Mr.Children
CONCERT TOUR "POP SAURUS" at 横浜スタジアム(2001/9/15)

- はじめに -

意外にも(?)、ミスチルのライヴに行くのは初めてでした。毎年毎年、「今年こそは」と思いながらもチケットが取れず断念。しかし今年はイベンターのファンクラブに入っている友人の知り合いが確実にゲットしてくれたので、ようやく念願の初ライヴを体感することができました。たごっちサンクス。

予想通り、いや、予想以上に驚きと感動の連続でした。曲の素晴らしさはもちろんのことながら、1曲1曲を力一杯歌う桜井氏と、メンバーのパフォーマンスに酔いしれました。そして、後々述べますが、アメリカのテロ事件のことに関して、桜井氏が思いを語ったときは思わずこみ上げるものがありました。

参加している間、こんなにも様々な思いが駆け巡ったライヴは初めてでした。それでは、ライヴレポートをお楽しみください。



JR関内駅に到着したのは午後17時を回っていた。駅前は見渡す限りミスチルファンらしき人ばかり。待ち合わせていた友人達とともに会場へ向かう。電車に乗っている途中、雨が降っていたので天気が心配だったが、会場に着いた頃にはすっかり止んでいた。
駅から歩いて3分もたたないうちに横浜スタジアムに到着。中に入って場内を見渡すと、思っていたほど広くはない印象を受けた。私の席はアリーナC4ブロック。スタジアムクラスで行われるライヴでアリーナ席というのは昨年のB'z LIVE-GYM Pleasure2000以来、生涯2度目だ。再び、たごっちサンクス。

場内には英語のSEが流れている。ステージの上を見渡すと、大きな恐竜の骨がステージの上から覆い被さるようにそびえ立っていた。これがツアータイトルにもなっている"POP SAURUS"なのだろうか。
さらにステージの中央奥、および両脇には大きなスクリーンが設置されていた。

しばらくすると場内のSEが止み、照明が暗くなる。一気に場内からは歓声があがり、オールスタンディング状態になる。
するとスクリーンには「popsaurus mr.children」と書かれたオルゴールが映し出され、「優しい歌」のメロディがオルゴールから流れてきた。その後スクリーンには、アルバム「BOLERO」のジャケットに描かれているひまわり畑とそこに立つ少女の絵が映し出される。さらに映像は切り替わり、火山、宇宙、元素記号、アルバム「深海」のジャケットに描かれている椅子、砂漠、平原で怪しく動く恐竜のようなロボット、アルバム「Q」のジャケットに描かれている宇宙飛行士用ヘルメット4体、近未来都市、、、そして最後は再びアルバム「BOLERO」のジャケットが映し出されたかと思いきや、少女の後ろに広がるひまわり畑にカメラが移動、そこには骨と化した恐竜がゆっくりと歩いていた。

と次の瞬間、ステージ上に桜井氏がフッと姿を現した。無論場内は大歓声に包まれる。しかし桜井氏はすぐにステージ裏の暗闇へと消えていく。

この間だけで約10分ほどはあっただろうか。これから何が始まるんだ?と思わせるようなオープニングだった。Mr.Children CONCERT TOUR "POP SAURUS"の開幕である。

突然ステージ上にスポットライトが当たり、桜井氏がを弾き語りで唄い始めた。しかしAメロからではなく「たとえ全てが散り行く運命であっても」の部分から、オリジナルよりもスローテンポで唄っている。場内からは驚きの混じった歓声があがる。
「負けないように、枯れないように、笑って咲く花になろう」
桜井氏は以前この作品を「最高傑作」と自画自賛していた。「優しい歌 」のカップリングとしてもリメイクされたこの曲をオープニングに持ってきた彼らの真意は、ライヴの中で次第に明らかになっていく。

曲が終わり、拍手と歓声に包まれる中、静かなピアノの音色が・・・。その音が聴こえてきた瞬間、私は耳を疑った。I'll beだ・・・。「おいおいおいマジかよー!!!」と心の中で嬉しい悲鳴をあげたのは言うまでもない(笑)。これは私がミスチルの中で好きな曲ベスト3には入る曲だ。DISCOVERYツアーのDVDを観たときにこの曲を聴いて思わず声を失うほどの感動を受けたのだが、まさかライヴで聴けるとは思ってもみなかった。なぜならば今回のツアーはおそらく7月に発売されたベスト盤からの曲がほとんどを占めるだろうと思っていたからだ(I'll beはベスト盤には未収録)。
「そしていつの日か僕も DEAD DEAD DEAD」。桜井氏の、まるで何かに訴えかけるような痛烈な叫び声がスタジアムに響き渡る。思わず鳥肌が立った。

曲が終わり、場内は拍手に包まれる。いきなりI'll beとは・・・やられちゃいました。僕はこの時点でもうメロメロでした(笑)。

続いては穏やかなイントロ。ラララだ。歌っていると思わず笑顔がこぼれてしまうような曲だ。桜井氏も歌っている間はずーっと優しい笑顔を浮かべていた。「ラ〜ララ〜ラ〜♪」は桜井氏がマイクを場内に向けて観客全員で声をあげて歌う。途中では演奏が止み、観客の歌声だけがスタジアムに響き渡る場面もあった。そんな観客の声を聴いた桜井氏は「サーンキューー!」と声をあげる。

曲が終わりステージが暗くなる。一瞬の静寂。直後、今度はなんと君がいた夏が。彼らのデビュー曲だ。場内からもこの日一番の大歓声があがる。穏やかなメロディながらどこか切ない歌詞が夏の終わりを感じさせる。こうして聴いてみると、昔の彼らの曲は近年のそれよりもとことんポップスしていることがわかる。

そしてこの「君がいた夏」を皮切りに、彼らのデビューから現在に至るまでの軌跡を描いたようなライヴステージが展開されることになる。

続いて流れてきたのはLOVE。3rd Album「versus」からの曲だ。ベスト盤にも収録されているので知っている人も多いだろうが。私も大好きな曲だったため、この日一番の声をあげて最初から最後までずーっと一緒に歌いましたね(笑)。
さらに懐メロは止まらない。続いてはなんと星になれたら。場内からもさきほどの「君がいた夏」のとき以上の大歓声があがる。初期のアルバムに収録されている曲なのにこんなに知名度の高い曲も珍しい。ここ最近聴いていなかったけど、ライヴで聴いて惚れ直しました(笑)。

当然のことだけど、曲をCDで聴くのとライヴで聴くのとでは感じるものがまるで違う。とりわけミスチルの場合はそれを強く感じた。とりあえず、歌が上手い(笑)。プロなんだから当たり前って言えば当たり前なんだけど。あと桜井氏って、どこか人をひきつけるものを人より多く持っている気がする。感情表現が豊かだからなのかな。私はライヴに行くと常に一緒に歌いつづけることが多いのだが、今回のライヴでは、とにかく歌っている最中の桜井氏を観てると声を失って思わず聴き入ってしまうことの方が多かった。

「星になれたら」が終わると、ステージ上が明るくなる。この日最初のMCだ。

桜井「(しばらく会場内を笑いながら無言で見渡す)」
観客「(歓声)」
桜井「えー・・・、この会場は、いろんな人がいますねー。子供連れや、なんか、矢沢の栄ちゃんや長渕みたいな人もいて(笑)」
観客「(笑)」

するといいタイミングで会場内から男性の「桜井ーーー!!!」という図太い歓声が(笑)。思わず桜井さんも場内からも笑いがこぼれる。穏やかな雰囲気の中、MCは続く。

桜井「えっと、もう、デビューして9年になるんですけど・・・」
観客「(拍手喝采)」
桜井「まぁ、ミスターチルドレンは、実績もありますんで・・・(笑)」
観客「(拍手喝采)」
桜井「・・・すいません(笑)」
観客「(笑)」
桜井「僕も、もう少し年をとって、髪の毛も後退してきたら、もうちょっと男っぽい曲を作ってみようと思いますけど・・・いいのかなこんなこと言って(笑)。」
観客「(笑)」
桜井「そういえば今日はなんか雑誌記者の人達がたくさん来てるらしいんですよ。えー・・・、載せないでください(笑)」
観客「(笑)」
桜井「まぁいいか、言いたいことが言えなくなっちゃう(笑)。何が言いたかったっていうと、まぁ、ほんといろんな人がね、カップルとか子供連れの人とか、その・・とても幅広い年齢層の人達が来てくれてますね。あのー、無理に、周りに歩調を合わせる必要はないので、今日はみなさん自由な気持ちで、楽しんでいってください。カップルは拍手する時間が惜しかったらずっと手つないでいればいいし(笑)」
観客「(笑)」
桜井「もし、隣の客が大きな声で歌っててうるさかったら、そーっと、かかとで足を踏んでもいいですから(笑)」
観客「(笑)」
桜井「今日は最後まで思いっきり楽しんでいってください。」
観客「(歓声)」

桜井氏の何とも穏やかな人間味溢れるMCだった。
ステージが暗くなりしばらくすると、静かなアコギの音色が聴こえてきた。それはなんと・・・車の中で隠れてキスをしようだった。アルバム「versus」からの曲でベスト盤には収録されていない。メロディが何とも切なく、聴く者の胸を打つ曲だ。場内はさっきまでの盛り上がりがウソのように静まりかえり、桜井氏の歌声に聴き入っていた。
曲が終わって拍手があがり、その後再び物音ひとつしない静寂。そんな中、聴こえてきた曲は抱きしめたい。無論場内からは大歓声があがる。しかし「車の中で〜」の後にさらに「抱きしめたい」なんて歌われたら女だったらメロメロなんだろうな(笑)。まぁ男の僕でもメロメロになっていたという噂もあるがそれはとりあえず置いておこう。

演奏が終わり場内が大歓声に包まれるとともに、今度はスクリーンに何やら歯車のような機械の映像が映し出された。これはもしかして・・・。
間もなく、聴き覚えのあるシャッターのような音が。Printingだ。「Atomic Heart」のオープニングに収録されている曲(というよりは効果音のようなものだが)で、場内からも驚きの混じった歓声があがる。そしてこれに続く曲と言えば、あの曲しかない。そう思った次の瞬間、心地良いエレキギターの音色が響く。Dance Dance Danceだ。否応なしに場内は盛り上がる。メンバーもステージ上を駆け回り、さらに観客を煽り立てる。いつしか桜井氏は着ていたシャツを脱ぎ捨て、Tシャツ姿になっていた。

そしてさらに「Atomic Heart」ワールドが続く。続いてはなんとRound Aboutが流れてきた。懐かしさと驚きのあまり私は思わず声を上げた。しかし真の驚きはこの直後に訪れることになる。

Round Abountが終わると、スクリーンには何と深海のジャケット映像が。まさか・・・?と思っていたら、何とDiveが流れてきた。さらにシーラカンスへと曲は続く。この時私は驚きのあまり声も出ずに放心状態になっていた(笑)。「深海」は私にとってミスチルの中でベストアルバムであり、特別な一枚だからだ。そしてシーラカンスを聴いている間、私は次の曲のことが気になっていた。アルバムの曲順から考えると、次に来るのは「手紙」・・・。しかし今の状態で手紙なんか歌われたら泣くぞ、と思っていたら・・・あーあ、やっちゃったよ(笑)。手紙。まさか今回のライヴで聴けるなんて誰が思っただろうか。ぶっちゃけ、泣きましたよわたくし。ええ、ちょこっとだけ。最高に悲しい歌だけど、でも、生で聴けて最高に嬉しかった。

「手紙」の余韻に浸っている間もなくライヴは続く。続いてはマシンガンをぶっ放せ。スクリーンには兵隊がマシンガンや大砲をぶっ放すアニメーションが流れていた。この映像に関してはアメリカのテロ事件を思わせるということで賛否両論あるようだが、私はあれはあれで良かったと思う。あの歌の本当に伝えたいことが痛々しさと共に伝わってきた。
また途中でサビの歌詞部分がスクリーンに大きく映し出される。私はもちろん声をあげて一緒に歌っていた。

そして続いてはニシエヒガシエ。1番はオリジナルとはかなり違ったアレンジになっており、ほとんど桜井氏のギターだけで演奏されていた。2番以降はほぼオリジナルと同じだったように思う。スクリーンにはCGで描かれた「東、西、南、北」の文字が順々に映し出される。ステージ上では端から端までメンバーが走り回り、相当な盛り上がりを見せていた。さらにそのまま光の射す方へ。いやはや素晴らしい選曲だ(笑)。サビでは桜井氏が会場へマイクを向け、観客全員で「光の射す方へ〜♪」と歌う。ラストはいつまでも続きそうなほどサビを繰り返す。さらに曲の終わりでは花火も吹き上がり、場内からは大歓声があがる。

最高の盛り上がりを迎えたところで一転、再び静かに深海の中を、半身骨になっているシーラカンスが泳いでいる映像がスクリーンに映し出される。そして静かに、深海が流れてきた。穏やかな曲ながらラストは大きな盛り上がりを見せる。「連れ戻してくれないか 僕を 僕も」と叫ぶように歌う桜井氏の表情は今でも目に焼き付いている。

演奏が終わり、拍手と歓声に包まれたと思いきや、息つく間もなくTomorrow never knowsが始まった。イントロからそのメロディの素晴らしさにため息が出る。サビの「oh oh」の部分では会場全員で歌声を上げていた(私は最初から最後まで全部歌ってましたけど・笑)。
そして演奏が終わるとすぐにHallelujahへ。サビの部分がアカペラで歌われ、その後イントロへと繋がっていった。スクリーンにはキレイなステンドグラスの映像が映し出されている。そしてラストはこれでもかというくらい、「ハレルヤ」の大合唱。そのまましばらくオルガンの音色に乗せて歌っていると、その「ハレルヤ」のメロディにかぶせるように、桜井氏が「負けないように 枯れないように」と、「花」のフレーズを歌い始めた。観客は「ハレルヤ」を歌い、桜井氏が「花」を歌う。そのやりとりがしばらく続いた後、バンドの演奏もいつのまにか自然にへ切り替わっていた。オープニングとは違い、今度は最初から演奏されている。オリジナルバージョンではなく、「優しい歌」のカップリングバージョンだった。そしてサビに差し掛かると、ステージを覆い被さるようにセットされていた大きな骨の恐竜の口がぱっくりと開いたと思ったら、それは大きな花だった。「ラララ・・・」では場内一斉に歌声を上げ、「心の中に永遠なる花を咲かそう」の部分ではスクリーンに大きな何本ものバラが花を咲かせる映像が映し出されていた。素晴らしい演奏と歌声と演出に私は思わずため息が出た。

演奏が終わるとステージが明るくなる。大歓声の中、メンバーは観客に手を振りながらステージを去った。
「花」に始まり、「花」に終わるライヴが一旦幕を閉じる。

場内はアンコールの拍手に包まれる中、5分以上経過。すると突然ステージが明るくなり、再びステージ上にメンバーが姿を現した。桜井氏が叫ぶ。

桜井「横浜サンキューーー!!」
観客「(歓声)」
桜井「さァ飛ばして行くぞーー!!」
観客「(歓声)」
桜井「準備はいいかーーい!!?」
観客「(歓声)」

まだまだ行くぞと言わんばかりに観客を煽り立てる桜井氏。そして異様な盛り上がり様のまま、everybody goesへ。メンバーもイントロからステージ上を走り回る。私は先日バンドの練習でドラム叩いた曲だったので思わずドラムに聴き入ってしまう場面も(笑)。
そして2番のサビを歌い終えたところで曲はテクノ、ユーロビートっぽいアレンジになり、「ドン、ドン」と、リズムだけが刻まれていく。メンバー紹介へ。桜井氏が一人一人メンバー紹介を行う。そのたびにスクリーンにはメンバーの名前が大きく映し出される。

桜井「ドラムス、鈴木英哉!」

するとピタッと演奏が止まり、JEN(鈴木英哉のあだ名)が裏声のような声で突然叫ぶ。

鈴木「今日は皆さんに告白したいことがあります!!」
観客「(笑&歓声)」

場内は「何?何?」というどよめきに包まれる。再び演奏が始まり、しばらくしてJENが叫んだ。

鈴木「ずっと前から君のことが※▲◇?÷∞!!!?」

何かを叫んでいるのだが、何を言っているのかよく聞きとることができない(笑)。しばらくすると今度は桜井氏が叫ぶ。

桜井「気にせず行くぞーーー!!(笑)」
観客「(爆笑)」

一体JENは何が言いたかったのだろう・・・。そしてそんな彼を誰も気に止めることなくライヴは進んでいく(笑)。

桜井「ベース、中川敬輔!」

さきほどのJENのメンバー紹介がウケたのか、中川氏は終始笑いながらベースを弾いていた。

桜井「キーボード、SUNNY!」

一見、小林武史氏のような風貌のSUNNY。綺麗なシンセの音色を奏でてくれた。

桜井「キーボード、浦清英!」

5年以上前のツアーからおなじみの浦氏。今日は黒いサングラスをかけていた。オルガンの音を心地よさそうに場内に響かせる。

桜井「ギター、溝口修二!」

ロックよりもポップスが似合うギタリスト。テクニックあるギターソロを弾いていた。

桜井「ギター、田原健一!」

メンバー紹介の中でも一番の歓声があがる。それにしてもこの人はジャカジャカ弾きが似合うなぁ(笑)。
そしてここからeverybody goesの間奏部分へと突入していく。

最後に、スクリーンに「VOCAL 桜井和寿」の名前が映し出されると無論場内は大歓声。それに応えるかのようにeverybody goesのギターソロをカッコ良く弾く桜井氏。曲のラストではまたしても花火が打ちあがり場内は大興奮状態に。そしてライヴはクライマックスの時を迎える。

続いてはイントロが聴こえた瞬間から大歓声。Innocent Worldだ。懐かしい。
さらにこの曲では1番は桜井氏は全く歌わず、なんと観客達だけの声が響き渡る。1番のサビを歌い終えたところで桜井氏が「サーンキューーー!」と叫ぶ。場内は大歓声に包まれる。言うまでもないが改めてライヴで聴くとこの曲の素晴らしさがよくわかった。

演奏が終わり、もう終わりかな?と思ってステージ上の様子をうかがうと、嬉しいことにまだ演奏してくれる気配が。そしてJENがステージ前に出てきて、拳を思いっきり突き上げる。それに観客も応える。それを見て調子に乗ったのかJENは何度も何度も拳を突き上げる。ほんといいキャラしてますこの人(笑)。
そして何とよく見るとJENがマイクスタンドの前に立っている。まさかJENが歌うのか?と、場内はどよめきに包まれている中、桜井氏が静かに口を開く。

桜井「えー、最近は、レコーディングしてます。」
観客「(歓声)」
桜井「もうシングルで出ることは決まってるんですけど。」
観客「(歓声)」
桜井「で、カップリングを作ったんですけど、それがすごくいい曲で、シングルにしたくなっちゃって(笑)」
観客「(歓声)」
桜井「それでまたカップリングを作ってるんですよ(笑)。何て言うか、こう・・・プレッシャーを、感じないのかな。リラックスした状態で作るから自然といい曲ができるのかもしれない。」
観客「(歓声)」
桜井「次に唄う曲も、カップリングの曲です。あのー、さっきの、イノセントワールドとかは皆で歌えたけど・・・これは聴くだけで精一杯だろうなぁー(笑)。」

観客からは「え?何?なんの曲だろう?」というどよめきに包まれる。

桜井「とても大好きな曲なんで、ミスターチルドレン4人で、やります。」

よく見るとステージ上からはサポートメンバーの姿が消え、ミスチルのメンバー4人だけになっていた。桜井氏の横でJENがマイクスタンドの前に立っているのを見て私は「雨のち晴れ」かなと思っていたが、予想は外れた。聴こえてきた曲は何と独り言。「光の射す方へ」のカップリングだった。場内からは驚きの歓声が上がる。私も久しぶりに聴いたが、何て切ない曲だろう。涼しい秋風に打たれながら私は曲に酔いしれた。

演奏が終わると場内は拍手と歓声に包まれる。まだ、アンコールは終わらない。
そして、桜井氏の最後のMC。それは例の事件のことだった。

桜井「先日、レコーディングブースにいたとき、僕はちょうどギターダビングをしてて、ブースから出てきてテレビを観たら、凄い映像が映っていて・・・あのアメリカが、僕も何度もレコーディングで訪れているニューヨークが、あんなことになって・・・何とも言えない気持ちに、なりました。・・・だからというわけではないですけど、今、こうして、皆と楽しい時間を過ごしていることを、とても幸せに思います。・・・最後の曲は、全ての、人々の・・・幸せを、願って。」

何とも言えない雰囲気と拍手、歓声に包まれながら、優しい歌へ。イントロのアコーディオンの音色がこの時ほど切なく感じたことはないだろう。
スクリーンには歌詞が全て映し出された。私はもちろん全て桜井氏と一緒に歌い上げた。この桜井氏の魂の歌、ぜひともアメリカまで届いて欲しい。

演奏が終わった。大歓声と拍手に包まれてメンバーが全員ステージ中央に並ぶ。

桜井「どうもありがとう。今日は、雨も降らなくてよかった。ほんとに、今日は最高に楽しかったです。どうもありがとーう!!」

最高の笑顔でそう語ってくれた桜井氏。そしてメンバー全員頭を下げる。それに観客は歓声と拍手で応えていた。気づけばスクリーンにはオープニングの時に映し出されていた「BOLERO」のひまわり畑に骨だけの恐竜が映し出されていた。
骨だけだったが、その恐竜の表情は、どこか幸せそうであった。



Mr.Children
CONCERT TOUR "POP SAURUS" at 横浜スタジアム(2001/9/15)

  1. -弾き語り-
  2. I'll be
  3. ラララ
  4. 君がいた夏
  5. LOVE
  6. 星になれたら
  7. 車の中で隠れてキスをしよう
  8. 抱きしめたい
  9. Printing
  10. Dance Dance Dance
  11. Round About -孤独の肖像-
  12. Dive
  13. シーラカンス
  14. 手紙
  15. マシンガンをぶっ放せ
  16. ニシエヒガシエ
  17. 光の射す方へ
  18. 深海
  19. Tomorrow never knows
  20. Hallelujah

  21. Encore.
  22. everybody goes -秩序のない現代にドロップキック-
  23. Innocent World
  24. 独り言
  25. 優しい歌


-最後に-

ライヴが終わった後、スクリーンにエンドロールが流れていました。その間、私は席についたまま放心状態(笑)。私にとって初のミスチルライヴ、あまりに感じるものが多すぎて、正直疲れました。でもそれ以上に得た感動は大きく、また、何度でも来たいと思いましたね。

今までライヴビデオやTVでしか観たことがなかったのですが、今回生で彼らのパフォーマンスを体感して改めて彼らが築き上げてきたものの偉大さとパワーをひしひし感じることができたのが最大の収穫でした。とにかく、レポート読んでもらえればわかりますけど、選曲が素晴らしかった。1曲1曲が驚きと感動の連続で・・・「I'll be」と「手紙」を演奏されたときはほんと、どうしようかと思いましたよ(笑)。

まさに現代の"POP SAURUS"と化したMr.Children。今後の彼らの活動が楽しみで仕方ないです。
最後に、一緒にライヴを楽しんだ皆さん、お疲れ様でした。また近いうちにライヴでお会いしましょう。
2001.9.16 Y.Tanaka


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