相川七瀬
"THE GIG '03" [ID:2] at SHIBUYA-AX (2003/7/1)

2003年下半期最初のライブは相川七瀬。言わずと知れた女性ロックシンガーである。といっても、もうママさんなんですよね・・・信じられませんが。
会場は昨年の大黒摩季公演以来のSHIBUYA-AX。18時過ぎに友人と渋谷駅で待ち合わせ、雨が滴り落ちる中、会場へ。この日はすぐ隣の代々木第一体育館でL'Arc〜en〜Cielのライブがあったため、駅から会場までのファンの人波は多かったように思う。

18時30分を過ぎた頃、AXに到着。既にほとんどの人が会場入りしており、やや後方で見ることに。会場内をざっと見渡してみるが、結構狭い。キャパは1000人ちょっとくらいじゃないだろうか。ファン層は私と同じ年代か、やや若い人たちが多かった。男女比はちょうど5:5くらい。

19時10分頃、照明が落ちてサポートメンバーがステージ上に姿を現すと場内大歓声。3日間という短いツアーだったせいか、熱狂的なファンが多数来てました。そして七瀬コールが沸き起こる中、本人が登場。全身白い衣装でした。そしてオープニングナンバーはなーーんと光と影の迷宮。1stアルバム「Red」のオープニングナンバーだ。これは誰も予想できなかったに違いない。私も初っ端から口あんぐり状態でした。懐かしすぎて感動。

1曲目からいきなりハイなナンバーを持ってくるのもアリだとは思うが、私はどちらかというと今回の七瀬のようにややゆったりめのナンバーから始まるライブが好きだ。そういった点でも凄く嬉しい1曲目でした。

演奏が終わり大歓声に包まれる中、すぐさまサポートギタリストの田村さんにスポットライトが当たる。この時点で私は直感した。そして私の予想は的中した。ワウギターが場内一杯に鳴り響く。トラブルメイカーだ。イントロでいきなりステージ上で花火が大爆発し、場内は大興奮状態へ。このトラブルメイカー、めちゃくちゃカッコ良かったです。ひさびさに聴いたけど、ライブではやっぱり最高に盛り上がる曲ですね。間奏ではもちろん観客全員で「Get Down!!!」。うーん、この曲、バンドでやりたくなってきた(笑)。

続いてはイントロからアクセル全開。midnight blueへ。布袋書き下ろしの曲だ。おそらく本人の曲の中では最速ではないだろうか。早くも息切れ状態の中MCへ。

七瀬「ありがとーう!!みんなゲンキ!?」
観客「(歓声)」
七瀬「やっぱ東京、イチバン盛り上がってるんちゃうのー!?」
観客「(歓声)」
七瀬「今日はファイナルです!とことんやっちゃいますよー。2時間以上帰しませんよー!」
観客「(歓声)」
七瀬「あのね、前の女の子がもうギュウギュウなんよ(笑)。みんなもうちょっと後ろに下がれる?」

ファンを優しく気遣う七瀬。あなたイイ人です。

七瀬「今日は後ろの方の人もみーんな幸せな気持ちになって帰ってね!!」
観客「(歓声)」

続いてはLIKE A HARD RAIN。うっひゃーなつかし(笑)。間奏では「Yeah!!」という掛け合いが何度もあり、これまたライブではすんごい盛り上がる曲。この人はやっぱライブアーティストですね。お客さん乗せるのウマイです。もちろん曲がイイってのもありますけど。

さらになんとアルバム「Paradox」からのナンバーCAT on the Streetへ。「光と影の迷宮」に続く本日の予想外ナンバー第二弾でした(笑)。さらにアルバム「FOXTROT」からHeat of the night。「crimson」からたまんない瞬間Velvet moonと、序盤から飛ばしすぎなんじゃないかと思うくらいアクセル全開なナンバーが連発。そして再びMCへ。

七瀬「ありがとう。」
観客「(拍手&歓声)」

ここでギターのマーティン・フリードマンが小食だという話に。名古屋で串カツを食べたが、マーティンは6本くらいしか食べず、七瀬は10本くらい、マネージャは40本くらい食べたとか。

七瀬「今日は、"ID"のツアーってことで、昔の曲とかも歌ってるんやけど。『光と影の迷宮』とか1枚目のRedの1曲目で、すごく思い入れがあるし、『CAT on the Street』も昔の曲やねんけど・・・そういう、昔の曲とか歌ってると、当時のことがパァーーっと思い出されてきて・・・織田さんと2人で、マンションの1室で歌詞書いたなーとか・・・きっとみんなにも、思い出の曲とかあると思うんね。この曲はきっと、みんなにとっても思い入れの強い曲なんじゃないかと、思います。鳥になれたら。」

タム系のパーカッションの音色が鳴り響く。そこに七瀬のボーカルが加わる。鳥になれたら。学生の頃大好きで聴きまくってましたね。何かに訴えかけるような感情的なギターソロがすげーイイんですよー。ファンの人ならわかってくれると思うんですが。
さらにCryingとバラードナンバーが続く。ハイテンションなナンバーが続いていたが、この時ばかりはじっくり聴き入ってました。

七瀬「ありがとう。」
観客「(拍手&歓声)」
七瀬「鳥になれたらも、Cryingも、私にとっては凄く思い入れのある曲で・・・。デビューして1、2年目の頃は、もう、自分のことだけを考えて歌ってたんやけど、最近はね、周りの聴く人のことを考えて歌うようになってきたんよ。デビュー8年目にしてね、あぁー音楽って1人でやるもんじゃないんだ、って思えるようになったの。」
観客「(拍手&歓声)」
七瀬「だから今は、すごい幸せ(笑)。もちろん曲をつくって、そしてそれを聴いてくれる人がいるからなんだけど。ほんと幸せやなぁーーって。とくに今年は。でも、『Shock of Love』から新曲出してなくって2月にはアルバム出すといって出せなくって・・・まさか自分がね、曲について、こんなに悩むことになろうとは思ってもみなかったんよ。自分がこれからどういう曲を歌っていけばいいのか、ぜんぜんわからなくって・・・今年入ってからずーっと悩んでんねんけど。でも、これはチャンスなんじゃないかって思えてきて。神様がゆっくり考える時間をくれたんだ、って。作りたい曲作ればいいじゃん、って思えて・・・今、レコーディングしてます。秋くらいにはシングル出せるんじゃないかと思うんで。」
観客「(拍手&歓声)」
七瀬「今回、その新曲の中でも私が今、イチバン、愛しいと思っている曲を、みんなに聴いてもらいたいと思います。DAHLIA」

新曲のDAHLIAへ。すごく七瀬らしい曲だった。それをふっきれたように歌う七瀬。しかし感極まったのか、途中思わず涙してしまい、手で顔を覆っていた。思わず見ている側も涙腺が熱くなる。きっとすげー悩んだんだろうなぁ・・・。これからも頑張って良い歌を届けて欲しいです。

そして怒涛の後半戦突入。涙を拭い去りマイクを握る七瀬。SEVEN SEASシュガーベイビーと続き、BREAK OUT!で盛り上がりは最高潮に達する。『BREAK OUT!』はもう最高でしたね。想像してもらえればわかると思いますが、みんなで「BREAK OUT!」を叫ぶのはめちゃくちゃ盛り上がりますよ。
一度聴いたら忘れられないくらい綺麗なメロディラインのNostalgiaは観客全員で歌い上げる。まさに気分爽快。そして本編最後のMCへ。

七瀬「ありがとーう!」
観客「(拍手&歓声)」
七瀬「あっつーい!みんなすごいねー(笑)。ほんと今回のツアーはどこもすごい盛り上がって大変(笑)。えー、最後の曲です!六本木心中。」

大歓声に包まれながら、本編ラストは六本木心中。あっという間にライブは一旦幕を閉じる。

七瀬が手を振ってステージを後にすると、観客はすぐさま「七瀬」コール。

しばらくしてメンバーが再登場すると場内大歓声。そして演奏されたのは恋心。さらに夢見る少女じゃいられないでもうお客さん大変なことになってます(笑)。サビでは七瀬が客席にマイクを向けて全員で「夢見る少女じゃいられなぁい!!」と叫ぶ。
この曲の間奏でメンバー紹介。ドラムに西田竜一、ベースにNATCHIN、ギターに田村直希、そしてキーボードはなんとhide with Spread BeaverやGLAYのサポートでも有名なD.I.E.。さらにさらにギターにはなんとかの有名な元メガデス、マーティンフリードマンという超豪華メンバー。前回の「THE GIG '02」でもドラムに元LUNA SEAの真矢、ギターに元WANDSの柴崎浩という豪華布陣だったらしいが、今回のメンバーもすごい。

そして待ってましたSweet Emotion。イントロではギターの田村さんが「ジャージャッ」で演奏を止め、何度も観客を煽る。間奏から最後のサビへの盛り上がりが素晴らしい。いやーこれは最高でした。この日一番興奮しましたね。

七瀬「ありがとーう!」
観客「(拍手&歓声)」
七瀬「あの、前の女の子がもう、ギュウギュウなんよ(笑)。みんなもう一歩ずつ後ろに下がれる?私はどこにも逃げへんよ!!(笑)」
観客「(歓声)」
七瀬「えー、今回はIDっていう3日間だけの短いツアーやったけど、私の人生の中でまた忘れられないツアーの1つになりました。みんなからもらったパワーを持ち帰って、またいい曲つくってみんなに返して・・・音楽ってそういうもんなんやなって、気がしました。」
観客「(拍手&歓声)」
七瀬「最後はやっぱり、『今でも・・・。』」

もはや彼女のライブでは定番となった今でも・・・。が演奏された。これもぜひライブで聴いてみたかった曲。ステージの端から端まで歩いて何度も手を横に振りながら歌いつづける七瀬。感動のラストになった。

演奏が終わり、メンバー全員がステージ前に集合。一礼すると場内からは大きな拍手が沸き起こる。そして七瀬本人になったところですかさず場内七瀬コール。すると笑顔で七瀬がマイクを持つ。

七瀬「もう、みんな東京の人なのに、大阪の人ノセるのうまいなぁーー(笑)」
観客「(歓声)」
七瀬「まだゲンキあるのーー?!」
観客「(大歓声)」
七瀬「メンバー帰ってきてー!」
観客「(大歓声)」

なんとメンバー再登場。嬉しいことにダブルアンコールが始まった。

七瀬「ロックとバラードどっちがいいー?」
観客「(歓声)」
七瀬「ロックのひとー!」
観客「(歓声)」
七瀬「バラードがいいひとー!
観客「(歓声)」

どっちも同じくらいの歓声があがる(笑)。そしてすかさず客席からは「両方ーーー!!!」という声が。

七瀬「いや、私も終電があるんで(笑)。ふつう大阪とかではロックかバラードかで別れてたんやけど(笑)」

そして七瀬のタイトルコールとともにShock of Loveへ。織田哲郎&大黒摩季の黄金コンビによる曲だ。さらになんとmidnight blue。掟破りの同曲2回演奏。これにはさすがに驚いた。

演奏が終わり、メンバーがステージを去る。そんな中、七瀬はステージ脇からバラの花束を持ってきた。そしてファンへ向かって一本ずつ手渡ししたり投げ入れたり。端から端まで移動してバラを渡し終えたところでステージ中央へ。

七瀬「最後に1曲だけ。『花火が終わる頃』。」

七瀬がアカペラで花火が終わる頃を歌い始める。それにD.I.E.のピアノが重なる。青いステージライトが当たる中、しっとり歌い上げる七瀬。物音ひとつ立てず静まり返って聴き入る場内。私も呆然と彼女の歌声に聴き入っていた。

気が付けば21時30分を回っていた。
会場を出ると雨は上がっており、涼しく心地よい夜風を浴びながら私は家路へ着いた。



相川七瀬
"THE GIG '03" [ID:2] at SHIBUYA-AX (2003/7/1)

  1. 光と影の迷宮
  2. トラブルメイカー
  3. midnight blue
  4. LIKE A HARD RAIN
  5. CAT on the Street
  6. Heat of the night
  7. たまんない瞬間
  8. Velvet moon
  9. 鳥になれたら
  10. Crying
  11. DAHLIA
  12. SEVEN SEAS
  13. シュガーベイビー
  14. BREAK OUT!
  15. Nostalgia
  16. 六本木心中

  17. Encore1.
  18. 恋心
  19. 夢見る少女じゃいられない
  20. Sweet Emotion
  21. 今でも…。

  22. Encore2.
  23. Shock of Love
  24. midnight blue
  25. 花火が終わる頃


-おわりに-

いやーーすっごい良かったです。最近の曲とかあまり知らなかったですけど、昔の曲とかガンガンにやってくれて、一緒に行った友人も初めてだったんですが、しきりに「次も絶対行こう」と言ってましたし。トラブルメイカーとかSweet Emotionとか、学生の頃すげー聴きまくってたんで当時のこと思い返しました。

あとファンの一体感というのも感じられましたね。ちゃんとノるところはノって、バラードとかではじっくり聴き入って。アーティストとファンが音楽を通じてコミュニケーションできている感じが受け取れました。
次回のライブがいつになるかわかりませんが、必ず行くでしょうね。会場はもちろんライブハウス希望。

では、一緒に楽しんだ皆さんお疲れ様でした。また次のツアーで会いましょう。
2003.7.6 youhei


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