椎名林檎
10周年記念祭 生林檎博'08 at さいたまスーパーアリーナ(2008/11/30)

デビュー10年目にして、念願の初ライヴとなりました。

実は僕、すっごい昔だけど椎名林檎のファンクラブに入ってたことがあって。

歌舞伎町が出た頃に、「なんかすげーやつが出てきたな」と、「ライヴ行ってみたい」って思って勢いでファンクラブに入ったんだけど、渋公とか、ちっちゃい会場でしかライヴやってくれなかったし、ファンクラブの運営も当時はひどかったせいもあって、3年くらいでやめちゃって。

2003年の武道館も、チケットはなんとか取ったけど沖縄旅行とかぶってたことに後で気づいて、泣く泣く手放すことになったりして。

だからオープニングで生の歌声を聴いたときはさすがに感激したなぁ。

しかも最初ステージ上のバンドメンバーは林檎含めて4人しかいなかったんだけど、よくよく見てみたらステージのすぐ目の前に100人以上のフルオーケストラがいて。

バンドスタイルで、ここまで大規模なフルオーケストラと一緒のライヴというのはさすがに僕も生まれて初めての体験でした。

実兄(純平)とのデュエットもあり、実の息子(7歳)によるナレーションもあり、クライマックスでは高円寺阿波踊り協会かなんかの皆さんがまた100人くらいステージ上に出てきて、もうまさにお祭りでした。

パフォーマンスも圧巻で。「浴室」ではステージに用意された台所で包丁持ってリンゴをざくざく切りながら歌ったりして。でも台所に立つ林檎の後姿はなんか色っぽかったり。そういうギャップというか、細かいところの見せ方がうまいなぁって。

前面は真白で後ろは真っ黒なツートンのワンピースみたいな衣装に着替えたときも、なんか彼女の心の光と闇を表しているような気がして。さすがに「生」というだけあって、すべてをさらけだしてた。4万人のファンの前で。

ライヴ行く前から、自分は林檎の何が好きなんだろうなと考えてたけど、ステージをかけずりながら、泣き叫ぶように「罪と罰」を歌う林檎を見てわかった。この”表現力”に惚れたんだって。

歌唱力とかメロディとか歌詞よりも何よりも、観ている人の心に響くかどうかってのは、結局表現力じゃないかって思った。先月のRadioheadを観たときも同じことを感じた。

しかし凄いのは、4万人の前でさ、身も心もすべてさらけ出せるか?って話ですよ。ただ、彼女の楽曲の「17」の歌詞が実話だとすると、彼女はストレンジャーとして孤独な青春時代を送っていたようだけど、今は兄や息子やファンやスタッフといった人たちに支えられてるからこそ、できることなのかもしれない。

実はこの日のライヴで引退しちゃうんじゃないかとか、余計な心配もしたりしてたんだけど、「また近々どこかで会いましょう」って言ってたし、新曲も聴けたので、今後の活動がまた楽しみにさせてくれる、そんな30歳となった母親のライヴでした。

いやー、しかし生「ジャクソン夫人」は最高だった(笑)



椎名林檎
10周年記念祭 生林檎博'08 at さいたまスーパーアリーナ(2008/11/30)

  1. ハツコイ娼女
  2. シドと白昼夢
  3. ここでキスして
  4. 本能
  5. ギャンブル
  6. ギブス
  7. 闇に降る雨
  8. すべりだい
  9. 浴室
  10. 錯乱
  11. 罪と罰
  12. 歌舞伎町の女王
  13. ブラックアウト
  14. 積木遊び
  15. この世の限り
  16. 玉葱のハッピーソング
  17. 夢のあと
  18. 御祭騒ぎ
  19. カリソメ乙女

  20. Encore1.
  21. 正しい街
  22. 幸福論

  23. Encore2.
  24. みかんのかわ
  25. 余興(新曲)

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