではないだろうか。

いくら偉大なアーティストを呼んでも、いくら多くのボランティアを雇っても、いくらスタッフがゴミをなくそうと訴えても、結局素晴らしいフェスをつくりあげることができるのはオーディエンスだ。参加する人の1人1人が、良いフェスにしようという自覚がない限り、サマソニは一生、最高のフェスとはなりえないだろう。またフジロックを超えることも一生できないだろう(比較しようとすること自体間違っているのかもしれないが)。

フジとの比較という意味では、年齢層の面でも大きな違いがある。サマソニには20代前後の若い人達が中心。フジは30代前後の人達が多いという。やはりサマソニにはまだまだいろんな意味で「子供」なファンが多いということなのだろうか。世代の違いのせいとはあまり思いたくないのだが・・・。

◆SUMMER SONIC '06へ向けて◆

とはいえ、やはりこれだけのラインナップが揃うとまさに夢のようなイベントであることは間違いなくって。残念に思ったことよりも、来て良かったと感じることの方が圧倒的に多かったということだけは付け加えておきたい。

個人的には1日目はDEEP PURPLE、2日目はやっぱりOASISがベストアクトだった。この2バンドのときだけは、本当に純粋に、無心になって音楽を楽しめた気がする。あとはやっぱりMADの神歌。本当に驚いた。小さなハコでしか演奏されない楽曲だと思っていたから。

毎年サマソニが終わると、来年は誰が来るのか、予想するのが楽しくなる。来年はやっぱりJETとアンドリューは必須。あとHIVESも。ヴォーカルのジャスティンが脱退してしまったzebraheadも、多分来年にはヴォーカル決まってるだろうから来れるんじゃないかな?そしてヘッドライナーはU2かBjorkかレッチリあたりで。うーん考えるだけで夢は膨らみます。来年もまたいい夢を見させてください!

では、一緒に楽しんだ皆さんお疲れ様でした。また来年お会いしましょう。

2005.8.15 youhei


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