al.ni.co
LIVE 1999 #1 at 赤坂BLITZ(1999/4/16)

現在4月16日午後11時である。つい30分ほど前にal.ni.coのライブから帰ってきた。まだ興奮がおさまらないうちに、ライブレポを書こうと思う。

とうとうこの日がやって来たのだ。私が彼らを知ってからもう8年が経とうとしている。ついに彼らをこの目で見れる日が来たのだ。
天気は快晴。私はMDウォークマンに松本孝弘のアルバムをセットし、家を出た。「セイレン」はあえて聴かなかった。私はライブの前にはそのアーティストの楽曲はあまり聴かないことにしている。溜まったパワーをライブで爆発させるためだ(笑)

午後18時30分。会場の赤坂ブリッツに到着。入り口にはファンが数百人ほど集まっていた。そしてすでに入場は始まっていた。私は急いで入場したが、もう前の方には人が密集しており、前の方へ行ける状態ではなかった。(※赤坂ブリッツのアリーナはオールスタンディングのため、指定席はない。よって、前の方の席は早いもの勝ちとなるらしい。)

ステージを見渡すと、中央にマイクが一本おいてあった。もちろん上杉用のマイクだ。そして向かって右側にもう一本、マイクがおいてあった。私はそれを柴崎用のマイクだと予想し、迷わず右側に陣取った。

午後19時をまわった。開演時間だ。しかし、会場内にはバックミュージックが流れているだけで、なかなか二人が現れる気配がない。
15分ほど経っただろうか。照明が暗転。待ってましたとばかりに会場内のあちこちから歓声があがる。そして Prologue のイントロが流れる。会場内からさらに大きな歓声があがる。そして・・・
al.ni.co登場! サポートメンバーの後に、まず柴崎がステージ脇からするすると出てきた。上はグレーのシャツ。下はよく見えなかったが、黒のジーンズをはいていたと思う。私の予想どおり、柴崎はステージ向かって右側、私の真正面に立った。「よっしゃー!」と心の中で思いつつ、上杉はどこだ?と探す。
・・・いた。上杉は低姿勢で会場を見渡すポーズをしながら、ステージ脇からゆっくりと現れた。ニット帽に大きめのサングラス、そして白衣(!)に黒の短パンをはいていた。
赤坂ブリッツのような小さい会場でライブを見た事がない私には、二人がもうすぐそこにいるように見えた。手を伸ばせば届きそうな位置にいるのだ。もうそれだけで私は興奮絶頂状態。しかし、パニックになってはいけないと思い、しっかりとリズムに乗ることを心がけた。
「ラーーラーララー・・・」
上杉が歌っている。間違いなく本物の上杉だ。私はまるで夢の中にいるように思えた。今まで雲の上的な存在だった彼らが、私の目の前で歌っているのだ。あっという間にPrologueが終わる。会場から歓声があがったのも束の間、そのまま カナリア へ。上杉が大空へ羽ばたく真似をする。最初のサビでは、声の調子が悪かったのか、あまり声が伸びていなかったように思えた。しかし曲の終盤では物凄いシャウト。この日一発目の鳥肌が立った。間奏では柴崎のギターソロで会場は物凄い柴崎コール。柴崎はWANDS時代とは比較にならないほどギターの腕が上達していた。そして、落ち着いて見える外見とは逆のパワフルなパフォーマンスに私は酔いしれた。
そして上杉は早くも息を切らしながらMC

上杉「ブエノスノーチェス。今日はお前らのケツ蹴り上げに来たぜ!お前らも蹴られたいんだろう?!」

観客がウオオオー!と叫ぶ。めちゃくちゃハイテンションのまま "G" へ。 初っ端からこんなとばして大丈夫なのか?と思うくらい、上杉も柴崎も、そして観客も物凄いパワーをぶつけ合っていた。ギターソロでまたしても柴崎が暴れまくる。この曲あたりから上杉はしきりに観客の方を指差しながらその指を、まるでトンボの目を回すかのようにグルグルまわすパフォーマンスを幾度となく繰り返していた。
そして晴れた終わりへ。 アルバム「セイレン」と全く同じ曲の展開が続く。今考えてみるとやはり「セイレン」の曲構成はライブを意識してつくったように思われる。
間奏の「time flies like an arrowーーーーーー!!!!」、そして柴崎のギターソロではまた鳥肌が立った。
つづいてはニル・ヴァーナのRAPE MEをカバー。私はこの曲はこの時初めて聴いたが、もう最初から最後までノリノリだった(笑)。柴崎のギターがとても心地よかった。そしてここで思いもよらぬ嬉しい出来事が・・・。

上杉「え〜、今日は、ウチの柴崎が、”柴崎パフォーマンス”をやりたいそうなので・・・」
と、柴崎に一旦バトンタッチ。柴崎がマイクに口を近づけると、それだけで歓声がおこった
柴崎「え〜っと、僕の好きなバンドで”レイジングホンキース”の曲をやります。」

私はてっきりギターソロかと思ったが(柴さんごめんなさい(笑))、なんと、柴崎が歌っている!もう二度と見られないかもしれないその姿を私はしっかりと目に焼き付けた。そして柴崎のソロは続く。

柴崎「えぇっと、次はジェフ・ベックの曲をやります。(サポートメンバーを指差し)ここにいる人達も(ジェフ・ベックの)ライブに行くみたいなんだけど・・・。ジェフ・ベックよりはちょっと荒いギターになってしまうかもしれないけど、聴いてください。」

というMCの後、???(タイトル不明)。これはギターソロの曲だった。かなり長い曲で、柴崎はギターをガンガンに弾きまくっていた。本当に楽しそうだった。あぁ、やっと彼らはやりたいことをできるようになったのかな、とふと思った。
そして柴崎のソロが終わり、再び上杉登場!Tough LuckPrayerと続く。Prayerではバックは柴崎のギターのみだった。柴崎独特のリズムに上杉が見事にのっていた。
そしてMC

上杉「まだ足りないかーい?欲張りな奴らだなぁ。変態のステージだぜ?まぁここに来てるおまえらもある意味変態だよな。」
観客「(笑)」
上杉「まぁ、変態同士仲良くしよーぜ!」

大歓声。そのままSuicide Solutionへ。ここはみんなじっくりと上杉の声に聴き入っていた。
上杉は自分の頭を指差しながら「あとは殺ればいいだけ・・・自らを殺ればいいだけ」と歌っていた。
Living For Myself。最後の上杉のヴォーカルソロでは、会場内は物音一つしないほど静まり返っていた。そして演奏が終わると大歓声。 つづいて無意味な黄色〜Meaningless Yellowのイントロが流れる。ここで上杉がサングラスを外した。女性陣からものすごい黄色い声が飛び交う。それにしても、彼はいつも顔色が悪いように見えてしまうのは私だけだろうか?
つづいて雨音。ここらへんの曲は本当に久しぶりに聴いた。
ここでまたしてもカバー曲Hey,Hey,My,My。ステージはかなり盛り上がったのを覚えている。
そして待ってましたProvidence of nature。ここで上杉は帽子も脱ぎ捨てた。観客のボルテージは最高潮。上杉もそれに答えるかのように、凄まじいシャウトを連発。そのままの勢いで私が最も好きなTOY$!へ!もうブリッツはパニック。狂喜乱舞状態である(笑)。私もこのときはずーっと鳥肌が立ちっぱなしだった。上杉は頭からペットボトルに入っていた水をかぶり、髪をかきむしる。さらに上杉は自ら飲んだペットボトルの水を客席に投げた。(そして、それがなんと私の目の前に!跳ねる水に驚きながらも私は必死に取ろうとした。が、私の2mほど前にいたカップルに取られてしまった。そのカップルはなんと上杉が飲んだその水をまわし飲み。なんて幸せな奴らだっ。)上杉はステージ上を走り回りながら、客をあおっていく。私はこのライブが永遠に続いて欲しいと思った・・・。
そして最後の曲Blindman's Buffへ。あれだけ声を出しまくっても、まだ上杉の声は伸びつづける。なんという強靭な喉を持っているのだろうか。
曲が終わると、彼らはそのままステージ上からいなくなった。開演前と同じように、バックミュージックが流れる。客席からはもちろんアンコール。5分くらい経ったころ、再びal.ni.co登場!無論、大歓声に包まれる。

上杉「やっぱり東京はいいなぁーー!!」
観客「(大歓声)」
上杉「俺達はまだアルバムも一枚しか出してないし、もう曲がないので、今日は、俺が敬愛するヴォーカリスト、カートの「I hate myself and I want to die」をやりたいと思います」

あっという間に曲が終わり、これでライブは終わりかと思ったが、嬉しい誤算だった。もう一曲歌ってくれた。

上杉「え〜、これはジジイでもババアでも知ってる曲なので、みんな一緒に歌ってくれよ!」

・・・私は知らなかった^^;。でもメロディはとても覚えやすかった。終盤のサビでは上杉は客席にマイクを向けていた。ブリッツ全員で歌い終わったところで、ライブは終了。
最後に 「サンキュー!」 と言って上杉はステージを去った。



al.ni.co
LIVE 1999 #1 at 赤坂BLITZ(1999/4/16)

  1. Prologue
  2. カナリア
  3. 「G」
  4. 晴れた終わり
  5. RAPE ME(カバー(original:Nirvana))
  6. Don't Make Me Hate(カバー:柴崎ソロ(original:The Raging Honkies))
  7. ???(カバー:柴崎ギターソロ(original:ジェフ・ベック))
  8. Tough Luck
  9. Prayer
  10. Suicide Solution
  11. Living For Myself
  12. 無意味な黄色〜Meaningless Yellow
  13. 雨音-Expanded demo track-
  14. Hey,Hey,My,My(カバー(original:ニールヤング))
  15. Providence of nature
  16. TOY$!
  17. Blindman's Buff
  18. I hate myself and I want to die(カバー(original:NIRVANA))
  19. Lucy In The Sky With Diamonds(カバー(original:The Beatles))


-最後に-

最高だった。この一言に尽きる。ドームや武道館といった大きな会場ではなく、ブリッツでやってくれたことが嬉しかった。おそらく今日の彼らの姿は一生私の記憶に残っているだろう。二人を初めて見た印象としては、上杉はものすごく大きく見えた。(実際、背はそんなに高くはないはずなのだが)。柴崎は、とにかく細かった。あの細い体でなぜあんなギターが弾けるのか、と思うくらいだった。
まあ何よりも二人の新しい第一歩を共に味わえたことが最高に嬉しかった。#2も絶対に行くぞ。
ただひとつ残念だったのは、私の前にいたノリの悪い中年のオジさんがかなり邪魔で、上杉がよく見えなかった・・・。仕方のないことなのだが、このオジさんは、全然ライブを楽しんでいないように見えたので腹が立った。
あと気づいたのだが、今回のライブでは、上杉の声の調子が悪かったのかどうかはわからないが、キーが全部一つ下がっていた。

また、今回のライブチケはインターネットで知り合ったファンの方に譲っていただきました。ありがとうございました。

1999.4.16 youhei



al.ni.co are SHOW WESUGI & HIROSHI SHIBASAKI