Ryuichi Sakamoto
Playing The Piano 2009 at 東京国際フォーラムホールC(2009/3/20)
前回のinsenから約4年ぶりとなる世界のサカモト教授。
国際フォーラムホールCは初めて入ったけど、ホールAに比べたら3分の1くらいの狭さで。教授クラスの人がピアノコンサートをやるには最適な空間だった。
18時過ぎ、まもなく開演のアナウンスから、5分くらいかけてじっくりと照明が落ちていく。とともに、水の中にいるような不思議なSEが少しずつ大きくなっていく。
気づくとステージ上には教授がいて、グランドピアノの弦を直接弾いたりして不思議な音色をかなでていく。もうこの時点で教授の動きに目がくぎづけに。
教授にとってはPianoは鍵盤だけじゃないということか。圧巻。
そして1発目からいきなり「to stanford」。その旋律の美しさにため息が出る。さらに「hibari」と、Out of noiseからの選曲が続く。 「composition0919」では、この1曲だけなんと写真撮影OKとのことで、みんな携帯で写メ撮りまくり。なんか、携帯の音もただのnoiseに過ぎないみたいで、淡々と演奏を続ける教授にはまた脱帽。
自動演奏のグランドピアノがもう1台あって、1人連弾状態になっていた曲も数曲あった。
asience、rain、さらにモリコーネの1900というサプライズも含め、bibo no aozora、happy endといった至極の名曲の数々が惜しみなく演奏されていく。
しかも今回のツアーは「方針とか特に決めてなくて、その日の気分によって曲目が変わる」そうで。実際、教授は何十曲もの譜面を1曲1曲選びながら演奏していた。時には譜面を見て鍵盤を弾こうとした瞬間に、首をかしげて「うーん、やっぱ違うのにしよう」って感じで別の曲を選択したりして。
なんかもう、ただひたすら凄すぎて笑った。
ただ、happy endのときに信じられない出来事が起こった。観客の1人が、突然バンバン手拍子を始めたのだ。
もちろん、会場ドン引き。
今まで数多くのライブに参加してきたが、ここまでKYな人は初めて見た。
あと、コンサート中に咳をする人の多いこと多いこと。あそこまで止められないものなのかと。せめて声を押し殺して咳するくらいの気遣いくらいすべき。
また、小さい子供も連れてきた人も2、3人いて、子供の泣き声がたまに聴こえてきたのは残念だった。そもそもそんな小さな子供をピアノコンサートに連れてくる親の気が知れない。非常識にもほどがある。
教授は最高だったが、正直一部のお客さんはかなり最低でした。
それでもそんな雑音にも一切リズムを乱されることなく、文句の1つも言わず最後まで演奏しきった教授にまた惚れ直したりして。ただ、教授が本当に演奏に集中できていたのかどうかは心配だった。
そしてラストは禁断の「aqua」。
自分はいったい何回この曲を聴いただろう。そしてそのたびに自分もこの曲が弾きたくなって、何回鍵盤の前に座っただろう。
思えば今から約10年前、それまで「なんとなく好き」だった教授を、「BTTB」を聴いて「もう、めっちゃ好き!」って思わせてくれたのもこの「aqua」だった。
まさに非日常空間の中で奏でられたピアノコンサートのラストを飾ったこの「aqua」は、一生忘れられないであろう至福のひとときだった。
Ryuichi Sakamoto
Playing The Piano 2009 at 東京国際フォーラムホールC(2009/3/20)
glacier
Improvisation
to stanford
hibari
composition 0919
mizu no naka no bagatelle
asience
amore
A Flower is not a Flower
sweet revenge
normandia
1900
Encore1.
loneliness
the sheltering sky
chanson
bibo no aozora
rain
happyend
Encore2.
parolibre
aqua
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