B'z
LIVE-GYM 2002 "GREEN" 〜GO★FIGHT★WIN〜 at 横浜国際総合競技場(2002.8.30)

横浜国際と言えば3年前の1999年8月29日、雨のBrotherhoodツアーを思い出す。JR小机駅から会場へ向かう道を歩いているときも、「3年前も同じ道を通ったなぁ・・・」と思い出に耽ったりして(笑)。
この日は仕事があったため会場に到着したのはちょうど開演時間の18時30分頃。flowerのオープニングアクトが見れなかったのがちょっと心残りでした。

今回の座席はスタンドN-15。奇しくも3年前とほとんど変わらない位置だった(笑)。席に座って場内を見渡すと会場の広さに思わずため息が出る。ステージ上には人の形をした大きなロボットが10体ほど、またステージ右、左にはそれぞれ大型スクリーンが設置されていた。また、ちょうどステージの反対側、アリーナの最後方のあたりにもうひとつステージセットらしきものが準備されており、私は「ひょっとしてあそこに・・・」と期待を膨らませながら開演を待つ。

18時50分頃だろうか。突然場内の照明が落ち、SEが流れ始めた。場内からは歓声があがり、たちまち総立ちになる。スクリーンには黄色と青を基調としたCGが流れている。そしてそれは突然訪れた。

突如爆音とともにステージが明るくなりB'zが登場。無論場内からは大歓声があがる。オープニングナンバーはGO★FIGHT★WIN。ニューアルバム「GREEN」のラストを飾るナンバー。毎年のことながら驚かされる選曲だ。そしてこの時の稲葉の表情が何とも忘れられない。特に暴れるわけでもなく、ゆっくりと登場してきたのだが、アゴをやや上にし、口は真一文字、そしてやや細目でこの横浜国際という大会場内を見下ろすような悠然たる表情。ゾクゾク来るほどカッコ良かった。今年もこの人は私の中で抱かれたい男ランキングぶっちぎり第一位ですね(お前オトコじゃねーかというツッコミはナシでお願いします)。
ワールドカップコンサートで聴いた時はまだアルバム発売前だったこともあり個人的にイマイチ乗れなかったが、今回はさすがにアルバム聴きまくって行ったのでもちろん「Go!Go!」やりまくりました(笑)。

あっという間に演奏が終わると息つく間もなく稲葉が叫ぶ。「STAY GREEN!!」
イントロのコーラスをカットした形でSTAY GREENが始まった。GO★FIGHT★WINとは逆にアルバム「GREEN」のオープニングナンバーだ。
今回のアルバムおよびツアータイトルの「GREEN」とは「蒼い」とか「未熟」という意味だそうだ。それに関しては後ほど稲葉の口から明らかにされることになる。

演奏が終わると歓声とともにステージが一旦暗くなる。そしてしばらくしてステージに照明が灯った。お待ちかねのMCだ。

稲葉「B'zの・・・・・・・B'zの・・・・」
観客「(歓声)」
稲葉「B'zの・・・・・・・・・・・?」

・・・とここで稲葉がふと何かを忘れたかのように首をかしげる。「あれ、俺、何て言おうとしてたんだっけ?」と言わんばかりに。そして稲葉はトコトコとベースのビリーシーンのもとへ歩いていき、ビリーに耳打ちされてセリフを教えてもらっていた。無論、LIVE-GYMの常連客からは笑いが起こる。毎年のことながら、ここの演出は笑わせてくれる。そしてやはり叫んでくれたのはこのセリフ。

稲葉「B'zの・・・・・・・B'zの・・・・・・・」
観客「(歓声)」
稲葉「B'zのライヴジムにようこそーーーーー!!!」
観客「(歓声)」

稲葉の叫びが終わると同時にZEROが始まった。オリジナルバージョンではなく「ヘイ!ヘイ!」という稲葉の叫びから始まる恒例のライブバージョンだ。イントロでいつも「FUCK YOU!!!!!」と叫んでるところを今回は「ヨコハマーーーーー!!!」と叫んでくれた。一気に会場のボルテージが上がる。
私は毎年この「B'zのライヴジムへようこそ」の直後の曲を個人的に非常に楽しみにしているが、今年はZERO。文句なしの選曲だ。もはや恒例となった松本のドリルパフォーマンスは何度見ても鳥肌が立つほどカッコイイ。

続いてはlove me,I love you。ここ(4曲目)でlove me〜を持ってくる展開は2年前のPleasureと全く同じ。思わずあの時の千葉マリンを思い出してしまった(笑)。

演奏が終わると今度はWarpのイントロが流れてきた。アルバム「GREEN」の中でもポップでかつインパクトのあるナンバーだ。私も初めて「GREEN」を聴いたときは「これアルバムの中で一番いい曲だな」と素直に感じたのを思い出す。

Warpが終わるとステージが明るくなり、歓声があがる。稲葉のMCだ。

稲葉「こんばんはー!」
観客「(歓声)」
稲葉「元気でしたかー!」
観客「(歓声)」
稲葉「元気でしたかーーーー!!!」
観客「(歓声)」
稲葉「えー、久しぶりに、この、ヨコハマ、国際総合競技場に、帰ってまいりました。」
観客「(歓声)」
稲葉「今日は天気にも恵まれ、(空を指差し)月が・・・月が・・・見えないな。」
観客「(笑)」
稲葉「えー、今日は懐かしい曲とか、みんなが嫌いな曲とかも(笑)やっていこうと思ってます。えー、もう夏休みも終わりですけど、最高の夏にするように、今日はみなさん、思いっきり、歌って、踊って、叫んで、メチャメチャになって、最後まで楽しんでいってください。」
観客「(歓声)」

するとビリーがベースを刻み始めた。それにメンバーが音を重ねていき、稲葉はマラカスを振る。いつのまにかステージ両脇のスクリーンには水着姿の女性の絵が映し出されていた。まさかとは思ったが・・・なんと太陽のKomachi Angelが始まった。
私の記憶が確かならばこの曲は'95年の"BUZZ!!"ツアー以来ライブで演奏されていなかったはず。今回のアルバムはB'zにしては珍しく夏を感じさせるアルバムだったので、冷静に考えてみればこの選曲は合点がいく。しかし私はまさかライブで聴けるとは思ってもみなかったので、思わず嬉しい悲鳴をあげた。サビではもちろん観客全員手をあげて「Yeah!Yeah!」と歌う。さらに曲のラストでは稲葉が両手を大きく上げて「Push!Push!」を連呼し、ステージ上を端から端へ駆け回っていた。

続いては待ってましたSURFIN' 3000GTR。アリーナ席にブルーの照明が当たり綺麗だったのを覚えている。ラストのサビでは稲葉が波が映し出されたスクリーン前に立ったかと思うと、足元にあったボードとともにゆっくりと上昇。稲葉が波乗りする姿を観れるなんて。しかもその姿がまた妙にかわいい(笑)。また、ラストでまっちゃんのギターの音とともにステージ左から右に向かって花火がドミノ状に発射。思わず歓声が沸きあがった。

演奏が終わるとステージが一旦暗くなる。しばらくするとステージが明るくなるとともに、アコギを手に稲葉が姿を現した。それはちょうど3年前、同じ会場で「Easy Come,Easy Go!」が演奏されたときの光景と似ていた。稲葉のMC。

稲葉「えー、空は青くないけど(笑)、ここらでちょっと、Blue Sunshineという曲を聴いてください。」

歓声とともにBlue Sunshineが始まった。さきほどのSURFIN〜と同じく夏を感じさせる爽やかな曲だ。稲葉はアコギを弾きながらステージ中央から一歩も動かず歌っていたのが印象的だった。

Blue Sunshineが終わると今度はまっちゃんがステージ中央に立っていた。お待ちかねのソロコーナーだ。そしてこの日はなんと珍しくまっちゃん本人のMCが。

松本「こんばんは、松本孝弘です。」
観客「(歓声)」

まっちゃんのMCは本当に珍しいので観客も驚きの色を隠せない。一声発しただけで思わず歓声があがる。

松本「えー、今日はこの、横浜国際総合競技場という大きな会場で演奏できて光栄です。こんな大きな会場にこれだけの人を集められたのも、まあひとえに俺の才能のおかげかな。」
観客「(笑&歓声)」
松本「んなわけないじゃん(笑)」
観客「(笑)」
松本「でも、こうやって毎年のように会場に足を運んでくれて、そして、自分達の音楽が本当に好きで、愛してくれて、いつも聴いてくれているファンの皆さんには感謝しています。本当にどうもありがとう。」
観客「(拍手&歓声)」
松本「そして・・・コイツ。」

そう言ってギターを持ち上げるまっちゃん。MCは続く。

松本「カッコイイだろ?(笑)」
観客「(歓声)」
松本「コイツにも感謝してます。もう何年の付き合いにもなるけど、未だに言うこときいてくれなかったり、うまく弾けない事もたくさんあって・・・まだまだ俺も蒼いなーって思うときもあります。でもたまに言うこと聞くときもあって、そのときはすごく気持ちよく弾ける。このギターが無ければ、今日この場に立っていることも無かっただろうし、これからもずっと、コイツ(ギター)と一緒に、曲を作っていきます。」
観客「(拍手&歓声)」
松本「皆さんこれからも暖かい目で(笑)見守ってやってください。それでは、2月にインストゥルメンタルのアルバムを出したんですが、その中から「恋歌」という曲を、聴いてください。」

Mステに出演したときも演奏した恋歌が始まった。ステージ上には龍の絵が映し出され、会場のスクリーンにはPVが流れ出す。思わずため息が出てしまうくらいうっとりするような演奏だった・・・。
演奏が終わると松本の口から意外な一言が。

松本「どうもありがとう。えー、とても気持ちよく演奏させてもらったので、今度は僕がそっちに行きたいと思います。」

そう言うとまっちゃんがステージ上から去る。と同時に、スクリーンにはまっちゃんがステージ裏からどこかへ歩いていく映像が流れ出した。この映像がまた面白い内容で(笑)。

カメラを引き連れたままステージを降り、白いガウンを着る。そして何故かカメラ目線で髪型を直すまっちゃん(笑)。さらに廊下を歩いていると、ぶつかったおばちゃんにサインを求められ、心地よく承諾する。場内からは「私も欲しいー!」という歓声もあがっていた(笑)。

さらにまっちゃんが廊下を歩いていると何やら自動販売機を発見。売られていたのはPleasure2000-juice-のときのグッズだったjuice缶だったと思う。一度は通り過ぎるが、思い直したように戻り、しばし立ち止まって買おうかどうしようか悩むまっちゃん。そして意を決したかのようにお金を入れ、ボタンを押す。・・・しかしjuiceは出てこない。再びお金を入れる。・・・しかしやはりjuiceは出てこない。ついにキレたまっちゃん、自動販売機にケリを入れる。すると頭上から何十本ものjuiceがまっちゃんに降りかかってきた(笑)。また、自動販売機には「ELEVEN」という文字が書かれていた。

さらにまっちゃんは歩く。すると今度は4人の占い師が並んでいる。まっちゃんは気にとめることなくスーっと通り過ぎるが、通り過ぎたところでふと立ち止まり、「うーん、見てもらおうかなーどうしようかなー」と言わんばかりに自分の手のひらを見てクビをかしげる。しかし結局見てもらうことなく先へ進む。
今度はネクタイを頭に巻いた2人組のおっちゃんが居酒屋らしきところに入っていく。つーかこの横浜国際の会場の下には一体何があるんだよ、って突っ込みたくなる(笑)。

そしてそこを通り過ぎると今度はボードを持ったラウンドガールが登場。ボードには「ステージまで1km」と書かれていたのだが、ラウンドガールがそれをひっくり返すと「ステージまで30m」と書かれていた。ここで、笑い声ばかりあがっていた観客席から再び歓声が沸きあがる。また、アリーナ後方でスタッフがステージセットの準備をしており、その様子も映像に映し出されていた。

そしていよいよ現れるぞと思ったころ、スクリーンに「10・・・9・・・8・・・」のカウントダウンが。もちろん観客全員でカウントダウンを始め、「3・・・2・・・1・・・0」で登場かと思いきや、「・・・−1・・・−2・・・」と観客全員肩透かしを食らう(笑)。

その直後、ついにまっちゃんがアリーナ最後方、つまりステージとはちょうど正反対の位置からスポットライトに当てられ、多数の警備員とともに登場してきた。無論近くにいる観客からは凄まじい歓声があがる。そのままアリーナ後方の特設ステージに立つ。しかしここでふと疑問が。稲葉はどこに・・・?

するとカメラがある1人の警備員をアップに映す。その警備員は黒い帽子を深々とかぶってステージ下で立ち止まっている。まさか、と思った次の瞬間、その警備員が帽子を脱ぎ去る。その下から出てきたのは稲葉だった。近くのアリーナ席の観客からは悲鳴のような歓声が(笑)。そして2人そろってステージ上にあがり、歓声に応える。このときばかりはアリーナ席の観客がうらやましくてたまらなかったですね。また、この時まっちゃんはペットボトルか何かに入った水をアリーナの観客に向かってかけており、稲葉は水を口にふくんでプーーッて吐き出していたのだが、風が強かったためほとんど吹いた方向とは反対方向に水が飛んでいってしまっていた(笑)。

しばらく歓声に応えた後、ステージ上の椅子に2人で向かい合って座り、肩ならしと言わんばかりに稲葉がブルースハープを吹く。歓声があがったかと思うとMCへ。

稲葉「えー、こうして、2人だけになるのはたぶんB'zのライブ史上初めてなんじゃないかと。」
観客「(歓声)」
稲葉「ただ、何で(2人で)向かいあってなきゃいけないんだろうっていう(笑)。」
観客「(笑)」
稲葉「えー、せっかくなんでちょっとアコースティックで、やってみたいと思います。歌える人は一緒に歌って、踊ってみてください。」

そう言うとまっちゃんがアコギで何かを弾き始めた。しかしここだけでは一体何の曲なのかわからない。そこへ稲葉が「彼女はいつもミルクティー」と1コーラス歌いだすと観客からは歓声があがる。そう、恋心だった。一昨年のPleasure、そして昨年のELEVENでも演奏されただけに、今回ばかりは演奏されまいと思っていたのだが嬉しい誤算だった。サビではもちろん皆振りつきで踊る。振りつきということはつまり手拍子も何も起こらないわけで、このとき会場内にはまっちゃんのアコギと稲葉の歌声だけが鳴り響いていたのがとても心地よく印象的だった。
また、稲葉はこのときマイクを片手に持ちながら歌っていたのであまり振付けができなかったので、恋心の振りを知らなかった人は困惑していたようだ(特に私の隣の席の人は初めてLIVE-GYMに来ていたようで、どう踊ればいいのかわからなかったようです)。
最後はいつものように手を3回叩いて演奏が終わる。歓声に包まれたまま貴重なB'z二人のMCへ。

稲葉「あのー、ここ(横浜国際)はワールドカップの決勝が行われたところなんですよね。」
観客「(おおー)」
稲葉「日本×ロシア戦も、ここでやったんだよね。」
松本「日本×ロシア戦、(この会場で)観ましたよー。」
観客「(おおーーー!)」
稲葉「そうそう、松本さんは観たんだよね。ちなみにどの辺で?」
松本「うんとね、そこら辺。」
観客「(笑)」

そう言って東のスタンド席の前のあたりを指差すまっちゃん。少年のような喋り方するもんだから思わず観客からも笑いがこぼれる。

稲葉「ちょうどゴールのすぐ近くだったんだっけ?」
松本「そうそう、稲本のゴールを目の前で観ましたからね。」
観客「(おおーーー!)」
稲葉「そう、ここはワールドカップが行われたということで、色んなスーパープレイがあったと思います。やっぱり僕らもスーパープレイをやってみようか、と(笑)。」

そう言ってブルースハープを軽く奏でる稲葉。場内から歓声があがる中、まっちゃんがギターを弾き始めた。しかしやはりアコギだけでは何の曲かわからない。稲葉がAメロを歌いだしたところでようやくわかった。それは裸足の女神だった。途中の間奏がカットされたショートバージョンだったように思う。ラストはもちろん「NA NA NA...」の大合唱。すると突然ステージ上からドラムのキックが聴こえてきた。それにあわせて手拍子とともに歌う観客。そんな観客の歌声に包まれる中、B'zの二人はステージを降りる。どこへ向かうのかと思いきや、ここでとんでもないことが起こった。二人はそれぞれ二手に分かれ、アリーナ中央に伸びている通路を横断していったのである。近くのアリーナ席の人はおそらく直接触れるくらいの距離ではなかったのだろうか。私は今までLIVE-GYMをアリーナ席で観たことは2度しかないが、この時ほどアリーナ席に行きたいと思ったことはなかった(笑)。 2人はそのままそれぞれアリーナの端、つまりスタンド席のすぐ近くまで行き、スタンド席の観客の歓声に応えつつ、アリーナの一番端の通路をステージに向かってゆっくりと歩き始めた。その間、稲葉はずっとマイクで「NA NA NA...」と歌っていた。

再びメンバーがステージ上に集まりはしたが、場内は未だ「NA NA NA...」という歌声とどよめきと歓声に包まれ、異様な雰囲気になっていた。最後はバンドが一斉に音を出して裸足の女神をシメる。拍手と歓声があがる中、今度はDEVILが流れてきた。ステージ上はスクリーンだけでなくステージ上のスタンドのあたりまで全部英語の字幕のようなものが映し出されている。さらに圧巻だったのはサビの「Fly with your Devil's wing」という部分でステージ上から大きな火柱のようなものが何度も何度もあがっていた。
そしてDEVILの演奏が終わると稲葉が叫ぶ。

稲葉「キーボード・・・増田隆宣!」

歓声があがるとともに増田さんのキーボードソロへ。愛用のハモンドを奏でる姿はもはや御馴染み。BrotherhoodツアーでのSKINに行く前のオルガンソロのようなキーボードソロだった、と言えばわかりやすいだろうか。

そしてそのままEverlastingへ。今回のツアーの中で唯一のバラードだ。マイクスタンドを握りながらステージ中央に仁王立ちとなってバラードを歌い上げる稲葉の姿は本当に絵になる。この時ばかりは観客席も手拍子ひとつせず、皆演奏に聴き入っていた。
演奏が終わると再び稲葉が叫ぶ。
稲葉「ドラムス・・・シェーン・ガラーース!」

歓声とともにシェーンのドラムソロが始まった。FIFAのライブのときも思ったがこの人の体力はハンパじゃない。なんか、ドラムぶっ壊すくらいの勢いで、常に全力で叩いてるような気がするのは僕だけでしょうか。途中では三・三・七拍子のリズムが流れてきて、観客もそれに合わせて三・三・七拍子を刻む。それが少しずつ早くなってきたかと思うと凄まじいドラムソロへ突入。観客からも自然と拍手と歓声が沸きあがっていた。

そして気が付けばFIREBALLが始まっていた。この曲を聴くと「メイク魂に火をつけろ」という資生堂の化粧品のCMを思い出す(当時タイアップで使われていた)。圧巻だったのはラストの「そして自分のもとへ」の部分。最初は普通に「えぇえい〜〜」と歌うのだが、何度も何度も繰り返し歌いだし、最後にはとんでもなく長い「えぇえいーーーーーーーーーーー!!」というシャウト。鳥肌モノだった。また曲の終わりには派手な照明とともにステージ上のロボットの両手が上がった。

息つくまもなくLiar!Liar!へ。イントロがオリジナルと同じく、印象的な打ち込みのシーケンス音から始まったので分かりやすかった。思えばこれも3年前の横浜以来演奏されていなかった曲だ。サビでは皆揃ったように手を振り上げる。

余談だがB'zのライブではサビで手を突き上げることが当たり前のようになっていることが多い。私も昨年までは「周りがそうしているから」という理由で特に何も考えず手を上げていたのだが、今年からほとんど手を突き上げなくなった。別に周りがやっているからってそれにあわせる必要もないし、常に手をあげているのはどうもアイドルバンドみたいでちょっとカッコ悪いと思ったからだ。まぁ要は、稲葉がいつも言っているように「自分なりに楽しむ」ということをようやく知ったということでしょうか。こう言うとちょっとカッコつけた言い方に聞こえちゃうと思いますけど(笑)。

Liar!Liar!が終わると一旦ステージが暗くなる。そしてスクリーンに何やらB'zのアニメーションが映し出された。そしてアニメキャラの稲葉が「It's show time!」と喋るとともに、さまよえる蒼い弾丸が始まった。待ってましたと言わんばかりに場内からも歓声があがる。サビの「蒼い弾丸」では私も思いっきり人差し指を空に突き上げる。この曲はZERO同様、LIVE-GYMにはもはや欠かせない曲となったといえるだろう。とにかく稲葉のブチキレ様がハンパではないのだ。そんな稲葉の姿を見るとこちらも否応なしに気持ちが高揚する。アーティストとファンとのエネルギーのぶつかり合い、というライブの醍醐味を実感した瞬間だった。

さま弾が終わったと思ったらいつのまにかビリーのソロが始まっていた。今回はFIFAのライブの時よりもやや長めのソロだったように思う。相変わらずの超人っぷりを発揮していた。この人のソロを譜面に起こしたら大変なことになるんだろうなと思う。いやおそらく不可能だろう(笑)。

しばらくしてビリーのベースにまっちゃんのギターが重なる。お待ちかねのギリギリchopだ。私がB'zの楽曲の中でも1、2を争うくらい好きな曲だ。ライブでも毎年ここぞという盛り上がりどころで演奏されている。またこの曲はメンバーそれぞれに超人的なテクニックが要求される。しかしそれをいとも軽々とやってのけるメンバーには本当に口あんぐり状態である(笑)。また、今回は昨年に比べるとタオルを回している人が多かった。
演奏が終わると稲葉が叫ぶ。

稲葉「まだ行けるかァーーー?!」
観客「(歓声)」
稲葉「まだ行けるかァーーーーーーー?!」
観客「(歓声)」
稲葉「行くぞーーー!!」
観客「(歓声)」
稲葉「行くぞーーーーーーーー!!!」
観客「(歓声)」
稲葉「ウゥルトォラソーーーーーウル!!」

大歓声に包まれながらultra soulへ。今となってはB'zにとって一番メジャーな曲となったかもしれない。思えばいつかの会報で好きな曲第一位に輝いていた。ライブが最高潮のときにこの曲持ってきたもんだから、サビの「Hey!」の観客の声はすーごかったですね。8万人が一斉に「Hey!」ですよ(笑)。近所の人はそれはそれは驚いたことでしょう。
また、最後の「ウルトラソウル!!(Hey!)」は計4回叫んでいた。最高の盛り上がりを迎えたところでライブは一旦幕を閉じる。

稲葉「どうもありがとーーーう!」

そう言ってステージを去る稲葉とメンバー達。すぐさま会場内では恒例のウェーブが始まった。横浜国際は日本最大の野外スタジアムということだけあってスタンドがでかいでかい(笑)。その分、ウェーブも壮大なものだった。また今回はアリーナ前方からのウェーブもあり、スタンドから観ていると前方から波が押し寄せてくるようで、その光景はちょっと気持ち悪かったほどだ(笑)。
また、この時スクリーンには何やら座席番号のようなものが表示されており、最後にConguratulations!の文字が出ていた。後でわかったのだが「マジカDEオンステージ」という企画に当たった人の番号だったらしい。そしてそれに当たった人達がアリーナ席を立ちどこかに歩いていくのが見えた。その観客達は一体どこに行ったのかはアンコールのときに明らかになる。

しばらくしてステージが明るくなり、メンバーが再び姿を現した。無論場内は大歓声に包まれる。そして稲葉のMC。

稲葉「どうもありがとーーう!」
観客「(歓声)」
稲葉「(空を指差し)ほら、月が・・・見える。」
観客「(歓声)」

いや、実際は見えてなかったけど(笑)。

稲葉「えー、僕らは今年GREENというアルバムを出したんですけれども、GREENっていうのは、青いとか、未熟者とかっていう意味があって・・・、僕らはこうやってB'zを何年もやってて、ライブとかでこうやって曲を演奏したりしている時っていうのは、その、最高にかっこいい自分を想像しながらやっているんですが、後から観てみたりすると、あぁ、僕らはまだまだ青いんじゃないかって思う。皆も、そういうことあると思うんですよ。でも、何かに、ガムシャラに突き進んでく姿って、カッコ悪いって・・・誰か言ったっけ?・・・いや、それは、(息を吐き出しながらささやくように)美しい。」
観客「(笑&歓声)」
稲葉「でも、自分の目標に向かって頑張ろうと思っても、なかなかそう上手くはいかない。そんなとき、僕は自分にこう言い聞かせるんです。「あおいなー、自分。ケツあおいなー俺。」って。」
観客「(笑&歓声)」
稲葉「でもね、頑張るって・・・・・美しい。」
観客「(笑&歓声)」
稲葉「美しいって・・・・・・ビューティフル。」
観客「(笑&歓声)」
稲葉「青いって素晴らしい。・・・GREENって素晴らしい。・・・青い僕らは美しい。これから何年音楽をやっていくかは分かりませんが、「GREENな僕らは美しい」「GREENな僕らはビューティフル」を合言葉に、やっていきたいと思います。」
観客「(笑&歓声)」
稲葉「GREENな俺達は・・・」
観客「(ビューティフル!)」
稲葉「GREENなあなたは・・・」
観客「(ビューティフル!)」
稲葉「そこのあなたも・・・」
観客「(ビューティフルー!)」
稲葉「俺も、お前も」
観客「(ビューティフルーー!!)」
稲葉「そして今日、わき目も振らずに僕らのことを応援してくれた皆さんは最高にビューティフルでした。ここまでやってこれたのも、ここに来てくれているファンのみんなのおかげです。本当にどうもありがとーーーう!!」
観客「(歓声)」

そしてまっちゃんのアコギと共に稲葉が歌い出す。熱き鼓動の果てだ。現在でも水泳のCMソングで使われたりしているが、やはりこの曲を聴くと私はワールドカップを思い出す。途中まっちゃんがアコギからエレキギターにチェンジする箇所はオリジナルより長くなっており、その間稲葉が「ヘイ!ヘイ!」と観客を煽る。この曲は聴いていると思わず一緒に歌いたくなってしまう。もちろん私は最初から最後まで一緒に歌っていた。会場には涼しい風が吹いてきたのでとても心地よかったのを覚えている。またこのときステージ上には小さなステージが作られており、そこにはさきほどの「マジカDEオンステージ」で当選した観客達が。うーん、羨ましい。

演奏が終わるとすぐにjuiceへ。ここでスクリーンに緑色の笛をスタンバイする指示が。
ライブに行った人ならわかると思うが、今回のライブでは入場の際に緑色の笛が全員に渡されており、スクリーンに笛のマークが表示されたらスタンバイすることになっていたのだ。そしてステージ上の稲葉が笛を吹くと共に観客が一斉に笛を吹く。この時の音はまじでハンパじゃなかったです。耳が壊れるかと思った(笑)。
私にとってjuiceはギリchoと同じくらい大好きな曲。私は終始タテノリで歌いまくった。観客も笛のおかげでテンションがあがっており、凄まじい盛り上がり様だった。途中の間奏では昨年のLIVE-GYMと同じような稲葉と観客のかけあいもあり(ELEVENライブレポート参照)、また笛を使った三三七拍子もあり、まっちゃんとビリーのソロバトルもあったりして、遊び心満載な展開となった。

そしてラストでは花火が大爆発。この日一番の大歓声と拍手に迎えられ、LIVE-GYMは終演を迎える。最後はメンバー全員ステージ中央に立ち、恒例のコレで締め。

稲葉「せぇーーーのっ」
観客「(おつかれーーーーー!!!!)」

拍手と歓声が鳴り止まぬ中、稲葉とまっちゃんは何度も何度も、観客に向かって手を振り、稲葉はマイクで「どうもありがとーーーう!」と叫んでいた。私が今まで参加したLIVE-GYMの中でも最も長い間、ステージ上に残っていたのではないだろうか。ファンに対する気持ちが伝わってきた。

二人がステージを去り、自分の席に座った瞬間、思わず「明日も来たい・・・」という本音が出た。
エネルギーを出し尽くした充実感と脱力感、そしてライブが終わったことの切なさとともに、2002年の私の夏は終わった。



B'z
LIVE-GYM 2002 "GREEN" 〜GO★FIGHT★WIN〜 at 横浜国際総合競技場(2002.8.30)

  1. GO★FIGHT★WIN
  2. STAY GREEN 〜未熟な旅はとまらない〜
  3. ZERO
  4. love me,I love you
  5. Warp
  6. 太陽のKomachi Angel
  7. SURFIN' 3000GTR
  8. Blue Sunshine
  9. 恋歌 -Tak solo-
  10. 恋心(KOI-GOKORO)
  11. 裸足の女神
  12. DEVIL
  13. Everlasting
  14. FIREBALL
  15. Liar! Liar!
  16. さまよえる蒼い弾丸
  17. ギリギリchop
  18. ultra soul

  19. Encore.
  20. 熱き鼓動の果て
  21. juice


-最後に-

友人からセックスマシンガンズのライブに誘われていなければ、31日も間違いなく参加したでしょう(笑)。それほど、「もう一度だけでいいから参加させてくれ」と心の底から思わせてくれたライブでした。ライブが終わってこれほど切ない思いになったのは初めてかもしれません。それほど自分にとって充実した良いライブだったのでしょう。ライブから既に一週間以上経っていますが、今でもオープニングの「GO★FIGHT★WIN」のときの稲葉の表情が目に焼き付いて離れません。マジで稲葉になら抱かれてもいいと思いました。いやむしろ抱いてくれと言いたい(笑)。

これで来年までLIVE-GYMに参加できないと思うとほんと悲しいですが、今回のライブで蓄えたエネルギーでまた来年のLIVE-GYMまで頑張ります。きっと来年はPleasureだと思うし、そう確信してます。そして来年こそ「Don't Leave Meをライブで聴きたい」という夢が叶うことを期待しています(笑)。

それでは、一緒にLIVE-GYMに参加した皆さん、お疲れ様でした。
また来年のLIVE-GYMで会いましょう。
2002.9.9 Y.Tanaka



B'z consists of TAK MATSUMOTO , KOHSHI INABA