ROSSO
DIRTY KARAT TOUR at Zepp Tokyo(2005/3/30)
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ついにこの日がやってきた(大げさかもしれないが)。
去年の12月にギリギリでチケット取れてからずーっと楽しみにしていたROSSOである。この日は運良く休暇を取得できたのだが、1週間ほど前にスノボで肘を脱臼してしまい、腕を包帯で吊った状態で参戦することに。ROSSOのライブにそんな状態で来るバカは僕くらいなのかな。いや、でもきっとROSSOファンは脱臼くらいでライブ行かないやつなんかいないでしょう。それくらいみんな熱い思いがあったはず。特に今回はミッシェル解散以来初めてのツアー、そして生チバですから。
予定通り19時ごろ東京テレポートに到着。Zeppに来るのは2年前のSADS以来だった。あのときは凄まじく盛り上がりすぎて一緒に行った友人とともに午前半休を取得したという苦くも楽しい思い出が蘇る。私の整理番号はCの850番台というマジで売り切れ寸前の番号。ほんと取れてラッキーだったと思う。チケットを1枚譲ることになっていたのでファンの人と待ち合わせ。そしたら20歳の学生さんでビックリ。年の差を感じつつ場内で少しダベりながら開演時間を待つ。でも20歳でROSSOとか聞いてる人もいるんだね。最近の20歳前後の人たちってみんな邦楽チャートTOP10を賑わせているような音楽ばかり聴いてるのかと思ったけど、なんか救われた気分でした。
そして19時30分頃、扉を開けていざ場内へ。私は怪我していたせいもあり、一番後ろの方で見ることにした。前に行きたくてたまらなかったのは事実だが、さすがに仕事や生活のことを考えると無茶はできない。でもきっと学生時代だったら無理してでも前に行っただろうな。嬉しいのか悲しいのか、自分も大人になったもんだ。
ちょうど開演時間から15分ほど経過して、携帯の時計を確認した瞬間、照明が落ちてSEが流れ出した。途端に場内が異様な盛り上がりをみせる。きっとみんな自分と同じようにずーっと心待ちにしていたんだ。この瞬間を。その思いが一気に爆発しようとしていた。
薄暗い中、ステージ脇から4人がゆっくりと登場する。もうこの時点でライブは最高潮の盛り上がりをみせるかのような熱気に包まれていた。ファンがそれぞれメンバーの名前を叫ぶ。やはりチバと照井の人気がダントツだった。チバは去年とは打って変わって髪がバッサリ短くなっていた。今でも忘れられない、生涯最高のライブとなった2003年10月の幕張。それ以来のチバ。もちろんミッシェルとは全然違うバンドだってことはわかっているけど。まだ何も声を発していないのに、チバの姿に私は興奮する気持ちを抑えられずにいた。
そしておもむろにサトウがドラムを叩きはじめた。そこへバンドの音が重なる。ものすごい音だ。そこへ凄まじい歓声が重なる。オープニングはまさかのサキソフォン・ベイビー。チバが「SUCK!」を連発するサビで私はもう鳥肌がたちっぱなしだった。そして何よりファンの勢い、盛り上がりがシャレにならないくらい凄まじい。私もただ夢中になって叫びまくる。
これだ。この感覚。この衝撃。
幕張以来忘れかけていた感情が一気に蘇ってくる。
さらに畳み掛けるようにアウトサイダーへ。イントロの時点で自分の血液が沸騰し、頭の血管がプチプチ切れる音が聞こえてしまった。失神しそうな興奮状態に陥る。客席は早くも何人かのファンがダイブ連発。後ろで見ていた私は前に行きたくなる感情と必死に戦っていた。私がいた周りには比較的大人しく聴いているファンが多かったが、私は1人でヘドバン状態。
ヤられたね。このオープニングの2曲でもう完全にヤられちゃったよ。もうどこまでもこの人達について行こうって思った。
続いてはCD化されていない曲ボルサリーノへ。サビの部分でチバが「ボルサリィーノォー」と歌っていた。このメロディは今でもはっきり覚えている。どことなくピアスにも似ている気がした。さらにこちらも未発表曲のWALL。これがすげーカッコ良かった。ラップというか、語りが入っていて、かなり早口で歌詞は聞き取りづらかったんだけど、その、ギターを弾きながら語ってるチバの姿がもうホントカッコ良くて。シトロエンの孤独とかちょっと思い出した。曲調は全然違うけど。
そしてバニラへ。イントロのセッションがこれまたすげーカッコいい。ラストのサビでまたダイバーがいたような気も。続いてシリウス。私はブランコが大好きだったのだがこの日はやってくれず残念。でもそれは次のライブの楽しみに取っておくからいいや。
さらにSweet Jimi。これもCDで聴くより何倍も良かった。ドラキュラがゲロするぜ!って一緒に叫んだ。そしてなんとミッドナイト・コンドルへ。初期ROSSOの曲は多分演奏されないんじゃないかと思ってたから嬉しかった。しかしこの日一番のサプライズと感動は次の瞬間訪れた。
チバがギターをかき鳴らす。とともに場内はこの日一番の大歓声に包まれる。私は頭の中が一瞬真っ白になった。演奏されているのはシャロンだった。サビでは明るい緑色の照明に照らされチバが歌い上げる。客席はダイブの嵐。
他のファンはあんなに盛り上がっているのに、私は一緒に叫びながらも、なぜか泣けてきた。なんか、一瞬ミッシェルが、というかミッシェル時代のチバがそこにいるような気がした。いや、確実にそこにいた。
今のROSSOから見ればミッシェルは子供だったんだと思う。すごい子供だった。2001年とか2002年あたりに作られたシャロンは、その子供から大人へ成長しようとしているミッシェル時代に書かれた曲だったから、この日初めてライブで聴いてたら、なんか、青春時代の懐かしい思い出が蘇ってくるような感覚になった。うまく言えないけどわかるかな。ファンならきっとわかってくれると思うけど。メロディラインも歌詞も凄く切ないし。「冬の星に生まれたら シャロンみたいになれたかな 時々思うよ 時々」って。涙うかべながら夢中で一緒に歌い上げた。この曲はこの日一番の思い出になった。
そしてCHAD IN HELLへ。これはアレンジが凄まじくて、ラストの盛り上がりはまさに鳥肌モノだった。
とにかく感じたのは4人のバンドとしての一体感、そしてグルーヴ感。まだ結成して1年も経ってないのにここまでレベルの高い演奏ができるということ自体に私は驚きを隠せずにいた。
そして曲が終わるとファンの「チバー!」という叫びに対してひとこと。
チバ「なに?」
これがこの日初めてのMC。というかMCと言えるのかどうかわからないが(笑)。そして続けてひとこと。
チバ「楽しもう!」
歓声に包まれ動物パーティーへ。この辺で私はようやく落ち着いてバンドをじっくり見るようになる。サトウはTVで見た通り、すごい猫背でドラムを叩いてた。照井さんはほとんど動かないんだけど、その存在感はやっぱり凄くて、見てるだけで圧倒された。そしてイマイ。この人の周りだけなんか空気が違ってた。裸に革ジャン着て、なんかいつもフラフラしてた。特にチバと照井さんが動かない分、余計そう見えたのかもしれないけど。すげーダサカッコ良くていい感じだった。チバについてはどうこう言うまでもない。
そしてゆったりと聴かせる君の光と僕の影が来たと思ったら、1000のタンバリン、そしてハンドル・ママへ。ここではまたもダイバー続出。1000のタンバリンはイントロだけでドガッ!ドガッ!と鈍器で叩かれるような感覚がもうたまらなかった。それにしても今日はチバがずーーっとギター弾いてた。いつのまにそんなに上手くなったんだって思うくらい弾きまくってた。
続いては未発表曲のTHE LOVE KILLS YOU。後半は盛り上がったまま流れるようにさよならサリーへ。このつなぎがもうカッコ良すぎてシビれた。わかるかな。曲の締めで盛り上げたところで照井さんのベースへつながるこのカッコ良さ。実際ライブで見た人ならわかってくれると思うけど。この日一番シビれた瞬間だった。最後は終わるかと見せかけて、長い長い別アレンジのセッションが繰り広げられる。
演奏が終わると大歓声に包まれてステージを去るメンバー。「もう終わり?」と思って時計を見たらもう1時間30分経過していた。私はまさに時間を忘れるほどライブに夢中になっていた。
そして5分ほどした頃にアンコールで再びメンバー登場。しかしステージに出てきたのはチバ一人のみ。場内は歓声とともにどよめきに包まれる。するとおもむろにアコギでチバが弾き語りを始めた。
「もしも君が 汚い 大人に 騙されたら 僕が助けに行く 僕が助けに行く
もしも君が 汚い 大人に なってたら 僕が助けに行く 助けに行く」
イントロのコード進行がミッシェルのGIRLFRIENDと激似だった、というかキーを1つあげただけだったと思う。だから最初はGIRLFRIENDかと思った。でもこれはGIRLFRIENDに勝るとも劣らない名曲だった。最後は「オレーー!!!!オレーーー!!!」と何度も叫ぶチバ。
ちょっとこの曲は凄すぎた。ハンパじゃなかった。この日一番心に響いた歌だった。これはこの先CD化はされなくていいと思う。ライブでまた聴いてみたい。そんな気持ちになったのは初めてだった。会場のファンもこの曲の素晴らしさに圧倒されたようで、演奏が終った後はこの日一番とも言える大歓声があがっていた。
そして他のメンバー3人が再登場。ラストに演奏されたのは何とRAVENのCherry Bon Bonだった。これでもかと言わんばかりにバンドとしての一体感を見せ付けるメンバー。私はただただ聴き入るのが精一杯だった。
こうして約2時間におよぶライブは終了。
ROSSOはミッシェルともブランキーとも全く違う、もはや別次元のバンドになっていた。
ROSSO
DIRTY KARAT TOUR at Zepp Tokyo(2005/3/30)
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- サキソフォン・ベイビー
- アウトサイダー
- ボルサリーノ(新曲)
- WALL(新曲)
- バニラ
- シリウス
- Sweet Jimi
- ミッドナイト・コンドル
- シャロン
- CHAD IN HELL
- 動物パーティー
- 君の光と僕の影
- 1000のタンバリン
- ハンドル・ママ
- THE LOVE KILLS YOU(新曲)
- さよならサリー
Encore.
- (新曲)
- Cherry Bon Bon
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-おわりに-
変わっていないようで、実は凄く変わってた。レポート本文中にも書いたけど、凄く大人なバンドだなぁってつくづく思った。でも今回のライブではなんか置いてけぼりにされたような感覚になったことも否めない。
多分僕はまだ彼らの本当の良さをわかっていないと思う。ファンの中にもそういう人が多いと思う。最後もあっさりと終っちゃった感が場内に漂ってたし。
なんか彼らは凄く高くて遠いところまで行ってしまった気がする。でもだからこそ追っかけがいがあると言うか・・・。ミッシェルもそうだった。最初は彼らの良さが全然わからなかった。ただ時代に逆行して、古臭いロックを奏でているバンドとしか思っていなかった。でも結局今となっては自分にとって史上最高のバンドになったわけで。
日記でも一生ついて行くって書いたけど、それはそういう意味。彼らがひたすら自分らの道を突き進むなら、僕もその道を信じてみようと。今彼らは僕よりもかなり前の方を進んでるけど、いつか追いついてやるぞと、今日のライブはそういった気持ちにさせられました。
次回はいつになるのかわからないけど、きっと今年中に会えそうな気がするな。可能性が高いのは夏の苗場かな。とにもかくにも、次のライブがとても楽しみにさせられるライブでした。
あと全然余談だけどこの日はYOUが来てたみたい。あの人こういう音楽聴くんだね。ちょっと好感度アップしました。
では一緒に参加した皆さんお疲れ様でした。また次のライブで会いましょう。
2005.4.10 youhei
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