B'z
LIVE-GYM Pleasure 2008 -GLORY DAYS- FINAL at 日産スタジアム(2008/9/21)

ちょうど20年前の1988年9月21日、B'zは「だからその手を離して」でメジャーデビューを果たした。
それから20年。今日はB'zのデビュー20周年という記念すべき日ということで、2003年の渚園以来、5年ぶりにPleasureが復活した。

知らない人のために書いておくが、Pleasureというのは普段のLIVE-GYMとは違い、シングル曲やヒット曲ばかりを集めた、いわばベストセレクションライブである。'91年に最初のPleasure公演がスタートしてからずっと数年に一度はこのPleasureが開催されていたが、普段のLIVE-GYMとPleasureとの違いが不明確というファンからの指摘もあり、2003年の"Final Pleasure"が最後のPleasure公演ということになっていたのである。

会場は、B'zとしては2002年のGREEN以来の日産スタジアム。7万人以上の収容人数を誇る、国内最大級のスタジアムである。まさに20周年を祝うには最適だと言えるかもしれない。2003年の渚園も、あれはあれで良かったけど、やっぱり会場が遠すぎるし、全席アリーナだから、後方の人は全くステージが見えない状況になってしまう。そういうこともあって、個人的には日産スタジアムはまさに理想的な会場だった。

この日の座席はアリーナGブロック。アリーナのやや後方だったため、ステージやスクリーンが全然見えないのではないかと心配していたが、座席に着いてみると視界も良好でほっと一安心。ただ心配なのはポツポツ降っている雨だけだった。そして椅子の上には緑色のハンドタオルが置かれていた。おいおい、これはもう、あの曲で振り回すために使うんだってことだよね?ネタバレじゃん(笑)。とか思いつつ開演を待つ。

そして18時過ぎ、場内の照明が暗くなるとともに場内は大歓声。そしてSEが流れ、スクリーンには海の中を泳ぐ外国人の女性の姿が映し出された。海の中には過去のB'zの様々なPVが水泡の中に映し出されている。女性は泳ぎながら水中を上へ上へと昇っていく。そしてSUPER LOVE SONG、BURNと直近のPVが流れる水泡を通り過ぎると、突如女性がステージ上に姿を現した。どよめきに包まれる場内。そしてステージ中央のマイクスタンドの前に立ち、禁断のあのセリフを喋る。

「Well, I really don't know how to say...」

無論場内は狂喜のあまり大歓声。Pleasure2008、オープニング曲はまさかのBAD COMMUNICATIONだった。というかどうせなら大黒摩季本人が出てきても良かったのでは?とか思ったのは僕だけ?(笑)

まずはベースとシェーンのドラムが響き渡る。もうこの時点で興奮状態だったが、まっちゃんがギターをかき鳴らす姿がスクリーンに映し出されると凄い大歓声が。そして稲葉さんは、ステージ脇からフツーにスルスルっと出てきて、そこでまた大歓声。アレンジはULTRA Pleasureスタイルで。初っ端から「Wow Wow Wow..」と会場が一体となって叫ぶ。さらに「キミはギター!!」のところでまっちゃんと稲葉さんが2人同時に映し出される。

いつもライブのクライマックスで演奏されてきたバッコミが1曲目に来ること自体予想してなかったせいもあって、もうハンパない盛り上がりで。これ1曲でライブ終わっちゃうんじゃないの?と思うくらい。やっぱり20周年のこの日を皆心待ちにしていたのだろう。スタジアム全体がそういう雰囲気で満ちていた。

バッコミが終わるとなんとすぐさまultra soulへ。これまたもうイントロから大盛り上がりで。アレンジはここ数年のそれではなく、ちょうど2002年や2003年に演奏されていたアレンジに戻っていた。2番もオリジナルのままだったし、最後のHEY!も3回に変わってた。演奏が終わり、場内はどよめきに包まれている中、稲葉がスクリーンに映し出される。そして20年間ずっと変わらないこの一言で、今日もライブが始まる。

稲葉「B'zの・・・・」
観客「(歓声)」
稲葉「B'zの・・・・」
観客「(歓声)」
稲葉「B'zのLIVE-GYMにようこそーーーーーーーーー!!!!」

そしてまたしても予想外の裸足の女神へ。なんということだろうか。いつもライブ終盤で演奏される楽曲を、オープニングからの連発で持ってきている。しかもあの渚園ではアンコールで感動の大合唱を巻き起こした楽曲なのに。もちろん今日もラストは「Na Na Na...」の大合唱。この時点で私は「あぁ、これまでのPleasureとは全然違うPleasureになっているんだな」ということを考え始めていた。

そして曲は止まることなくそのままBLOWIN'へ突入。この流れるような展開もLIVE-GYMではなかなか見られなかったところだ。やっぱりこの曲はPleasureがよく似合う。特に「ハニーー!!!!」のシャウトはめちゃくちゃ興奮した。それに会場全体が「BLOWIN' IN THE WIND」と大合唱する光景はいつ見ても美しい。最後は稲葉の「せぇーーーの!!!」にあわせて「BLOWIN' IN THE WIND」と歌う。この時点で既に私は雨が降っていることすら忘れてしまっていた。

続いては増田さんのピアノが響く。これまた久しぶりのねがいだ。なんか、よくよく考えたらライブで聴くのは初めてかもしれない。しかし初っ端からこんなに飛ばしまくって大丈夫なのか?と思うくらいハイナンバーの連発である。

ここでようやく一段落。今夜 月の見える丘にへ。しかしこのイントロが鳴り響いた瞬間に、物凄い量の雨が降り出したのである。それこそ「痛い!痛い!」と叫んでしまうくらいの、まさに豪雨で。続くもう一度キスしたかったのときも豪雨は一向にやむ気配はなく。正直このとき覚えているのはイントロでスクリーンに映し出されたピアノと、真正面を向いて歌う稲葉の姿だけである。しかし演奏中盤頃から若干雨が弱くなってきた。そして演奏が終わるとMC。

稲葉「こんばんは!」
観客「(歓声)」
稲葉「みんな元気でしたか?」
観客「(歓声)」
稲葉「5年ぶりのPleasureですよー!」
観客「(歓声)」
稲葉「えー、今日はPleasureということでたぶん懐かしい曲とかもいろいろやると思いますけど、僕らもスタンドの一番後ろの人まで届かせるように、目一杯演奏していきますんで、皆さんも思いっきり我を忘れて、声がかれるくらい、最後まで楽しんでいってください。」

そして流れてきたイントロは待ってました恋心!2003年以来演奏されていなかったし、ひさびさだったこともあって踊りまくった。「松本に相談しようか」のところではスクリーンにまっちゃんがハート型の窓の中に映し出されて、それを稲葉が見ているような演出になっていて。「センセー!!」も叫んで、超楽しかった。やっぱりPleasureにはこの曲がないと、ね。

そしてほとんど間もなく孤独のRunawayへ。これも予想外の1曲。ライブで聴くのは実に2000年のPleasure以来である。高校に通っていた頃、自転車に乗りながら毎日ウォークマンで聴いていたのを思い出した。ギターソロが大好きでね。

続いては稲葉がブルースハープを奏でる。しばらくソロが続いたところで、シェーンがドラムを叩くと、その時点でピーンと来た。何故ならB'zのシングル曲の中では最も好きな曲だったからである。Don't Leave Me。この重厚さはやっぱりたまらなく好きだ。これは高校卒業から大学入学にかけて、バカみたいに聴いてた。好きで好きでたまらなかった。昔も今も変わらず好きでいられる楽曲というのはそうそうないけど、Don't Leave Meはきっと死ぬまで大好きなんだろうなと思う。

ラストはライブバージョンならではの超人シャウトを連発。そして僕はますますこの曲が好きになってしまった。

続いてはブルーの照明が灯るなか、OCEANへ。これはやっぱり何と言っても2005年のCIRCLE OF ROCKツアー、当時のグランディ21で初めて聴いたときの印象が忘れられない。そしてドームツアーでのアンコールで聴いたときは、思わず涙しそうになってしまった。あのときと同じように、マイクスタンドをしっかり持って微動だにせず歌い上げる稲葉の姿を見て、その感動が蘇るようだった。

そしてライブの空気は一転、なんとNATIVE DANCEへ突入。これは嬉しい誤算!もちろん私はライブで聴くのは初めてだったけど、あの振り付けはDVDで何度も観てたのでバッチリ。そしてスクリーンにはオープニングで登場した外国人女性も一緒になって振り付けしているのが映し出される。稲葉は「アワワワワワ!!!」の部分もちゃんとシャウトして叫んでた。そこでまた場内大盛り上がりで。

演奏が終わると、スクリーンには夜のヒットスタジオか何かのTV出演映像が映し出された。これがまた大爆笑モノで。「太陽のKomachi Angel」から始まって、「Easy Come,Easy Go!」、「LADY-GO-ROUND」、そして「BAD COMMUNICATION」では、稲葉さんがめちゃくちゃ腰を振っている映像が映し出されてもう場内騒然、というか大笑いで(笑)。

映像が終わるとステージ上にはなにやら「SOUND JOKER」という名のスタジオのようなセットが用意されていた。一体何が始まるんだろうと期待を高ぶらせていると、2人が出てきて、そのスタジオセットの中央に用意された椅子の上に座った。そして2人のMCへ。

稲葉「さて、今のビデオの中で僕は何回腰を振ったでしょうか?」
観客「(爆笑)」
稲葉「えー、こうやって2人だけでステージに立つというのはとても久しぶりなことなんですけれども、せっかくなので、ここで、昔のことを振り返っていろいろ喋りたいと思っていますが、いいですか?
観客「(歓声)」
稲葉「というか皆さんいま大丈夫ですか?」

大丈夫かと言われたらあまり大丈夫じゃない状況だった。このとき雨はまたかなり激しくなっており、目を開けるのもやっとの状態だったからだ。でもそんなファンを気遣ってくれたこの稲葉のひとことで私は元気を取り戻した。

稲葉「えー、ここ(後ろ)にSOUND JOKERって書いてありますけど、ここはどういう思い出が。」
松本「えーっと、SOUND JOKERというのは六本木にあったスタジオの名前です。僕と稲葉君が出会って初めてレコーディングしたスタジオなんだよね。」
稲葉「何曲かレコーディングもしましたよね。」
松本「うん、当時はビートルズの曲を2、3曲かな。レコーディングして。で、3曲やったところでちょうどアンプが壊れちゃったんだよね。そこから俺達の伝説が始まったんだよな。」
観客「(笑)」
稲葉「何かカッコイイですね(笑)。えーじゃ今日はせっかくなんで、当時ここで演奏したビートルズの曲を、今日は2人だけで、ちょっと演奏してみたいと思います。」

これはまた驚いた。まさか20年目にして、B'zによるビートルズのカバーが聴ける日が来るなんて。しかも歌っているのはOh! Darling。これをカバーしてたとは知らなかった。しかも歌、めちゃくちゃウマイの。やっぱキーが低いとより歌いやすいんだろうな。これはぜひDVDに収録して欲しい。でないともう二度と聴けないだろうから。

稲葉「えー、僕たちはちょうど20年前の今日にデビューしたんですけれども、当時はキャンペーンとかもよくやってて。ギターと歌だけ抜いたカラオケのデモテープを持ってね、全国回ったんです。いろんなとこ行きましたよね。」
松本「うん、いろんなとこ行ったねー。」
稲葉「えー、今日は僕らのデビュー曲「だからその手を離して」を、当時のカラオケバージョンでですね、当時のことを思い出しながらちょっとやってみたいと思います。」

そしてだからその手を離してが本当にカラオケバージョンで披露された。この曲はきっと今日演奏されるだろうとは思っていたけど、mixture styleで演奏されると思ってたから。さらに「では今度は僕らの一番新しい曲を聴いてください」と言っていつかまたここでが、2人だけで演奏された。この曲はまだ1度も聴いたことがなかったが、いい曲すぎてウルトレがもう1枚買いたくなってしまった。早くCDで聴いてみたいなぁ。

これでSOUND JOKERのコーナーは終了。通常のステージへ戻ることに。そして聴こえてきたのはあのピアノの音色。ONEだった。99年のBrotherhood以来、実に9年ぶりにライブで聴いた。アレンジはオリジナルのままで、思わず9年前に同じ場所にいたときの記憶がフラッシュバックした。そしてここからライブはクライマックスへ突入していく。

まずはイントロで緑色のレーザー光線が場内を照らす。LOVE PHANTOMだ。このときの会場のどよめきは凄かった。Pleasureならずともよく演奏されているB'zの代名詞とも言える楽曲だが、何度演奏されてもライブでの盛り上がりは凄い。曲が終わるとシェーンがドラムを叩きだす。

稲葉「ではここで皆さんにバンドのメンバーを紹介します!」

そして稲葉がメンバーを1人1人紹介していく。そして増田さんを紹介したところで、増田さんが突如ZEROを弾き始めるもんだからもう大変です。実はZEROは今回とても楽しみにしてた曲で。最近になってまたこの曲の良さを改めて知ったというか。やっぱB'zにはこういう曲がよく似合う。

最初の「All Right!!」の部分は稲葉が「ヨコハマーーーーーー!!!!」って叫んで、2人がグルグル回る姿がスクリーンに映し出されると場内大興奮。今まで聴いてきた中でもこの日のZEROは最高だった。

そしてたたみかけるようにjuiceへ。イントロの入りがかなりスローテンポになってたが、イントロはむしろスローな方が良い。本編に突入した途端に爆発的な盛り上がりを見せるからだ。そして途中のかけあいもたっぷりあって。しかも稲葉が「Yeah---------------------------・・・・・」って永遠に続くんじゃないかと思うくらいの声で。しかもその後ファンにも同じことやれって言ってもそりゃ無理だよ!(笑)でもやっぱこのかけあいは本当に楽しい。これこそまさにPleasureの醍醐味。

演奏が終わるとシェーンだけがドラムを叩く。もうこの時点で何の曲かすぐにわかった。無論、大好きな曲だからだ。そしてドラムが響く中、「ヘイ!ヘイ!」と観客を煽る稲葉。するとステージ上の照明が一斉に導火線のような光り方で頭上に伸びていく。すると物凄い量の花火が一斉にドーーーーーンと何発も何発も舞い上がる中、愛のバクダンへ。GLORY DAYSのハートマークのロゴがステージ上に映し出されると、「あぁ、これハートマークだったんだ」ってその時になって気づいた(笑)。

この愛バクはもう言うことがなかった。全てが最高だった。しかし何故僕は愛バクが流れるとウルウルきてしまうんだろうと今でも不思議に思う。2005年以来、毎年LIVE-GYMでは演奏されてるけど、聴いても聴いても感動が薄れない。しかもとてもハッピーな曲なのに、なぜかセンチメンタルな感情が押し寄せてくる。でも物凄く興奮するし。絶頂状態になってたから「1!2!3!」とか超叫んだ。

そしてこれまたひさびさのBANZAIでライブの盛り上がりは最高潮をさらに超えた。

稲葉「どうもありがとーう。」
観客「(歓声)」
稲葉「僕らがこうやって毎年ライブやって、20年もの間こうしてやってこれたのは、みんなのおかげです。これには感謝の言葉もありません。本当にどうもありがとう。」
観客「(歓声)」
稲葉「僕らとみんなとのつながりは、雨が降っても、台風が来ても、簡単に切れるものじゃないと思います。僕らとみんなのことを歌った曲を聴いてください。」

そして感動のBrotherhoodへ。
今思えば、全てはこの曲が物語っていたように思う。思えば9年前、初めてB'zのLIVE-GYMに参加したBrotherhoodツアーで初めてこの曲を聴いた。そのとき、稲葉はこんなことをMCで言っていた。

(当時のレポートより抜粋)
稲葉「え〜…、まあ、このライブが終わったら、みんなはみんなの生活に、僕らは僕らの生活に戻っていくわけなんだけど…。この先、生活していく中で、もう……ほんとにツライときっていうのが、みんなにも、僕らにも、必ずやってくるんだよ。そういうときにね……まぁこのライブのことも忘れるかもしれないけど、今日、ここで、この会場で、みんなでひとつになったっていうことが……、「ポン」ってみんなの背中を押す勇気になると思うんで…。いや、なるはずだと確信してます。それはね、(ステージから)近いとか、遠いとかじゃなくて、(会場のあちこちを指差し)、みんなつながってるから。(自分の胸に手を当て)ココで、つながってるんだよ。
・・・だ・か・ら!みんなもうつながっちゃったんだから!・・・ひとつになっちゃったんだから!!・・・頑張ろうぜ!!!!」


そう、思えば、9年前のあのときから、自分とB'zはずっとどこかでつながっていたんだと。そしてこれからもそのつながりは決して切れることはないんだと。Brotherhoodを聴きながら私はそんなことを思っていた。そして曲中、「だから何とかここまでやってこれたんだ!!!You know what I mean---------------!!!!」と、声にならない声で叫ぶ稲葉の姿を見た途端、自分の心の中で何かがプチンと切れた。と同時に、号泣した。止まらなかった。声を出さないように泣くのが精一杯で、その後の「We'll be alright」も全然歌えなかった。

そしてこのとき確信した。
いままでも、そしてこれからも、自分はB'zと共に生きて行くんだと。

気がつけばあれだけどしゃ降りだった雨がピタリとやんでいた。それは5年前の渚園で観たときと同じような、まさに奇跡的な光景であった。

演奏が終わると拍手が起こる。これで本編は終了だな、と思った。しかしその予想はいい意味で裏切られた。シェーンがスネアを叩くとともに、「まだ元気あるだろーーーーー!!!」と叫ぶ稲葉。そしてなーーんとギリギリchopへ突入。しかし椅子の上に置いてあったハンドタオルは雨でズブ濡れでカバンの中に押し込んでしまっていたため、自分はタオルは回さなかった。どうやら座席ごとに違った色のタオルが準備されていて、ステージから見るとちょうど虹色に見えていたらしい。これはDVDが楽しみである。

まさに完全燃焼といったところで本編は終了。そして場内は恒例のウェーブが起こる。また、ステージ上にはGLORY DAYSの大きなロゴが映し出され、ファンの声援が大きくなるにつれてそのロゴに虹色がかかっていく仕組みになっていた。つまりロゴマークが全て虹色で満たされればアンコールが始まるということである。それを知ったファンは大歓声。見事にロゴが虹色に染まると場内からは拍手と歓声が起こった。

そしてアンコールへ突入。「ではもういっちょ新しい曲を聴いてください」と言ってグローリーデイズへ。「雨上がりの道路 また歩き出した時 橋のむこうに 虹が出たんだ」って、なんてこのシチュエーションにピッタリな歌詞なんだろう。そしてまさに「奇跡のような瞬間の連続」だったPleasure2008の終幕は近くなろうとしていた。

演奏が終わるとシェーンのキックとともに、少しずつSEが重なっていく。そこで稲葉がマイクを持つ。

稲葉「僕達はこの20年間休まず走り続けて来ました。速くたって、ゆっくりだって、走り続ければ辿り着ける場所があるということ教えてくれたのはみんななんだよ。みんはB'zの誇りです!またいつか会うんだぞ!!約束だぞーー!!!」

そのままRUNへ。ここにもBrotherhoodと同じメッセージが込められていた。結局自分達の目の前にはそれぞれの道しかないけど、「死ぬなら1人だ 生きるなら1人じゃない」ということ。生きるならいつもB'zが一緒だということ。そう思えば、どんな困難にでも立ち向かえるような気がしてくるのは自分だけだろうか。

そして20周年ラストを飾ったのはPleasure 2008 〜人生の快楽〜。2003年の渚園では聴けなかったため、ライブで聴いたのは実に2000年の千葉マリンスタジアム以来だ。照明がずーっと黄金色に輝いていたのが印象的だった。そして何と言っても、演奏し終わった後の稲葉の表情である。歌い終わって、バンドが曲のシメに入っていたとき、実に10秒以上もの間、稲葉の顔がアップでスクリーンに映し出された。そしてその表情は、私が今まで観たことのない男の表情だった。20年間分の、いや、稲葉浩志の人生を全てこのライブで出し尽くしたという表情でもあったし、「見たか、これがB'zなんだ!」というメッセージも込められていたように思う。

自分が40歳を超えたとき、果たしてあんな表情ができるだろうか。その表情は鳥肌が立つくらい、自分の心の目に焼きついた。このときの表情はDVDに収録してもらいたい。きっと多くの人が何かを感じ取るはずだ。

稲葉「どうもありがとーーーう!!」
観客「(歓声)」
稲葉「せぇーーーーのっ」
観客「(おつかれーーーー!!!)」

今日の「おつかれ」は一味違った。20年間分の「おつかれ」が詰まっていた。
そして稲葉とまっちゃんはそれぞれステージ端からアリーナへ降り、なんと日産スタジアムを互いに1周した。ファン全員の近くをB'zが通るもんだから、スタンドのファンなんかは大変な騒ぎになっていた。そしてアリーナ最後方のあたりで2人が合流するところはハイタッチするもんだからまた大歓声で。

1周して再びステージに戻ってきたとき、ステージ上で2人はガッチリ抱き合う。

その感動的な光景をもって、Pleasure2008は幕を閉じた。



B'z
LIVE-GYM Pleasure 2008 -GLORY DAYS- FINAL at 日産スタジアム(2008/9/21)

  1. BAD COMMUNICATION
  2. ultra soul
  3. 裸足の女神
  4. BLOWIN'
  5. ねがい
  6. 今夜月の見える丘に
  7. もう一度キスしたかった
  8. 恋心(KOI-GOKORO)
  9. 孤独のRunaway
  10. Don't Leave Me
  11. OCEAN
  12. NATIVE DANCE
  13. Oh! Darling (The Beatles)
  14. だからその手を離して
  15. いつかまたここで
  16. ONE
  17. LOVE PHANTOM
  18. ZERO
  19. juice
  20. 愛のバクダン
  21. BANZAI
  22. Brotherhood
  23. ギリギリchop

  24. Encore.
  25. グローリーデイズ
  26. RUN
  27. Pleasure 2008 〜人生の快楽〜


-最後に-

今回のLIVE-GYMは感じたことが山のようにありました。何から書いていいのかわからないくらいで。。。

でもやっぱりBrotherhoodを聴いたときのあの感情は、今まで体験したことのないものでしたね。どうしようもなかったです。やっぱり長年ファンやってると、着かず離れずじゃないけど、やっぱ心が離れてしまう時期があるんですよね。特に5年前のPleasureのときはそれがピークだったように思う。あのときは「本当に自分はB'zが好きなんだろうか?」って自問自答を繰り返していた気がするし。

そういう意味では今回のPleasureは色んな意味で5年前とは違ってた。
5年前はまさに過去のPleasureの総決算という位置づけで、演出も過去のものを引っ張り出してくるものだったけど、今回はもう全く新しいPleasureに生まれ変わってて。「今のB'zがPleasureをやったらこうなるんだ」という、まさに現在進行形のB'zを見せ付けられたというか。やっぱB'zの魅力ってのはそういうところなんだよな、ということに改めて気づかされたし。

あとは今までさんざん聴いてきたメジャーな曲達も、今回のライブでは印象が全く違ってて。それはやっぱり去年のSHOWCASEや今年のACTIONで普段やらないような曲を演奏してくれたおかげで、逆にメジャーな楽曲が新鮮に感じたのだと思う。ZEROやjuice、BANZAIは本当に最高だった。

だから今ならはっきり言えます。「やっぱりB'zが好きだ!」ってね。

B'z、20周年おめでとう! そして、一緒にLIVE-GYMに参加した皆さんお疲れ様でした!
また次回のLIVE-GYMでお会いしましょう。(ミワさん、次回は一番に誘うので一緒に行きましょうね!)

2008.9.28 youhei



B'z consists of TAK MATSUMOTO , KOSHI INABA