FUJI ROCK FESTIVAL '10 -Day 3- (2010/8/1)

いつの間にか最終日を迎えてしまったという感じ。

大本命はもちろん、歴史的なステージになるであろうAtoms For Peace。世界中が注目するステージが待っていると思うと、朝から気分が高揚せずにはいられなかった。

まずはグリーンでアジカン。初めて見たけど、初期の曲とかたくさんやって盛り上がった。朝の一発目にこういうバンドはいいですね。

その後はまたヘヴンへ行き、Sunday Morning Jamを見て、その後オレンジコートの伊藤ふみおへ。


ふみおさんはKEMURIが解散してから初めて見たけど、相変わらずPMAなライヴで最高だった。途中ちょっと抜けてヘヴンのMOUNTAIN MOCHA KILIMANJAROも見たけど、こっちも良くって、ふみおさんに戻るのを少し躊躇してしまったくらい。

その後はお昼も兼ねてジプシー横の広場でスムージーとか食べながら1時間近くまったり過ごす。


大自然と一体となった会場は歩いたり休んだりするだけでも飽きない。川で水遊びする人たちもたくさん。


その後はグリーンに戻り、VAMPIRE WEEKEND。CDで聴くよりライブの方が何倍も良かった。まだ若いのに、大物を思わせるような堂々としたステージ。あっぱれでした。


そして今日のお目当て第一弾。世界が誇る日本代表、ブンブンサテライツがグリーンに初登場。ブンブンは2年前のサマソニ以来だったけど、Morning After、Easy Action、Kick it outといった過去の楽曲たちが見事なまでに進化していて鳥肌が立った。

Back on my feetもライブで初めて聴いたけどあまりに衝撃的すぎて記憶も吹っ飛ぶほど。


atoms for peaceの前というプレッシャーのかかる時間にも関わらず、堂々とブンブンらしさを見せつけてくれた。3日目のグリーンステージが最高の思い出になったのはブンブンがいたからだと思う。


ブンブンのステージが終わると、すぐに場内アナウンス。多くのお客さんが来るため、椅子に座ってる人は立ってくださいとのこと。

いよいよその時が近づいてきた。

今年のフジは3日間通して、この3日目が最高の動員数だった。それはもちろん、Atoms for peace目当ての人がどれだけいたかを示している。

毎年フジへの登場を期待されながら、トムヨークがそのステージに立つことは今まで一度もなかった。それが、フジロック14年の歴史にして、初めてトムが苗場の地に降り立つ瞬間がやってきたのである。しかも盟友であるフリー、ゴドリッチらを連れて。

会場はあっと言う間に人ごみの山で埋め尽くされていく。


そして19時10分。みんな、この瞬間を待っていた。トムヨークがついに姿を現した。


この日のトムはなんとタンクトップにバンダナ。その姿がスクリーンに映し出されても、一瞬トムかどうかわからなかったほど。悲鳴や叫び声など、声にならない声で歓声をあげるオーディエンス。まだ何も音が鳴らされていないのに、彼がステージにいるだけで心が震えて金縛りにあったような感覚になった。

ピアノでThe Eraserのイントロが鳴ると、場内のボルテージは一気に最高潮に達する。そして苗場の夜空に響き渡るトムの歌声。


AFPのステージを見る上で僕がポイントだと思っていたのは、あのThe Eraserの楽曲たちが一体どのようにライブで演奏されるのかということだった。ライブで演奏できるような楽曲とは思えなかったからだ。

しかしその陳腐な予想は見事に打ち砕かれた。バンドとして見事に完成されつくした音が鳴らされていく。これはやはりひとえにゴドリッチのプロデューサーとしての手腕の賜物だと思う。


The Eraserのラストはフリーとトムがまるでレッチリのようなジャムセッションを繰り広げる。

あまりに凄すぎて言葉にならなかった。

そして、歴史的な瞬間の目撃者になっていることなど頭にはなく、ただただ、この瞬間をこの場で過ごせていることに感謝するばかりだった。


その後もThe Eraserから全曲そのまま演奏され、アンコールではRadioheadの楽曲からI might be wrong、そしてVideotapeまでもがトムのソロで演奏された。

トムは日本語も上手になってて、いろんな日本語をしゃべってくれた。トムダンスも幾度となく披露してくれた。これを書いている今も、楽しそうに踊るトムの姿が焼き付いて離れない。

atoms for peaceのステージは、私が今まで見てきたライブの常識すら根本から覆すほどの衝撃的で感動的なステージだった。フジに来てよかったと、心から思えた幸せな時間でした。

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Atoms For Peace セットリスト(2010/8/1 @Green Stage)

1. The Eraser
2. Analyse
3. The Clock
4. Black Swan
5. Skip Divided
6. Atoms For Peace
7. And It Rained All Night
8. Harrowdown Hill
9. Cymbal Rush
Encore1.
10. I Might Be Wrong
11. Give Up The Ghost
12. Videotape
Encore2.
13. Paperbag Writer
14. Judge, Jury and Executioner
15. Hollow Earth
16. Feeling Pulled Apart By Horses
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その後マッシヴアタックを見ていたら再び雨が降ってきたためレッドマーキーで雨宿り。外からはカジヒデキのライブが聞こえてくる。腹も減ったので黒カレー食べたけど、店員の子がめちゃ可愛くて。あんな子、妹に欲しかったなー、なんて。それもいい思い出。

そして23時40分。グリーンステージではクロージングアクトのシザーシスターズが始まった。このステージもまた、私にとっては一生忘れられないであろう素晴らしい時間になった。


日曜の夜23時40分スタートのステージ。翌日仕事がある人だってたくさんいるはずなのに、グリーンステージは何万人もの観客で埋め尽くされた。

それはシザーシスターズだけでなく、フジロッカーズのみんなが作り出した美しい光景だった。降りしきる雨の中、「夢のような時間が終わってしまう」という寂しさ、切なさに加え、シザーシスターズのエンターテインメントロックンロールショーが見事なまでにライブの一体感を作り上げていく。昨日のことや明日のことなど誰も考えていなかった。ただひたすら、今、この瞬間を楽しもうという気持ちがこれでもかと伝わってきて、感動せずにはいられなかった。


・・・今思い返しても、自分は、なんて素晴らしい空間にいたんだろうと、なんて素晴らしい時間を過ごせたんだろうと思う。

それくらい感じるものが多すぎて、今もフジロック後遺症に悩まされています。

でもそんな気持ちになれたのは、あの会場、アーティストだけではなくって、やっぱり一緒に楽しんだフジロッカーズの皆さんのおかげだと思う。音楽を愛してやまない人たちが作り出す空間は、本当に涙が出るくらい美しいものでした。

一緒に楽しんだすべてのフジロッカーズの皆さんに心から感謝します。 本当にありがとうございました。

2010.10.10 youhei


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